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5.時間
302.好きのその先
「これで2人とも、私のもの?」
永那が言う。
“私は永那ちゃんの。千陽は私の。結果的に、私も千陽も、永那ちゃんの”
永那は、穂のこの言葉の意味が全然わからなかったらしく、最後まで納得していなかった。
あたしだって、すぐに理解できたわけじゃないけど、“穂がそれでいいなら、まあいっか”なんて思って、わりと自分が適当だったことに気づいた。
“孤独にならずに済む”って、ホッとした。
文化祭が終わって、あたしの家で過ごしたとき、永那は“悪くない”と思えたと言っていた。
“悪くない”って、たぶん、まだ積極的じゃなくて…まだ、永那のなかで納得できない部分があったんだと思う。
それは、きっと…あたしと永那の関係が、まだ、まだ、全然深まっていなかったから。
修学旅行の一件で、永那のお母さんの一件で、永那があたしを信じてくれるようになったってことなのかな?
“お前、変わったよな”という言葉が、嬉しかった。
穂と出会って、永那もあたしも変わった。
穂と出会っていなかったら、あたし、本当に永那に捨てられてたかも。
穂に永那を奪われて孤独になることに怯えていたけど、今は、逆だったんだとわかる。
穂がいなきゃ、あたしと永那の関係は、続いていなかった。
「千陽は、私達から離れていかない?」
唐突に永那に聞かれて、眉間にシワが寄る。
穂があたしの“限定品”という言葉を“離れる”と勘違いしたことに呆れる。
…あたしの言い方も悪かったかもしれないけど…離れる気なんて、さらさらないんだけど。
ていうか、可愛いと思って言った言葉だったのに、そんなふうに捉えられていたなんて、全然知らなかった。
あたしが離れていかないとわかって、穂が子供みたいに泣いた。
それが、たまらなく、嬉しかった。
胸が熱くなって、目頭も熱くなる。
こんなにも、彼女から、求められている。
生きてて良かった。
純粋に、そう思った。
べつに、明確に死にたいなんて思ったことがあるわけじゃないけど、それでも、やっぱり、消えない虚しさみたいなのはずっとあった。
あのまま虚しさを放置していたら、あたしはいつか本当に明確に死にたいと思っていたかもしれない。
穂が泣き止んで、少し休んでから、彼女が勉強を再開した。
あたしは永那の分のノートを作る。
「てか永那、夜寝られるなら、自分でノート書けば?」
あたしが言うと、永那は「やだー」とテレビを見た。
「授業も聞かないで、夜も寝てたら、成績落ちるからね」
「ハァ」と永那がため息をつく。
「私さ、高校卒業したら働こうと思ってたんだけど…最近、大学受けたいなって思い始めたんだよね」
「そうなんだ!」
穂が顔を上げる。
「穂と同じとこ行きたい」
永那が視線を穂に遣る。
その目が優しい。
不思議と、羨ましいと思わない。
「楽しそう…」
穂は顎をシャープペンでトントン叩く。
「私、夢とかやりたいこととかも特にないし…穂が受けるとこ、受ける」
永那がテレビを消した。
「え?…も、もう少しよく考えたほうがいいんじゃない?大事なことなんだし」
「んー…穂はどういう系に進みたいの?」
永那は頬杖をついて、穂を見た。
「私は、国立の法学部を受けたいと思ってる」
初めて知る。
…さすが、穂。
「もちろん滑り止めで私立も受けるけど…あんまりお金、かけたくないから」
「私もお金ないから…国立だとありがたい…」
「千陽は、決めてる?」
穂があたしを見る。
「あたしは…まだ…」
「そっか」
2人と同じところ…。
法学部はないけど、同じ大学…が、いいのかな。
わからない。
…わからない?
わからないってなに。
前のあたしなら、絶対に意地でも永那と同じところにしたがったはず。
…いや。
“前のあたしなら”なんて、存在しない。
だって、穂と永那が出会わなければ、永那は高校卒業して働く予定だったんだし。
永那が働くってなったら、さすがに前のあたしでも別の道を行く。
そうなったら、本当に、あたし達は自然消滅みたいに関係が希薄になっていたと思う。
あたし達の関係は、中学・高校だけの、過去の友達になっていたのかも。
少しして、穂がご飯を作ってくれた。
3人で食べて、2人が家まで送ってくれる。
2人が手を繋いで歩く背中を見送って、あたしは家に入った。
お風呂に入って、ベッドに寝転ぶと、永那とのキスを思い出した。
胸を揉まれた感覚も。
玩具とは全然違う。
違うことは、穂に触れられてわかってはいたけど、穂と永那でも全然違うから驚いた。
目を閉じて、自分で自分の胸に触れてみる。
永那の手の感触を思い出して。
「ハァ」
息が漏れる。
右手をゆっくり下ろしていく。
ショーツに手を入れて、蕾に触れた。
もう少し下に移動すると、もう割れ目が濡れていた。
指の滑りを良くして、膣に指を挿れる。
あたしは、自分で指を挿れてイッたことは一度もない。
これが…この指が…永那のだったら、あたし、イけるのかな。
ふいに穂にキスされる感覚が蘇って、唾を飲んだ。
穂にキスされて、永那に胸を揉まれたら最高だな…なんて、変態みたいなことを考える。
まだ…恥部には、誰にもさわられたことがない。
だから、想像もできない。
「ハァ」
今度はため息だった。
永那が言う。
“私は永那ちゃんの。千陽は私の。結果的に、私も千陽も、永那ちゃんの”
永那は、穂のこの言葉の意味が全然わからなかったらしく、最後まで納得していなかった。
あたしだって、すぐに理解できたわけじゃないけど、“穂がそれでいいなら、まあいっか”なんて思って、わりと自分が適当だったことに気づいた。
“孤独にならずに済む”って、ホッとした。
文化祭が終わって、あたしの家で過ごしたとき、永那は“悪くない”と思えたと言っていた。
“悪くない”って、たぶん、まだ積極的じゃなくて…まだ、永那のなかで納得できない部分があったんだと思う。
それは、きっと…あたしと永那の関係が、まだ、まだ、全然深まっていなかったから。
修学旅行の一件で、永那のお母さんの一件で、永那があたしを信じてくれるようになったってことなのかな?
“お前、変わったよな”という言葉が、嬉しかった。
穂と出会って、永那もあたしも変わった。
穂と出会っていなかったら、あたし、本当に永那に捨てられてたかも。
穂に永那を奪われて孤独になることに怯えていたけど、今は、逆だったんだとわかる。
穂がいなきゃ、あたしと永那の関係は、続いていなかった。
「千陽は、私達から離れていかない?」
唐突に永那に聞かれて、眉間にシワが寄る。
穂があたしの“限定品”という言葉を“離れる”と勘違いしたことに呆れる。
…あたしの言い方も悪かったかもしれないけど…離れる気なんて、さらさらないんだけど。
ていうか、可愛いと思って言った言葉だったのに、そんなふうに捉えられていたなんて、全然知らなかった。
あたしが離れていかないとわかって、穂が子供みたいに泣いた。
それが、たまらなく、嬉しかった。
胸が熱くなって、目頭も熱くなる。
こんなにも、彼女から、求められている。
生きてて良かった。
純粋に、そう思った。
べつに、明確に死にたいなんて思ったことがあるわけじゃないけど、それでも、やっぱり、消えない虚しさみたいなのはずっとあった。
あのまま虚しさを放置していたら、あたしはいつか本当に明確に死にたいと思っていたかもしれない。
穂が泣き止んで、少し休んでから、彼女が勉強を再開した。
あたしは永那の分のノートを作る。
「てか永那、夜寝られるなら、自分でノート書けば?」
あたしが言うと、永那は「やだー」とテレビを見た。
「授業も聞かないで、夜も寝てたら、成績落ちるからね」
「ハァ」と永那がため息をつく。
「私さ、高校卒業したら働こうと思ってたんだけど…最近、大学受けたいなって思い始めたんだよね」
「そうなんだ!」
穂が顔を上げる。
「穂と同じとこ行きたい」
永那が視線を穂に遣る。
その目が優しい。
不思議と、羨ましいと思わない。
「楽しそう…」
穂は顎をシャープペンでトントン叩く。
「私、夢とかやりたいこととかも特にないし…穂が受けるとこ、受ける」
永那がテレビを消した。
「え?…も、もう少しよく考えたほうがいいんじゃない?大事なことなんだし」
「んー…穂はどういう系に進みたいの?」
永那は頬杖をついて、穂を見た。
「私は、国立の法学部を受けたいと思ってる」
初めて知る。
…さすが、穂。
「もちろん滑り止めで私立も受けるけど…あんまりお金、かけたくないから」
「私もお金ないから…国立だとありがたい…」
「千陽は、決めてる?」
穂があたしを見る。
「あたしは…まだ…」
「そっか」
2人と同じところ…。
法学部はないけど、同じ大学…が、いいのかな。
わからない。
…わからない?
わからないってなに。
前のあたしなら、絶対に意地でも永那と同じところにしたがったはず。
…いや。
“前のあたしなら”なんて、存在しない。
だって、穂と永那が出会わなければ、永那は高校卒業して働く予定だったんだし。
永那が働くってなったら、さすがに前のあたしでも別の道を行く。
そうなったら、本当に、あたし達は自然消滅みたいに関係が希薄になっていたと思う。
あたし達の関係は、中学・高校だけの、過去の友達になっていたのかも。
少しして、穂がご飯を作ってくれた。
3人で食べて、2人が家まで送ってくれる。
2人が手を繋いで歩く背中を見送って、あたしは家に入った。
お風呂に入って、ベッドに寝転ぶと、永那とのキスを思い出した。
胸を揉まれた感覚も。
玩具とは全然違う。
違うことは、穂に触れられてわかってはいたけど、穂と永那でも全然違うから驚いた。
目を閉じて、自分で自分の胸に触れてみる。
永那の手の感触を思い出して。
「ハァ」
息が漏れる。
右手をゆっくり下ろしていく。
ショーツに手を入れて、蕾に触れた。
もう少し下に移動すると、もう割れ目が濡れていた。
指の滑りを良くして、膣に指を挿れる。
あたしは、自分で指を挿れてイッたことは一度もない。
これが…この指が…永那のだったら、あたし、イけるのかな。
ふいに穂にキスされる感覚が蘇って、唾を飲んだ。
穂にキスされて、永那に胸を揉まれたら最高だな…なんて、変態みたいなことを考える。
まだ…恥部には、誰にもさわられたことがない。
だから、想像もできない。
「ハァ」
今度はため息だった。
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