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決意
下手に出れば
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副社長だ。
普段あまり会うこともないのに、どうして、よりによって今?
こんなに間近で見るのは、ハイヤング最高責任者との記念撮影以来だ。
エレベーターに乗込み、副社長は、軽く私を一瞥しただけ。
「お疲れ様です」
挨拶をすれば、仕方なくと言った感じで小さく頭を下げた。
目も合わせない。
疑惑のせいか、後ろめたそうにも見える。
「そう言えば……」
かと思ったら、
「失礼、お名前忘れたけど、事務課へ異動するんだよね?」
ネームプレート下げてるのに、それさえ見ずに副社長が不自然な笑顔を向けてきた。
「……ええ」
「それがいいよ。秘書って大変だし、神城社長の下だと尚更だろうから」
何が言いたいのか。
私は、「そうですね」とだけ相槌を打ち、副社長の視線から逃げる。
この人が性的な目を向けるのは、おそらく美女かグラマラスな女性が主で、私のような地味なアラサー女には上からの蔑視のみだ。
「君が倉林さんクラスなら、僕の専属として推薦もしてあげたんだけどね」
「………」
ここまで嫌な奴だったとは。
まだツワリが治まらずイライラしていた私は、
「もしくは、王雨桐さんみたいな、ですか?」
恐らくハニトラかけてきたであろう、ハイヤングのセクシー秘書に名前を口にしてやった。すると、わかりやすく副社長の頬が引きつった。
「君、根に持つね。あの写真撮影の時のこと、俺に恥かかされたと思ってるんだろう」
″倉林さんならいいんじゃないか?″
そんなことあったわね。
「今そんなこと仰るなんて、副社長は悪意あったんですね」
忘れてもないし、あれから色々あり過ぎて思い出さなかったけど、それなりに傷付いたわ、あの時の私。
「本音が出たんだよ、ポロッとね。悪かったよ」
エレベーターが止まり、扉が開くのと同時に私に、何かが降りてきて、用意してなかった言葉が口から出た。
「本当ですよ。副社長のこと尊敬してましたのに」
降りながら、副社長が振り返って私を見た。
この時、初めて、この人から甜められるような視線を向けられる。
吐き気まで催していた私の目は、微かに濡れていた。
「……君が不憫に思えてきたな。人事に関しても僕が最大の権限を持つことになるだろうから相談に乗るよ。僕のメアドわかるね?」
ただのエロオヤジなのか、それとも現時点では神城社長の秘書だからなのか、副社長は満面の笑みまで見せて去って行った。
本来降りるべき階だったが、微かに足が震えていた私は、そのまま扉が閉まるまで立っているのがやっとだった。
普段あまり会うこともないのに、どうして、よりによって今?
こんなに間近で見るのは、ハイヤング最高責任者との記念撮影以来だ。
エレベーターに乗込み、副社長は、軽く私を一瞥しただけ。
「お疲れ様です」
挨拶をすれば、仕方なくと言った感じで小さく頭を下げた。
目も合わせない。
疑惑のせいか、後ろめたそうにも見える。
「そう言えば……」
かと思ったら、
「失礼、お名前忘れたけど、事務課へ異動するんだよね?」
ネームプレート下げてるのに、それさえ見ずに副社長が不自然な笑顔を向けてきた。
「……ええ」
「それがいいよ。秘書って大変だし、神城社長の下だと尚更だろうから」
何が言いたいのか。
私は、「そうですね」とだけ相槌を打ち、副社長の視線から逃げる。
この人が性的な目を向けるのは、おそらく美女かグラマラスな女性が主で、私のような地味なアラサー女には上からの蔑視のみだ。
「君が倉林さんクラスなら、僕の専属として推薦もしてあげたんだけどね」
「………」
ここまで嫌な奴だったとは。
まだツワリが治まらずイライラしていた私は、
「もしくは、王雨桐さんみたいな、ですか?」
恐らくハニトラかけてきたであろう、ハイヤングのセクシー秘書に名前を口にしてやった。すると、わかりやすく副社長の頬が引きつった。
「君、根に持つね。あの写真撮影の時のこと、俺に恥かかされたと思ってるんだろう」
″倉林さんならいいんじゃないか?″
そんなことあったわね。
「今そんなこと仰るなんて、副社長は悪意あったんですね」
忘れてもないし、あれから色々あり過ぎて思い出さなかったけど、それなりに傷付いたわ、あの時の私。
「本音が出たんだよ、ポロッとね。悪かったよ」
エレベーターが止まり、扉が開くのと同時に私に、何かが降りてきて、用意してなかった言葉が口から出た。
「本当ですよ。副社長のこと尊敬してましたのに」
降りながら、副社長が振り返って私を見た。
この時、初めて、この人から甜められるような視線を向けられる。
吐き気まで催していた私の目は、微かに濡れていた。
「……君が不憫に思えてきたな。人事に関しても僕が最大の権限を持つことになるだろうから相談に乗るよ。僕のメアドわかるね?」
ただのエロオヤジなのか、それとも現時点では神城社長の秘書だからなのか、副社長は満面の笑みまで見せて去って行った。
本来降りるべき階だったが、微かに足が震えていた私は、そのまま扉が閉まるまで立っているのがやっとだった。
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