いたずらはため息と共に

常森 楽

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3.成長

164.夏が終わる

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「穂は、感じやすくて可愛い」
うつ伏せの状態でお尻を上げられて、また指を挿れられる。
それだけで腰がビクッと動く。
「もう一回、ね」
お腹の奥のほうを、コリコリと撫でられる。
「え、永那、ちゃん…」
「なに?」
「暑い…脱ぎ、たい」
まだ帯は浴衣が脱げないように結ばれていた。
胸元も足元もはだけて、もう意味を成していないのに。
帯のところが特に、布が重なっていて暑い。
「だめ」
非情な宣告。
まだジンジンと熱をもっている蕾に触れられる。
膣内の指がへその下の辺りで動いていて、変な感じがする。
お尻を舐められて、腰が上がる。
「んんぅっ、ぁぁッ」

「穂が、ここを気持ちよく感じられるようになるまで、じっくりやろうね?」
どういうことなのか、私にはさっぱりわからない。
蕾に触れた指が動き出す。
「ぁっ」
呼吸が浅くなる。
「クリトリス、皮を捲ると、気持ちいいでしょ?」
もう、何をされているのかも、よくわからない。
「ぁぁっ、ぁあっ」
ガクガクと体が震えて、何度も果てる。
何度果てても、永那ちゃんの指は止まらない。
私のなかに入っている指が動いているのが、わかる。
汗が滴り落ちる。
気持ち良すぎて…もう、感覚が、消えていく。
「ぁっ…ぁぁッ…」

「あ、起きた」
私は何度も瞬きをした。
優しい笑みを浮かべて、私を見る永那ちゃん。
「お茶、いる?」
私が頷くと、彼女は口にお茶を含んで、飲ませてくれる。
「もっと?」
頷いて、また与えられるそれを飲む。
「私…」
「失神しちゃったみたい…やりすぎたかな?」
そう言う彼女は、なんだか楽しそうだった。
失神って…私、大丈夫なのかな。
「1分くらい?…穂が何も言わなくなってびっくりしたよ」
体が重たくて、動けそうにない。
永那ちゃんが私に跨る。
まだ浴衣がはだけたままの私の胸を揉み始める。
私は目を閉じて、静かに呼吸した。

パンツのボタンを外して、チャックを下ろす音がした。
右手を雑に突っ込んで、永那ちゃんは自分の恥部に触れる。
「あぁ…いつか、穂と2人で、気持ちよくなりたいなあ」
永那ちゃんが私を見下ろす。
「今度、一緒にヤろうね」
永那ちゃんは「ハァ、ハァ」と息を荒くして、「んっ」と下唇を噛んでから、ビクッと体を震わせた。
体が丸まって、私の胸に頭をつけた。
彼女のサラサラした髪が、くすぐったい。

「ハァ」と深く息を吐いて、彼女は私の横に寝転ぶ。
「穂、気持ちよかった?」
「…うん」
「痛くなかった?」
「大丈夫」
「動けない?」
「うん」
フフッと笑って、彼女は私を抱きしめる。
そして、はだけていた衿を適当に戻す。
浴衣は、一度はだけてしまうと、戻すのは難しい。
よくわかっていないのか、首を傾げながら、途中で放り出した。
「大好き、穂」
「うん。私も、永那ちゃんが好きだよ」
「千陽より?」
「好きの形が、違うよ」
彼女が私の頬にキスをする。
「もう、12時だね」
永那ちゃんが言う。
また・・12時。
エッチって、こんなに長くするものなのかな?
…よくわからない。
「お風呂、入る?」
「入りたいけど…入れない」
「ハハハッ」と彼女が楽しそうに笑う。
「また洗ってあげるよ?」
「もう…全然動けないの」
「そっかあ」

「“お仕置き”って、このことだったの?」
ようやくまともに話せるようになる。
「さあ?」
…他にもあるんだね。
「…眠い」
「寝てもいいよ?…そしたら私も寝るし」
「服、着たい」
「でも動けないんでしょ?」
「着させて?」
「どうしよっかな」
永那ちゃんは横向きに寝て、手で頭を支えるように、上半身を起こしている。
私を見下ろすように見て、ニヤニヤ笑っている。
「お願い」
「でも、まだ穂の浴衣姿見てたい」
「もう、はだけちゃってるよ?」
「それが可愛い」
私は諦めて、目を閉じる。
帯の結び目が背中にあるから、反るように寝転がっていて、違和感がある。
それでも、襲ってくる睡魔に、勝てそうにない。
「永那ちゃん…4時に、アラーム」
「いいよ」
すぐに意識がなくなった。

音楽が鳴る。
重たい瞼をなんとか持ち上げて、静かに呼吸を繰り返す。
布団がかけられていて、隣にはスヤスヤ眠る永那ちゃんがいた。
永那ちゃんのスマホを取って、アラームを消す。
結局永那ちゃんは着替えさせてくれず、私は浴衣を着たままだった。
私は上半身を起こして、大きく伸びた。
ショーツが下がったままだったから、穿く。
…ショーツが汚れていて気持ち悪い。
ブラのホックもつけた。
私はゆっくり足を床におろして、フゥッと息を吐いてから立ち上がった。
もう既に筋肉痛だ。
背中を反らしたまま寝たからか、腰も痛い。
…他にも理由はあるのかな。
なんとかクローゼットに辿り着いて、新しいショーツと服を取る。
ベッドに座って、体を労るように浴衣を脱いで、服を着た。
彼女を見る。
気持ちよさそうに眠る彼女が、愛おしい。
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