いたずらはため息と共に

常森 楽

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5.時間

312.酸いも甘いも

永那に、勝った。
…中途半端にされた、仕返し。
「でもね、私…下手っぴなの」
穂が眉根を下げて、不安そうに言う。
下手っぴ…可愛い。
「いいよ」
ドアを閉める。
あたしは穂をベッドに押し倒して、口付けする。
永那とのキスも良いけど、穂とのキスも好き。
それぞれ違って、どっちも、良い。

…ああ。ママってこんな感じなのかな。
彼氏とパパを両方とも楽しんでる感じ。
パパも…ママと浮気相手と、両方楽しんでるんだし。
遺伝、かな。
嫌だなー。
あたし、自分では自分のこと、ママとパパと違って一途だと思ってたんだけどな。

伸びた髪を耳にかける。
繋いだ手の指を絡ませて、舌も、絡ませて、永那とは違う味を楽しむ。
「ねえ」
唇を離すと、糸が引いて、プツリと切れる。
穂の瞳があたしをまっすぐとらえる。
「あたし、穂にさわりたい」
穂が喉を上下させる。
「あんなエロい姿見せつけられて…あたし、我慢できない」
穂の瞳がドアを映す。
何かを考えるように…躊躇うように…ジッとドアを見つめた。

「穂」
視線があたしに戻ってくる。
あたしは立ち上がって、机の下に置いてあった紙袋を取る。
「誕生日プレゼント」
「え!?…あ、ありがとう」
彼女が起き上がって、正座になって、紙袋を受け取る。
「開けて?」
穂は頷いて、紙袋の中を覗き込む。
箱を取り出して、開ける。
「ランジェリーだ…」
あたしは足を組んで、頬杖をつく。
「穂、着けさせて?」
穂が頬をピンク色にして、頷いた。
あたしは彼女のネグリジェを脱がせる。
自分のネグリジェも脱ぐ。

黒地のチュールレース。
カップ部分は透けているから、乳房が美しく見える。
バストトップに花の刺繍が施されていて、それがセクシーさを増す。
アンダーバストには肌を魅力的に見せるように、リバーレースの飾りがついている。
ショーツもブラとお揃いで透け感のあるチュールレース。
大事な部分にはマットな布地が当てられている。
合計、4万円のプレゼント。
ただの友達に贈るには高すぎるかもしれないけど、穂はただの友達じゃない。
あたしの、愛する人のうちのひとり。
大事な人。
…そもそも、穂と永那にあげたネグリジェとパジャマも3万くらいしてるし、たった1万円くらい誤差だけど。

あたしは膝立ちになって、彼女の背後に回る。
穂の長い黒髪を前にやって、ブラのホックを外す。
ノンワイヤーだから、夜につけても苦しさは感じにくいはず。
プレゼントしたブラをつけて、前にやった髪を戻す。
ショーツを手に取って「穂」と言うと、立ち上がってくれる。
あたしはベッドの端に移動して、足を投げ出すように座った。
彼女が穿いているショーツを、ゆっくり下ろす。
膝まで下ろすと、後は彼女が自分で脱いだ。
初めてじっくり見る、彼女の一番大事なところ。
あたしはつま先から顔まで、余すところなく見る。
「ち、千陽…」
ベッドから下りて、彼女の足元にショーツを近づける。

彼女が右足を上げるから、そこにショーツを通して、次に左足が上がって、あたしはゆっくりショーツを穿かせた。
下から上まで眺めて、立ち上がる。
「綺麗」
今回は、穂へのおさわりはこれでおしまいにしてあげる。
「は、恥ずかしい…」
「穂、あたしにも着させて?」
穂がパチパチと目を瞬かせる。
お揃いのランジェリーを出して、彼女に差し出す。
「お揃いなの?」
「うん」
彼女の口元が綻ぶ。
抱きしめるように彼女があたしの背に手を回す。
アンダーバストの締めつけがなくなる。
あたしの胸が曝け出されて、穂はジッと見た。
「ホント、穂は胸が好きなんだから」
「ち、違うよ…」
「違うの?…じゃあ、さわらなくてもいい?」
彼女の眉頭が寄る。
「さ、さわりたい…」
あたしはフフッと笑って「やっぱり好きじゃん」と呟く。

彼女は唇を口の中に引っ込めて、ブラを着けてくれる。
その手つきが優しくて、目を閉じた。
「なんだか、お揃いだと…千陽の胸がすごく綺麗で、私がみすぼらしく見えない?」
あたしは目を開けて、頬を指先で掻く彼女を見つめた。
「見えない。穂はスタイル良いし、あたしだって羨ましいって思うよ?」
「そう…なの…?」
「うん」
穂が頷いて、ゴクリと唾を飲んでから、あたしのショーツに視線を下ろす。
膝立ちになって、ショーツのウエスト部分に指をかける。
ゆっくり下ろされていく。
彼女は目もそらさず、あたしの恥ずかしいところを見つめる。
あたしだって、恥ずかしくないわけじゃない。
体が火照る。

穂が上目遣いにあたしを見るから「なに?」と聞く。
「千陽、濡れてる」
「当たり前でしょ」
あたしが穂の肩に手をついて足を上げると、ショーツを脱がせてくれる。
「…早く、穂に、さわってほしい」
そう言うと、彼女が赤い舌を伸ばした。
彼女の唇が、あたしの恥ずかしいところに触れる。
手をついていた彼女の肩を強く掴む。
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