270 / 595
5.時間
269.修学旅行
空港につく前に、永那ちゃんを起こした。
キスされそうになって、ほっぺを手の平で押す。
荷物検査で、永那ちゃんがガチガチに緊張しててみんなで笑った。
ずっとソワソワしていて、私が手を繋いでも、必死に笑顔を作っている感じだった。
…私は、小さい頃、何度か家族旅行で飛行機に乗ったことがある。
小さい頃だからあまり覚えていないけれど、その経験のおかげか、恐怖や緊張は感じていない。
“初めて”は、なんでも怖いよね。
私も、ウォータースライダー、すごく怖かったし。
飛行機に乗って席に座ると、私の手をギュッと握ったまま何も喋らなくなってしまった。
みんなは永那ちゃんをからかうのをやめて、各々楽しそうに話している。
「大丈夫だよ、永那ちゃん」
「う、うん」
へへへと笑うけど、すぐに俯く。
可愛い。
「永那ちゃん、はい」
飴をわたすと、彼女は首を傾げた。
「離着陸するときは飴を舐めたほうが、耳が痛くなりにくいんだよ」
「そうなの?」
「うん」
手を離して、彼女が袋を開ける。
私も開けて、飴を口に入れた。
彼女がすぐに私の手を繋いでくるから、心がほわほわする。
離陸するときには、永那ちゃんの手は汗でびしょびしょになっていた。
思わず笑ってしまう。
でもいざ安定すると「ハァ~、けっこう平気だったわ」と笑った。
余裕が出てきたのか、飛行機のなかをキョロキョロ見回して、窓を見た。
「すげー!」
永那ちゃんのはしゃぐ声を聞いて、嬉しさを噛みしめる。
「穂!ほら!雲だよ!」
「うん、そうだね」
私も窓を覗き込むと、永那ちゃんと顔が近くなって、心臓がトクンと鳴った。
「永那、元気になったんだ」
優里ちゃんが笑う。
「おー!余裕だわ!」
「全然余裕じゃなかったくせに~」
永那ちゃんが身を乗り出して、前の席の優里ちゃんの頭を叩く。
「痛い!暴力反対!断固拒否!最低!」
「うっさい。からかう方が悪い!」
「いつも私のことからかってるくせに!!」
永那ちゃんが舌を出して、席につく。
優里ちゃんがぶつくさ文句を言っていた。
着陸するとき、永那ちゃんは「余裕だよ」と言いながらも、ギュッと手を繋いだ。
着陸しても、しばらくギュッと握られていて、私は唇を噛んで笑いを堪える。
移動のバスでは、永那ちゃんはずっと寝ていた。
目的地につくたびに起こして、たまに起きなくて、強引に手を引いた。
1日目は全員での行動。
展望台のある公園に行って、有名な像を見て、記念館やお寺を回る。
途中、お昼も食べた。
その後、昔の洋風建築が並ぶ丘を、自由行動で見て回った。
私が説明のパネルを読んでいると、みんなが立ち止まってくれる。
それがなんだか嬉しくて“友達って良いな”なんて思ったりした。
ハートの形の石があって、撫でると恋が叶うと知ると、優里ちゃんが真っ先に撫でに行った。
その後千陽も触れて、永那ちゃんもさわっていた。
「永那は穂ちゃんがいるでしょー!」
優里ちゃんがポカポカ永那ちゃんの肩を叩く。
森山さんは2人が騒いでいる間に、指先だけちょこんと触れていた。
「優里はそもそも好きな人いないだろー!」
「な!?そんな…!悪魔だ!悪魔!」
集合時間になって、私達はバスに乗り込んだ。
ホテルについたら、大広間に移動して、食事の前に戦争体験者のインタビュー映像を見る。
寝ている人も多かったけれど、隣に座る永那ちゃんは真剣に見ていて、“やっぱり、私の好きな人だ”と改めて思った。
“やっぱり”って、なんだか変だけれど…私が無意識に“こうあってほしい”と望んでいた行動を取ってくれると、言葉にし難いほどの嬉しさが込み上げてくる。
一緒にいればいるほど、好きになっていく。
千陽は髪をいじりながらも、たまに映像に目を遣って、起きていた。
優里ちゃんと森山さんは…寝ている。
たくさん歩いて疲れたから、仕方ないとも思う。
食事を終えて、部屋に入ると、もう布団が敷かれていた。
「優里は絶対ここね」
千陽が言う。
3:2で布団が敷かれていて、2の方を指差しながら、布団を隔離する。
「ひどい!なんで!?」
「お泊まりしたとき、あたしの布団まで占領してたから」
「ガーン」
四つん這いになって項垂れる。
千陽は3つ並んだ布団の一番端、窓側に荷物を置いた。
森山さんが2つ並んでいる、あいている布団のそばに荷物を置く。
「穂、真ん中」
千陽が言うから、確認のために永那ちゃんを見ると、永那ちゃんが頷く。
「ねえ!みんな枕こっちにしようよ!」
優里ちゃんが、壁側に置かれていた枕を中央に移動させる。
それに倣って、みんなが枕を移動させた。
「お風呂20分しか時間ないとか、鬼だよな」
永那ちゃんがしおりを見ながら言う。
「だねー、着替えも含めてでしょ?全然温泉楽しめないじゃん」
優里ちゃんが頷く。
キスされそうになって、ほっぺを手の平で押す。
荷物検査で、永那ちゃんがガチガチに緊張しててみんなで笑った。
ずっとソワソワしていて、私が手を繋いでも、必死に笑顔を作っている感じだった。
…私は、小さい頃、何度か家族旅行で飛行機に乗ったことがある。
小さい頃だからあまり覚えていないけれど、その経験のおかげか、恐怖や緊張は感じていない。
“初めて”は、なんでも怖いよね。
私も、ウォータースライダー、すごく怖かったし。
飛行機に乗って席に座ると、私の手をギュッと握ったまま何も喋らなくなってしまった。
みんなは永那ちゃんをからかうのをやめて、各々楽しそうに話している。
「大丈夫だよ、永那ちゃん」
「う、うん」
へへへと笑うけど、すぐに俯く。
可愛い。
「永那ちゃん、はい」
飴をわたすと、彼女は首を傾げた。
「離着陸するときは飴を舐めたほうが、耳が痛くなりにくいんだよ」
「そうなの?」
「うん」
手を離して、彼女が袋を開ける。
私も開けて、飴を口に入れた。
彼女がすぐに私の手を繋いでくるから、心がほわほわする。
離陸するときには、永那ちゃんの手は汗でびしょびしょになっていた。
思わず笑ってしまう。
でもいざ安定すると「ハァ~、けっこう平気だったわ」と笑った。
余裕が出てきたのか、飛行機のなかをキョロキョロ見回して、窓を見た。
「すげー!」
永那ちゃんのはしゃぐ声を聞いて、嬉しさを噛みしめる。
「穂!ほら!雲だよ!」
「うん、そうだね」
私も窓を覗き込むと、永那ちゃんと顔が近くなって、心臓がトクンと鳴った。
「永那、元気になったんだ」
優里ちゃんが笑う。
「おー!余裕だわ!」
「全然余裕じゃなかったくせに~」
永那ちゃんが身を乗り出して、前の席の優里ちゃんの頭を叩く。
「痛い!暴力反対!断固拒否!最低!」
「うっさい。からかう方が悪い!」
「いつも私のことからかってるくせに!!」
永那ちゃんが舌を出して、席につく。
優里ちゃんがぶつくさ文句を言っていた。
着陸するとき、永那ちゃんは「余裕だよ」と言いながらも、ギュッと手を繋いだ。
着陸しても、しばらくギュッと握られていて、私は唇を噛んで笑いを堪える。
移動のバスでは、永那ちゃんはずっと寝ていた。
目的地につくたびに起こして、たまに起きなくて、強引に手を引いた。
1日目は全員での行動。
展望台のある公園に行って、有名な像を見て、記念館やお寺を回る。
途中、お昼も食べた。
その後、昔の洋風建築が並ぶ丘を、自由行動で見て回った。
私が説明のパネルを読んでいると、みんなが立ち止まってくれる。
それがなんだか嬉しくて“友達って良いな”なんて思ったりした。
ハートの形の石があって、撫でると恋が叶うと知ると、優里ちゃんが真っ先に撫でに行った。
その後千陽も触れて、永那ちゃんもさわっていた。
「永那は穂ちゃんがいるでしょー!」
優里ちゃんがポカポカ永那ちゃんの肩を叩く。
森山さんは2人が騒いでいる間に、指先だけちょこんと触れていた。
「優里はそもそも好きな人いないだろー!」
「な!?そんな…!悪魔だ!悪魔!」
集合時間になって、私達はバスに乗り込んだ。
ホテルについたら、大広間に移動して、食事の前に戦争体験者のインタビュー映像を見る。
寝ている人も多かったけれど、隣に座る永那ちゃんは真剣に見ていて、“やっぱり、私の好きな人だ”と改めて思った。
“やっぱり”って、なんだか変だけれど…私が無意識に“こうあってほしい”と望んでいた行動を取ってくれると、言葉にし難いほどの嬉しさが込み上げてくる。
一緒にいればいるほど、好きになっていく。
千陽は髪をいじりながらも、たまに映像に目を遣って、起きていた。
優里ちゃんと森山さんは…寝ている。
たくさん歩いて疲れたから、仕方ないとも思う。
食事を終えて、部屋に入ると、もう布団が敷かれていた。
「優里は絶対ここね」
千陽が言う。
3:2で布団が敷かれていて、2の方を指差しながら、布団を隔離する。
「ひどい!なんで!?」
「お泊まりしたとき、あたしの布団まで占領してたから」
「ガーン」
四つん這いになって項垂れる。
千陽は3つ並んだ布団の一番端、窓側に荷物を置いた。
森山さんが2つ並んでいる、あいている布団のそばに荷物を置く。
「穂、真ん中」
千陽が言うから、確認のために永那ちゃんを見ると、永那ちゃんが頷く。
「ねえ!みんな枕こっちにしようよ!」
優里ちゃんが、壁側に置かれていた枕を中央に移動させる。
それに倣って、みんなが枕を移動させた。
「お風呂20分しか時間ないとか、鬼だよな」
永那ちゃんがしおりを見ながら言う。
「だねー、着替えも含めてでしょ?全然温泉楽しめないじゃん」
優里ちゃんが頷く。
あなたにおすすめの小説
小さくなって寝ている先輩にキスをしようとしたら、バレて逆にキスをされてしまった話
穂鈴 えい
恋愛
ある日の放課後、部室に入ったわたしは、普段しっかりとした先輩が無防備な姿で眠っているのに気がついた。ひっそりと片思いを抱いている先輩にキスがしたくて縮小薬を飲んで100分の1サイズで近づくのだが、途中で気づかれてしまったわたしは、逆に先輩に弄ばれてしまい……。
会社のイケメン先輩がなぜか夜な夜な私のアパートにやって来る件について(※付き合っていません)
久留茶
恋愛
地味で陰キャでぽっちゃり体型の小森菜乃(24)は、会社の飲み会で女子一番人気のイケメン社員・五十嵐大和(26)を、ひょんなことから自分のアパートに泊めることに。
しかし五十嵐は表の顔とは別に、腹黒でひと癖もふた癖もある男だった。
「お前は俺の恋愛対象外。ヤル気も全く起きない安全地帯」
――酷い言葉に、菜乃は呆然。二度と関わるまいと決める。
なのに、それを境に彼は夜な夜な菜乃のもとへ現れるようになり……?
溺愛×性格に難ありの執着男子 × 冴えない自分から変身する健気ヒロイン。
王道と刺激が詰まったオフィスラブコメディ!
✽全28話完結
✽辛口で過激な発言あり。苦手な方はご注意ください。
✽他誌にも掲載中です。
✽2026.4/11 エブリスタ用に使用している表紙に変更しました。
→表紙はイラストをGrok タイトルをChatGPTでAI生成しています。
〈社会人百合〉アキとハル
みなはらつかさ
恋愛
女の子拾いました――。
ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?
主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。
しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……?
絵:Novel AI
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
身体だけの関係です‐三崎早月について‐
みのりすい
恋愛
「ボディタッチくらいするよね。女の子同士だもん」
三崎早月、15歳。小佐田未沙、14歳。
クラスメイトの二人は、お互いにタイプが違ったこともあり、ほとんど交流がなかった。
中学三年生の春、そんな二人の関係が、少しだけ、動き出す。
※百合作品として執筆しましたが、男性キャラクターも多数おり、BL要素、NL要素もございます。悪しからずご了承ください。また、軽度ですが性描写を含みます。
12/11 ”原田巴について”投稿開始。→12/13 別作品として投稿しました。ご迷惑をおかけします。
身体だけの関係です 原田巴について
https://www.alphapolis.co.jp/novel/711270795/734700789
作者ツイッター: twitter/minori_sui
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。