いたずらはため息と共に

常森 楽

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2.変化

56.初めて

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永那ちゃんが全部洗ってくれる。
こんなふうに洗われるのなんて、きっと赤ん坊ぶりだ。
彼女が髪を洗ってくれて、心地よくて目を瞑る。
「どこか気になるところはございませんかー?」
なんて、美容院で洗ってもらうときみたいに聞かれる。
「大丈夫です」
答えると、耳に入らないように配慮してくれながら、シャワーで流してくれる。
コンディショナーをつけてくれたときには、頭皮のマッサージまでしてくれた。
ボディーソープを手に取って、彼女はそのまま私の肌に触れた。
「…っ!ボディタオルあるよ!?」
「まあまあ」
彼女に触れられると、さっきの感覚が思い出されて、急に顔が熱くなる。

後ろから、背中や腕を撫でるように洗ってくれる。
ふいに胸に触れられて、肩がピクッと上がる。
「ちょっ…永那ちゃん」
「シーッ」
なぜか叱られる。
私はされるがままになって、彼女が満足するまで待つことになった。
胸を洗う手つきがいやらしくて、泡の滑りを活かして乳房の真ん中を指が何度も滑る。
「永那ちゃん、わざとでしょ?」
「さあ?」
そのうち下腹部がキュゥッと締め付けられて、太ももに力が入る。
「硬くなってる」
耳元で囁かれて、耳がくすぐったい。
胸の突起を、何度も指先で弾かれる。
「ん…っ」
私はギュッと目を瞑った。

後ろから抱きしめられるような形になって、永那ちゃんは私の恥部に触れた。
「永那ちゃん…もう、だめだよ」
「なんで?」
すぐに気持ちいいところを探し当てて、擦られる。
「だって…この後、お昼だし…」
「お昼なに?」
「何か作ろうと思ってたけど」
パッと手が離される。
中途半端にされて、少しモヤっとする。
「何?何作るの?」
興味津々に、肩から顔を覗かせる。
「オムライスの、予定だったけど」
「うぇー!!やったー!!!」
「ハァ」と私はため息をつく。
「でも、疲れたから無理かも」
そう言うと「えー!なんでー!やだー!」と子供みたいに駄々をこねる。
「だって私、立てないんだよ?」
ジーッと彼女を見る。
彼女は目をそらして、私の前でしゃがみ、足を洗い始める。

私はまたため息をつく。
本当、ご飯どうしようかな。少し体は休まってきたけど。
彼女が足の指の間まで洗い始めるから、くすぐったくて笑ってしまう。
「ねえ」
上目遣いに見られる。
「穂の作るご飯、食べたいよ」
子犬みたいな目で見られて、心が鷲掴みにされる。
「わ、わかったよ…。でも、手伝ってよ?」
永那ちゃんは心底嬉しそうに口元を綻ばせた。
「楽しみ」
そう言って、太ももを洗ってくれる。
私はそっと目を閉じる。
目を閉じたら、さっきの感覚が余計に蘇ってきて、慌てて目を開けた。
目が合うと、彼女はニヤニヤ笑っていた。
私がスーッと目を細めて睨むと、慌てて手を動かした。

「私の肩に掴まって、お尻上げて」と言われた。
「え!?いや、お尻くらいは自分で」
「だめ!全部私がやるんだよ」
ニコニコ笑って、強引に手を肩に乗せられた。
仕方なく腰を浮かすと、彼女の手がヌルッとすき間に入ってくる。
「ひゃっ!?」
じっくりと洗われる。
「ちょ、ちょっと、永那ちゃん…!」
「ちゃんと肩掴んでてよ」
膝がプルプルする。
ギュッと彼女の肩に指が食い込む。
背筋がゾワリとして、鳥肌が立つ。
「待って…待って…。ねえ、ちょっと…」
穴に指を挿れられる。
「ほら、ちゃんと洗わないとさ」
「そんなとこまで洗わなくていいよ…!」
恥ずかしさで汗が出てくる。
心臓が急激に動き出す。
チュポッと音がして「はい、終わり」と笑顔を向けられる。
「変態!」
「えー?そうかなー?」
とぼけながら、シャワーで体を流してくれる。
またお尻まで洗おうとしたから、シャワーを奪って自分で流した。

永那ちゃんはサササと自分の頭と体を洗った。
私にかけた時間の3分の1もかからない速さだった。
私は先にあがって、生まれたての子鹿のような姿勢で体を拭く。
服を取ろうとして、何もカゴに入っていないことに気づく。
ため息をついて、仕方なくバスタオルを体に巻く。
その間に永那ちゃんがシャワーを終えて、出てくる。
「早すぎない?」
「朝入ってきたからいいんだよ」
彼女の分のタオルを渡してあげる。
「うわあ、ふかふかだね!」
嬉しそうに匂いを嗅いで、体を拭いた。
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