同級生がCEO―クールな彼は夢見るように愛に溺れたい(らしい)【番外編非公開中】

光月海愛(こうつきみあ)

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夢ならさめないで

来店

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 ✲ ✲ 

 それから数日後。
 翌日の貸切予約客の名前に、まさかの【スマート・グッド】の名前があった。
 何でも農業にVRを取り入れる農協との打ち合わせついでに、この店を宣伝してくれるのだそうだ。

「これって個人名での予約入ってますか?」

 ボードを見ながら、三川さんに尋ねる私の声は動揺から震えている。
 この商談に神城くんは絡んでいるのだろうか?

「秘書の方しか聞いてないけど、どうして?」

「いいえ。なんでもないです」

 たとえ神城くんがここに来るとしても関係ない。
 都内だし、この店はそこそこ有名だし、こういう事あっても不思議ではない。ただの偶然だ。私は料理を並べるだけ。

 そう心で言い聞かせながらも、運動会の前の日のような緊張感から、その夜は寝付けなかった。



「うわ。もうテレビカメラまで来てんじゃん」

 主婦なら誰でも知っているお昼の情報番組の取材に、従業員たちはソワソワしてる。
 こういうのを一番喜びそうな冬美が、ホールではなく厨房の方に入りたがった。……それで、ピンときた。

「……ね、まさかと思うけど。神城くんにこの店のこと話した?」

 仕込みをする冬美に近寄り、その背中をつつく。
 冬美が実家に来た日。
 入れ替わるように神城くんが来た。
 二人が言葉を交わしたのなら、冬美の近況を話したかもしれない。

「少し前、"今何してるんですか?"って訊かれたから、農家兼オーガニックレストランに働いてるって教えただけよ。世間話程度。でも凄い興味津々の顔してたから。まさかほんとに来るとは思ってなかったけど」

「それだけ?」

「あんたまで働いてるとは知らないはずよ」

「………」

 ほんとに?

「あのあと神城くんと連絡取り合ったりとか」

「してないって。そもそも会社しか知らないのに。そんなに動揺するなら休めば良かったじゃん。貸切だから人手は少なくて済むんたからさ」

「動揺してないし」

 言葉とは裏腹に、さっきから少し呼吸困難。

「私が厨房に入りたかった」

「いいから! とっととお出迎えの準備しなさいよ」

 オーナーでもない冬美に指示され、ムスッとしてホールに出ると、三川さんがスタッフと打ち合わせをしている。

 あくまでお客様のスマート・グッドと農協の人達は時間になって来るのだろう。

 ドキドキしながら待っていると、神城くんが倉林さんと長野さんを連れてやって来た。


「いらっしゃいませー」
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