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第3章 再び、辺境領へ
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その後ロランたちは以前2人で住んでいたユーティスの家に向かった。
レオナルドの好意に甘えさせてもらった結果である。
ユーティスが連絡を入れたところ、リエト辺境伯家の使者をモリスたちが詰めている最中だそうで、来ても意味がないことを伝えられた。
「この家に来るのも久しぶりだな」
「そうですね。あれから約3年ですか」
「長かったような、短かったような不思議な気分だ」
「俺にとってはすごく長い期間でしたけどね。その点は兄上に感謝です」
ライオネルとユーティスは兄弟である。以前ユーティスから、貴族の出ではあるが家族とは縁を切っていると聞いていた。
だが、まさかブルーナ伯爵家出身だとは思っていなかった。
兄弟仲は良かったので貴族の籍を抜けてからも連絡を取り合っていたのだという。
「もしかして、ユーティスは最後に会った日、俺が王都のブルーナ伯爵家に行くって知ってたのか」
「いや、知りませんでした。兄上も人が悪いですよね。知ったのは随分後です。一年前、俺がリエト辺境伯と共に王都へ向かうと報告をした時に教えてきたんです」
ユーティスはロランとのことをライオネルには話していたらしい。
表向きはリエト辺境伯の推薦で魔法騎士となったユーティスは、ブルーナ侯爵家と関係があると知られてはならなかった。
政治において対となる立場の両家と関わりがあるとなれば、不都合だからだ。
「まあ、仕方がないか。ユーティスはご令嬢からめちゃくちゃ気に入られていたからな」
「ただ見た目が彼女の好みだっただけですよ」
「でも、あの子のことを優先していたじゃないか。俺のことを知らんぷりしたし」
本当に不満なわけではない。ユーティスとブルーナ侯爵家の関係がばれてしまい、リエト辺境伯家に潜入調査をするために潜り込んだと勘づかれれば全てが台無しだ。
そんなことわかっているが、気にはしてしまう。
「そんなにぷりぷり怒らないでくださいよ、キスしたくなります」
ぷくっと膨れたロランの頬をユーティスがつついた。
「俺は本気だ」
「えー、拗ねてるもの可愛いですよ」
「ユーティスは会わないうちに意地悪になってる」
リビングにある上質なソファに座りながらロランが言うと、ユーティスは悲しそうに眉を下げた。
「ごめんなさい。ロランを悲しませるのが一番嫌だったんですが。やっぱり俺はあなたに相応しくないのかもしれません」
「そ、そこまでは言ってない。ただ、ちょっと気にしてただけだ」
「そうなんですか? でも傷つけたことに変わりはありませんね」
「あー、もう! そんなに気にしてる素振りをするなら、態度で示してみろよ」
ロランはばっと両腕を広げた。
「なんですか、それは」
「ハグだよ、ハグ! してくれたら許してやる」
恥ずかしいことをしている自覚はある。いい歳をしたおっさんがやることではない。
「それで許してくれるんですか?」
「おう」
「じゃあ、ハグしないとですね」
ユーティスは隣に座っていたロランを抱きしめた。
「嬉しいな、こうしてロランが求めてきてくれるなんて」
「我慢してしないほうが後悔するって気がついたんだよ」
「もしかして、今まで後悔したことがあった?」
「そうだよ」
ユーティスが自分以外の人のそばにいて、その人を優先している場面を見た時、心底後悔した。
ああすれば、良かったと過去を悔やむのは終わりにするのだ。
それを聞いたユーティスはすりっと頬を寄せた。
「あー嬉しい。最高のご褒美です」
「本当に?」
「本当です。本当に、夢みたいだ」
蕩けるような声で噛み締めながらユーティスが言う。
その気持ちはロランも同じだった。
「俺もそう思う」
「お揃いですね」
「だな」
目があって笑い合う。
誰がこんな未来を想像していただろうか。
そっと目を閉じてキスをする。今まで何人もの恋人としてきたが、訳が違かった。
まるで初めてするかのように敏感になってわずかな快感も拾ってしまう。
舌を絡ませあって夢中になった。だんだんと息が早くなって、吐息が混ざり合っていく。
「俺酒臭くない?」
「初めての時よりは全然です」
「ふうん」
「というか、言いたかったんですけど。俺、お酒は控えてくださいってロランに言いましたよね」
「確かに言った。でも、ユーティスも悪いんだ」
「俺が?」
「ユーティスが俺以外の人を大事にしてるって思って。それが嫌で、嫉妬して、気持ちを誤魔化すために酒を飲んでた」
「ほ、本当ですか」
「こんな恥ずかしいこと、嘘ついてまで言う訳ないだろ」
本音がポロポロと出てくるのは酔いが回ってきているのも原因のうちの1つだったようだ。
ユーティスは嬉しそうに頬を緩ませている。
「嬉しいような寂しいような不思議な気分です」
「俺は本気だ」
「わかりました。でも今後はやめてくださいね」
「うん。言い訳がましいけど、途中まではちゃんと守れていたんだ」
「でも悲しくなってお酒飲んじゃったの?」
まるで子どもを宥めるかのような口調で話す。だが、悪い気はしなかった。
こくりと頷いて肯定すると両手で顔を包まれて口付けをされた。
「たまんないな。俺はあなたのことが好きすぎる」
レオナルドの好意に甘えさせてもらった結果である。
ユーティスが連絡を入れたところ、リエト辺境伯家の使者をモリスたちが詰めている最中だそうで、来ても意味がないことを伝えられた。
「この家に来るのも久しぶりだな」
「そうですね。あれから約3年ですか」
「長かったような、短かったような不思議な気分だ」
「俺にとってはすごく長い期間でしたけどね。その点は兄上に感謝です」
ライオネルとユーティスは兄弟である。以前ユーティスから、貴族の出ではあるが家族とは縁を切っていると聞いていた。
だが、まさかブルーナ伯爵家出身だとは思っていなかった。
兄弟仲は良かったので貴族の籍を抜けてからも連絡を取り合っていたのだという。
「もしかして、ユーティスは最後に会った日、俺が王都のブルーナ伯爵家に行くって知ってたのか」
「いや、知りませんでした。兄上も人が悪いですよね。知ったのは随分後です。一年前、俺がリエト辺境伯と共に王都へ向かうと報告をした時に教えてきたんです」
ユーティスはロランとのことをライオネルには話していたらしい。
表向きはリエト辺境伯の推薦で魔法騎士となったユーティスは、ブルーナ侯爵家と関係があると知られてはならなかった。
政治において対となる立場の両家と関わりがあるとなれば、不都合だからだ。
「まあ、仕方がないか。ユーティスはご令嬢からめちゃくちゃ気に入られていたからな」
「ただ見た目が彼女の好みだっただけですよ」
「でも、あの子のことを優先していたじゃないか。俺のことを知らんぷりしたし」
本当に不満なわけではない。ユーティスとブルーナ侯爵家の関係がばれてしまい、リエト辺境伯家に潜入調査をするために潜り込んだと勘づかれれば全てが台無しだ。
そんなことわかっているが、気にはしてしまう。
「そんなにぷりぷり怒らないでくださいよ、キスしたくなります」
ぷくっと膨れたロランの頬をユーティスがつついた。
「俺は本気だ」
「えー、拗ねてるもの可愛いですよ」
「ユーティスは会わないうちに意地悪になってる」
リビングにある上質なソファに座りながらロランが言うと、ユーティスは悲しそうに眉を下げた。
「ごめんなさい。ロランを悲しませるのが一番嫌だったんですが。やっぱり俺はあなたに相応しくないのかもしれません」
「そ、そこまでは言ってない。ただ、ちょっと気にしてただけだ」
「そうなんですか? でも傷つけたことに変わりはありませんね」
「あー、もう! そんなに気にしてる素振りをするなら、態度で示してみろよ」
ロランはばっと両腕を広げた。
「なんですか、それは」
「ハグだよ、ハグ! してくれたら許してやる」
恥ずかしいことをしている自覚はある。いい歳をしたおっさんがやることではない。
「それで許してくれるんですか?」
「おう」
「じゃあ、ハグしないとですね」
ユーティスは隣に座っていたロランを抱きしめた。
「嬉しいな、こうしてロランが求めてきてくれるなんて」
「我慢してしないほうが後悔するって気がついたんだよ」
「もしかして、今まで後悔したことがあった?」
「そうだよ」
ユーティスが自分以外の人のそばにいて、その人を優先している場面を見た時、心底後悔した。
ああすれば、良かったと過去を悔やむのは終わりにするのだ。
それを聞いたユーティスはすりっと頬を寄せた。
「あー嬉しい。最高のご褒美です」
「本当に?」
「本当です。本当に、夢みたいだ」
蕩けるような声で噛み締めながらユーティスが言う。
その気持ちはロランも同じだった。
「俺もそう思う」
「お揃いですね」
「だな」
目があって笑い合う。
誰がこんな未来を想像していただろうか。
そっと目を閉じてキスをする。今まで何人もの恋人としてきたが、訳が違かった。
まるで初めてするかのように敏感になってわずかな快感も拾ってしまう。
舌を絡ませあって夢中になった。だんだんと息が早くなって、吐息が混ざり合っていく。
「俺酒臭くない?」
「初めての時よりは全然です」
「ふうん」
「というか、言いたかったんですけど。俺、お酒は控えてくださいってロランに言いましたよね」
「確かに言った。でも、ユーティスも悪いんだ」
「俺が?」
「ユーティスが俺以外の人を大事にしてるって思って。それが嫌で、嫉妬して、気持ちを誤魔化すために酒を飲んでた」
「ほ、本当ですか」
「こんな恥ずかしいこと、嘘ついてまで言う訳ないだろ」
本音がポロポロと出てくるのは酔いが回ってきているのも原因のうちの1つだったようだ。
ユーティスは嬉しそうに頬を緩ませている。
「嬉しいような寂しいような不思議な気分です」
「俺は本気だ」
「わかりました。でも今後はやめてくださいね」
「うん。言い訳がましいけど、途中まではちゃんと守れていたんだ」
「でも悲しくなってお酒飲んじゃったの?」
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