いたずらはため息と共に

常森 楽

文字の大きさ
255 / 595
4.踏み込む

254.爆弾発言(237.先輩と同時進行)

しおりを挟む
「大事な、人」
ああ、ずるい。
「優里は、大事じゃないの?」
「大事だよ。でも…千陽は…家族みたいな」
「穂は、家族とセックスするんだ」
たった数ヶ月しか一緒にいないのに、なんで“家族”なんて言い切れるの?
「しないよ」
フッと笑ってしまう。
「穂は、寂しいって言えば…寂しいからキスしてって言えば、誰にでもキスするんじゃない?」
「千陽」
「なに」
「今日、千陽、意地悪」
「そうしてるんだって」
彼女が体を回転させようとするけど、ギュッと抱きしめて阻止する。
穂は体を動かすのを諦めた。

「永那ちゃんが、千陽を大事にしてるから、私も大事にしたいって思った。千陽と一緒にいるうちに、千陽の優しさを知って、もっと大事にしたいって思った。それじゃ、だめ?」
グッと奥歯を噛みしめる。
「きっと、千陽も、永那ちゃんを助けてくれていたんでしょ?昔の、永那ちゃんを」
「助けてない。…あたしばっかり、助けてもらってた」
「そうかな?私は、そうは思わない。一緒にいてくれる人がいるだけで、それだけで、救われることもあるんだよ」
顔を彼女の背中に擦りつける。
「私は、永那ちゃんを助けてくれた千陽を大事にしたい。私が永那ちゃんを奪ってしまったのに、それでも一緒にいてくれた千陽を大事にしたい。永那ちゃんの問題を1人で抱えようとして、押し潰されそうになった私を助けてくれる千陽を、大事にしたい」
「友達と、何が違うの…。優里だって、言えばそばにいてくれる。助けになってくれる」
そもそも、穂はあたしから永那を奪ってしまったと言うけど、永那はあたしのじゃない。
だから、奪うもなにもない。
永那から穂に告白したのなら、なおさら…そこに穂が責任を感じる必要は、ない。
あたしは、その穂の優しさに甘えてるだけ。
「でも、実際私のそばにいてくれたのは、千陽だったよ」
「優里がそばにいたら、あたしとこんなふうになってなかった?…優里とこういう関係になってた?」
「そんな“たられば”私は知らない」

手に、ぬくもりを感じた。
「千陽、好きだよ」
ギュゥッと胸が締めつけられる。
「大好き」
もう、嫌だ。
永那はすぐに人を沼に沈めるけど、穂は…棘のある蔦みたい。
一度絡まったら、動けない。
優しく守ってくれているようで、檻に入れられたような気分だ。
…あたし、こんなんで、本当に2人から離れられるの?
彼女を抱きしめるあたしの手が離されて、彼女がこちらを向く。
「好き」
そっと唇が重なる。

もう、何も考えられなくなる。
ただ彼女の甘い言葉に酔って、彼女のぬくもりに浸って、めちゃくちゃになっていく…。
自分で服を脱ぐ。
彼女が触れてくれる。
彼女の長い髪が肌を撫でて、くすぐったい。
でも、そんな感覚もすぐに消えて、ただ夢中に彼女と口付けを交わした。
“楽しいじゃん”
昔、永那が言っていた。
ずっとずっと、わからなかった。
彼女に挿れられていると想像しながら、自分の指をなかに挿れる。
彼女の息が溢れる。
あたしの息も、交わる。
…全部、忘れちゃえばいいよ。
過去の嫌な出来事とか、誰からも愛されていないと感じる虚しさも、全部、忘れられる気がした。
全部脱いで、もっと、先に。
彼女となら。

前も、彼女にシてもらえてるみたいに感じられて、幸せだった。
やっぱり、幸せ。
幸せなら、もう、それでいいよね?
いきなり“3人で”とか言われて動揺したけど、彼女がシたいなら、それもそれでいいかと思えてしまう。
あたしって、案外流されやすい?
「穂、3人で、シたいの?」
「え!?」
あたしの肌に吸い付く彼女の髪を撫でる。
「そ、そういうことじゃ…ないって…」
「じゃあ、どういうこと?」
「千陽が、ひとりでシているのが、嫌で…私はシてあげられないから、永那ちゃんがシてくれればいいのにって思ったの」
「ふーん。穂は、永那が、あたしとキスしてもいいんだ?」
「わ、わかんない…」
「ふーん」
彼女の唇を、乳首に押し付ける。
彼女がそれを口に含むから、あたしは自分の蕾に触れて、イく。

ぬるぬるの指を何度も滑らせて、快楽に酔いしれる。
テンポの速い音楽が頭のなかで流れるみたいに、快感が波になって寄せてくる。
「千陽、好き」
「ハァッあぁっ」
お尻の穴のほうまで垂れる蜜も放置して、ただ彼女の声に耳を傾ける。
「好き」
「フああぁっ、んっ…ッぁ」
彼女のあたたかい液体が口のなかに流し込まれる。
ゴクリと飲み込んで、もっと求めるように、離れようとする彼女を追った。
「可愛い」
「ぁっ、んあっ…ぁぁっ」
すぐに彼女が近づいてきてくれる。
彼女があたしの唇に吸い付いて、甘噛みする。
「千陽」
角度を変えて、何度も吸われる。
乳首にはチクチクするような、痛みに限りなく近い、でも痛くない、絶妙な刺激が与えられた。
「大好き」
「あっ、ぁあっ…ん…ッ」
体が大きく跳ねる。

彼女が笑う。
…綺麗。
「穂、好き…」
「私も、千陽好きだよ」
あたしが濡れた指を、窓から漏れる外灯の光に照らすと、彼女がしゃぶった。
トロリと、また蜜が垂れた。
しおりを挟む
感想 56

あなたにおすすめの小説

〈社会人百合〉アキとハル

みなはらつかさ
恋愛
 女の子拾いました――。  ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?  主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。  しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……? 絵:Novel AI

ちょっと大人な物語はこちらです

神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な短編物語集です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

百合短編集

南條 綾
恋愛
ジャンルは沢山の百合小説の短編集を沢山入れました。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

落ち込んでいたら綺麗なお姉さんにナンパされてお持ち帰りされた話

水無瀬雨音
恋愛
実家の花屋で働く璃子。落ち込んでいたら綺麗なお姉さんに花束をプレゼントされ……? 恋の始まりの話。

小さくなって寝ている先輩にキスをしようとしたら、バレて逆にキスをされてしまった話

穂鈴 えい
恋愛
ある日の放課後、部室に入ったわたしは、普段しっかりとした先輩が無防備な姿で眠っているのに気がついた。ひっそりと片思いを抱いている先輩にキスがしたくて縮小薬を飲んで100分の1サイズで近づくのだが、途中で気づかれてしまったわたしは、逆に先輩に弄ばれてしまい……。

憧れの先輩とイケナイ状況に!?

暗黒神ゼブラ
恋愛
今日私は憧れの先輩とご飯を食べに行くことになっちゃった!?

処理中です...