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283.一緒
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「私もしたいなー」
永那ちゃんは手に頭を乗せながら、横向きに寝ていた。
「だめ」
千陽が私の後頭部に手を回す。
フゥッと永那ちゃんは上半身を起こして、私達に顔を近づける。
私と千陽の合わさった唇に、彼女の舌が伸びた。
ちょんと触れた瞬間、驚いて、思わず体を起こした。
「え、永那ちゃん…」
「私も仲間に入れてよ」
永那ちゃんの怪しげな瞳が、ジッと私を見た。
「穂」
千陽に手を引かれる。
「まだ」
うなじを掴まれて、彼女のやわらかい、ぷっくりとした唇に触れる。
すぐに舌が絡んで、唾液が混ざる。
永那ちゃんの顔が近づいて、双子のさくらんぼみたいにくっつく私達の唇の間に割り込んでくる。
彼女の舌に導かれるように、千陽と私の舌が外に出た。
3枚の舌がそれぞれ重なり合って、誰が誰のか、わからなくなる。
…自分のすらも。
永那ちゃんが離れると、自然と私と千陽も離れた。
私は永那ちゃんと千陽が寝そべる間に座る。
千陽は目を腕で覆って「ハァ、ハァ」と荒く呼吸をしていた。
子宮がキュゥキュゥ締めつけられる。
「なかなか良いですな~」
永那ちゃんが呑気に言うから、彼女の膝をペシンと叩く。
へへへと笑って、永那ちゃんが起き上がる。
チュッと音を立ててキスされて、顔が熱くなった。
「穂、好き」
ギュッと抱きしめられて、速い鼓動を彼女に知られるのが、恥ずかしい。
永那ちゃんは私の布団に寝転んで「2人とも、おいで」と両手を広げた。
私が永那ちゃんの布団側に移動して寝転ぶと、千陽もゆっくり、永那ちゃんの腕に頭を乗せる。
永那ちゃんの手が腰を擦る。
…千陽にも、してるのかな。
「うへへへ、ハーレムじゃー」
「うるさい」
そう言いながらも、千陽は離れなかった。
「永那ちゃん好き」
「私も穂好き」
「あたしは?」
私はフフッと笑って「千陽も好きだよ」と言う。
「私も、まあまあ千陽のこと好きだよ」
永那ちゃんがニシシと笑った。
「あたしも、まあまあ永那のこと好き」
「本当はめっちゃ好きでしょ?」
千陽は黙るけど、逆にそれが暗に肯定を示すようで、心がふわふわする。
永那ちゃんのお腹に手を置いていると、千陽の手が重なった。
指を絡めて、私は目を閉じる。
「穂、布団かけたほうがいいよ。風邪引いちゃう」
永那ちゃんに言われて、私は千陽との手を解く。
永那ちゃんに布団をかけてあげて、私はさっきと同じように寝転びながら、自分にも布団をかけた。
永那ちゃんが言うように、千陽がいなければ、私達は上手くいっていなかったかもしれない、と思った。
2人では、今頃お互いを傷つけ合っていたかもしれない。
お互いのことがわからず、冷静になることもできず、未熟なまま、初恋は呆気なく散っていたかもしれない。
私は傷ついて“もう恋なんてしない”と意地を張っていたかも。
永那ちゃんは…どうなっていたかな。
お母さんのことに傷ついて、耐えられなくなって、中学のときみたいに、好きでもない相手とたくさんエッチをしていたのかもしれない。
千陽がいてくれて良かった。
千陽がいてくれなければ、こんなにも穏やかな気持ちではあれなかった。
千陽が…3人でシたいなら、それを、叶えてあげたい。
永那ちゃんと千陽は私が“3人でシたい”と言い始めたと思っているけれど、私からすれば、永那ちゃんが言い始めたことだと思ってる。
まあ、誰が言い始めたかなんて、なんだっていいけれど…千陽がシたいと言うのなら、シてもいいと思えた。
千陽には、やっぱり離れてほしくない。
私のわがままなのは理解している。
それでも…やっぱり、離れてほしくない。
…そのためには、永那ちゃんの願いを叶えないと。
たくさんデートして、たくさんエッチもする。
恋人っぽいこと…他になんだろう?
ご飯を作ってあげたり?…うーん…難しい。
お母さんがパニックを起こしてしまったから、しばらくは何もできないのかな。
きっと永那ちゃん、お母さんから目を離せなくなるよね?
どうすればいいんだろう?
千陽や永那ちゃんのためだけではなく、純粋に、私も永那ちゃんとたくさん一緒にいたい。
私だってデートも…エッチも…したい。
永那ちゃんの寝息が聞こえてくる。
その音に誘われるように、私も眠くなってくる。
明日は修学旅行最終日。
最終日に山登りなんて、なかなかハードなスケジュールだけれど、楽しみたい。
目が覚めると、永那ちゃんの腕は私の頭から外れていた。
そりゃあ、夜中ずっと、というわけにはいかないよね…と思いながらも、ほんの少しの寂しさも感じる。
私が起き上がると、アラームの音で千陽も起きたのか、まだ寝転ぶ千陽と目が合った。
微笑まれて、昨日のキスを思い出して、下腹部が疼く。
「おはよう」
「おはよ」
千陽が起き上がる。
寝ている永那ちゃんを見て、口元を綻ばせた。
上目遣いに私を見て、「昨日、良かったね」と笑った。
私は顔が熱くなりながら「うん」と小さく呟く。
永那ちゃんは手に頭を乗せながら、横向きに寝ていた。
「だめ」
千陽が私の後頭部に手を回す。
フゥッと永那ちゃんは上半身を起こして、私達に顔を近づける。
私と千陽の合わさった唇に、彼女の舌が伸びた。
ちょんと触れた瞬間、驚いて、思わず体を起こした。
「え、永那ちゃん…」
「私も仲間に入れてよ」
永那ちゃんの怪しげな瞳が、ジッと私を見た。
「穂」
千陽に手を引かれる。
「まだ」
うなじを掴まれて、彼女のやわらかい、ぷっくりとした唇に触れる。
すぐに舌が絡んで、唾液が混ざる。
永那ちゃんの顔が近づいて、双子のさくらんぼみたいにくっつく私達の唇の間に割り込んでくる。
彼女の舌に導かれるように、千陽と私の舌が外に出た。
3枚の舌がそれぞれ重なり合って、誰が誰のか、わからなくなる。
…自分のすらも。
永那ちゃんが離れると、自然と私と千陽も離れた。
私は永那ちゃんと千陽が寝そべる間に座る。
千陽は目を腕で覆って「ハァ、ハァ」と荒く呼吸をしていた。
子宮がキュゥキュゥ締めつけられる。
「なかなか良いですな~」
永那ちゃんが呑気に言うから、彼女の膝をペシンと叩く。
へへへと笑って、永那ちゃんが起き上がる。
チュッと音を立ててキスされて、顔が熱くなった。
「穂、好き」
ギュッと抱きしめられて、速い鼓動を彼女に知られるのが、恥ずかしい。
永那ちゃんは私の布団に寝転んで「2人とも、おいで」と両手を広げた。
私が永那ちゃんの布団側に移動して寝転ぶと、千陽もゆっくり、永那ちゃんの腕に頭を乗せる。
永那ちゃんの手が腰を擦る。
…千陽にも、してるのかな。
「うへへへ、ハーレムじゃー」
「うるさい」
そう言いながらも、千陽は離れなかった。
「永那ちゃん好き」
「私も穂好き」
「あたしは?」
私はフフッと笑って「千陽も好きだよ」と言う。
「私も、まあまあ千陽のこと好きだよ」
永那ちゃんがニシシと笑った。
「あたしも、まあまあ永那のこと好き」
「本当はめっちゃ好きでしょ?」
千陽は黙るけど、逆にそれが暗に肯定を示すようで、心がふわふわする。
永那ちゃんのお腹に手を置いていると、千陽の手が重なった。
指を絡めて、私は目を閉じる。
「穂、布団かけたほうがいいよ。風邪引いちゃう」
永那ちゃんに言われて、私は千陽との手を解く。
永那ちゃんに布団をかけてあげて、私はさっきと同じように寝転びながら、自分にも布団をかけた。
永那ちゃんが言うように、千陽がいなければ、私達は上手くいっていなかったかもしれない、と思った。
2人では、今頃お互いを傷つけ合っていたかもしれない。
お互いのことがわからず、冷静になることもできず、未熟なまま、初恋は呆気なく散っていたかもしれない。
私は傷ついて“もう恋なんてしない”と意地を張っていたかも。
永那ちゃんは…どうなっていたかな。
お母さんのことに傷ついて、耐えられなくなって、中学のときみたいに、好きでもない相手とたくさんエッチをしていたのかもしれない。
千陽がいてくれて良かった。
千陽がいてくれなければ、こんなにも穏やかな気持ちではあれなかった。
千陽が…3人でシたいなら、それを、叶えてあげたい。
永那ちゃんと千陽は私が“3人でシたい”と言い始めたと思っているけれど、私からすれば、永那ちゃんが言い始めたことだと思ってる。
まあ、誰が言い始めたかなんて、なんだっていいけれど…千陽がシたいと言うのなら、シてもいいと思えた。
千陽には、やっぱり離れてほしくない。
私のわがままなのは理解している。
それでも…やっぱり、離れてほしくない。
…そのためには、永那ちゃんの願いを叶えないと。
たくさんデートして、たくさんエッチもする。
恋人っぽいこと…他になんだろう?
ご飯を作ってあげたり?…うーん…難しい。
お母さんがパニックを起こしてしまったから、しばらくは何もできないのかな。
きっと永那ちゃん、お母さんから目を離せなくなるよね?
どうすればいいんだろう?
千陽や永那ちゃんのためだけではなく、純粋に、私も永那ちゃんとたくさん一緒にいたい。
私だってデートも…エッチも…したい。
永那ちゃんの寝息が聞こえてくる。
その音に誘われるように、私も眠くなってくる。
明日は修学旅行最終日。
最終日に山登りなんて、なかなかハードなスケジュールだけれど、楽しみたい。
目が覚めると、永那ちゃんの腕は私の頭から外れていた。
そりゃあ、夜中ずっと、というわけにはいかないよね…と思いながらも、ほんの少しの寂しさも感じる。
私が起き上がると、アラームの音で千陽も起きたのか、まだ寝転ぶ千陽と目が合った。
微笑まれて、昨日のキスを思い出して、下腹部が疼く。
「おはよう」
「おはよ」
千陽が起き上がる。
寝ている永那ちゃんを見て、口元を綻ばせた。
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私は顔が熱くなりながら「うん」と小さく呟く。
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