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8.閑話
63.永那 中3 夏《如月梓編》
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それからのことは、あんまり覚えていない。
何度かイって、最後に「手、洗ってくる」と永那が部屋を出たところで、意識がなくなった。
眠かったわけじゃなかったと思うけど、緊張の糸が緩んだのと体力の消耗とで眠ってしまった。
ハッと目を覚ますと、永那が隣で寝ていて、言葉にならない声を発した。
自分は服を着ていないし、こんな状況…恋愛漫画の世界じゃん…!
これが大人だったら、お酒で酔っ払った勢いで…って感じになるのかな?
私達はべつに酔っ払っていたわけじゃないけど。
そっと永那の頬に触れてみる。
綺麗な白い肌。
長い睫毛。
サラサラの髪。
筋の通った鼻。
「綺麗だな…」
私もこんな顔に生まれてみたかった。
前世でどんな徳を積んでいたら、こんな顔に生まれてこられるんだろう?
こんなに綺麗だったら、私でもモテモテになるのかな?
相手、選びたい放題だよね。羨ましい。
だからこそ、付き合わなくてもセフレがたくさん作れるんだろうし。
…でも、同じ“綺麗”でも、永那の隣にいた千陽には魅力を感じなかった。
永那が中性的で、千陽が見るからに可愛い女子だから?
そういえば、お兄ちゃんが「結局、素直でいつもニコニコ笑ってる子が可愛いんだよ!世の中、ツンデレ好きが多いけど、俺は圧倒的に素直推しだ!」とかなんとか、言ってた気がする。
「美人は3日で飽きるって言うだろ?素直でニコニコ笑ってる子は一緒にいて楽しいし、飽きない。冷たい美人より、愛嬌のある子に限る!だからお前も、愛嬌のある素直な人間であるべきなんだよ!わかった?」と、持論を捲し立てられた。
その時は意味がわからなかったけど、永那の素直さが人を魅了するのかな。
こんなに話しやすくて、優しくて、綺麗だったら、無敵なんじゃないの?
ゆっくり近づいて、彼女の唇に唇を重ねてみる。
自分の鼻息が荒いし、その息が震えてるのがわかる。
離れて永那を見ていると、彼女の睫毛が静かに上がった。
鼓動がどんどん速くなっていく。
フフッと彼女が笑う。
「キスした?」
「…し、ました。ごめんなさい」
「謝ることないよ」
彼女が起き上がって、目元を擦った。
「寝ちゃった」
「おはよ」
「おはよ」
“んーっ”と伸びをして、永那が時計を見る。
「お腹すいちゃった」
「お昼、食べる?…カップラーメンくらいしか出せないけど」
「ラーメン!食べる!」
「永那はさ」
「ん?」
「どんな子がタイプなの?」
ラーメンが出来上がるまでの間、2人で並んで座っていた。
「んー?難しい質問だな」
「そう?色んな人と話すなら、“この人良いな”みたいなの、少しはないの?」
「みんなに“良いな”って思うよ?」
「え~…チャラいなー…」
「クズだからね」
永那がニヤリと笑う。
私は、ふぅっと息を吐き出す。
「じゃあ、私の良いところを挙げてください」
「素直なところ」
「わ、私って素直?」
「うん。ストーカーした理由聞いた時、ちゃんと答えてくれた。紬と喧嘩した時も、ちゃんと自分の意見言ってた」
「それは…言わざるを得ないような状況で…」
「セックスの時も、ちゃんと全部答えてくれたし、少しも抵抗しなかった」
ボッと顔が熱くなる。
「初めてだと、やっぱ恥ずかしがって“見せたくない”ってなる子もいるからさ?…まあ、それはそれで可愛いんだけど」
「どっちでもいいのね」
「そうなりますね」
ラーメンを啜る。
「今、セフレって何人いるの?」
「んー…主に3人…かな?」
「3人…すごいな…」
「ちなみにその内の1人が梓だよ?」
「え!?今日、初めてなのに?」
「これからも、するでしょ?」
うぅ…。
もっと顔が熱くなるから、俯く。
「それとも、嫌?」
「嫌じゃないです…!永那のセフレに、なってやりますよ!」
「やったー」
やっぱり、クズだ。
「永那は」
「ん?」
「永那は、その…セ、セックスしても、気持ちいいわけじゃないでしょ?」
「あー…」
「その…してくれる側なんだし…ただ、手を使ってるだけでしょ?」
「まあ、そうだね」
「なのに、シたいの?」
「うん」
「なんで?」
「女の子が気持ち良さそうにしてる姿を見るのが好きだから」
「見るだけで、満足するの?」
「うん」
「どういう仕組み?」
「え!?仕組み!?」
永那がケラケラと笑い出す。
「ん~?考えたこと、なかったな。…一応、私がシてもらう時もあるんだよ?」
「そうなんだ…」
私も、シてあげる日がくるのかな…?
想像してみるけど、上手く出来る自信が全くない。
「なんだろうな」
「ん?」
「仕組み。見てるだけでも満足できる仕組みだよ」
「あ…うん」
永那がカップラーメンをほとんど食べ終えて、残った麺を汁の中から探す。
「仕組みを知るためには、やっぱ、もっと経験積まないとな」
「えー…もういいんじゃない?」
「そうかな?」
「そうだと思うよ?」
「とりあえず先輩、同級生、後輩とはヤったから、今度は大人とシてみたいな」
「犯罪だからやめなさい」
「え?犯罪?」
「相手が犯罪者になるよ」
「同性でも?」
「同性でも!」
「梓って頭良いんだね…」
「成績はすこぶる悪いのですが、皮肉ですか?」
「ホントに!ホントにそう思うって!」
何度かイって、最後に「手、洗ってくる」と永那が部屋を出たところで、意識がなくなった。
眠かったわけじゃなかったと思うけど、緊張の糸が緩んだのと体力の消耗とで眠ってしまった。
ハッと目を覚ますと、永那が隣で寝ていて、言葉にならない声を発した。
自分は服を着ていないし、こんな状況…恋愛漫画の世界じゃん…!
これが大人だったら、お酒で酔っ払った勢いで…って感じになるのかな?
私達はべつに酔っ払っていたわけじゃないけど。
そっと永那の頬に触れてみる。
綺麗な白い肌。
長い睫毛。
サラサラの髪。
筋の通った鼻。
「綺麗だな…」
私もこんな顔に生まれてみたかった。
前世でどんな徳を積んでいたら、こんな顔に生まれてこられるんだろう?
こんなに綺麗だったら、私でもモテモテになるのかな?
相手、選びたい放題だよね。羨ましい。
だからこそ、付き合わなくてもセフレがたくさん作れるんだろうし。
…でも、同じ“綺麗”でも、永那の隣にいた千陽には魅力を感じなかった。
永那が中性的で、千陽が見るからに可愛い女子だから?
そういえば、お兄ちゃんが「結局、素直でいつもニコニコ笑ってる子が可愛いんだよ!世の中、ツンデレ好きが多いけど、俺は圧倒的に素直推しだ!」とかなんとか、言ってた気がする。
「美人は3日で飽きるって言うだろ?素直でニコニコ笑ってる子は一緒にいて楽しいし、飽きない。冷たい美人より、愛嬌のある子に限る!だからお前も、愛嬌のある素直な人間であるべきなんだよ!わかった?」と、持論を捲し立てられた。
その時は意味がわからなかったけど、永那の素直さが人を魅了するのかな。
こんなに話しやすくて、優しくて、綺麗だったら、無敵なんじゃないの?
ゆっくり近づいて、彼女の唇に唇を重ねてみる。
自分の鼻息が荒いし、その息が震えてるのがわかる。
離れて永那を見ていると、彼女の睫毛が静かに上がった。
鼓動がどんどん速くなっていく。
フフッと彼女が笑う。
「キスした?」
「…し、ました。ごめんなさい」
「謝ることないよ」
彼女が起き上がって、目元を擦った。
「寝ちゃった」
「おはよ」
「おはよ」
“んーっ”と伸びをして、永那が時計を見る。
「お腹すいちゃった」
「お昼、食べる?…カップラーメンくらいしか出せないけど」
「ラーメン!食べる!」
「永那はさ」
「ん?」
「どんな子がタイプなの?」
ラーメンが出来上がるまでの間、2人で並んで座っていた。
「んー?難しい質問だな」
「そう?色んな人と話すなら、“この人良いな”みたいなの、少しはないの?」
「みんなに“良いな”って思うよ?」
「え~…チャラいなー…」
「クズだからね」
永那がニヤリと笑う。
私は、ふぅっと息を吐き出す。
「じゃあ、私の良いところを挙げてください」
「素直なところ」
「わ、私って素直?」
「うん。ストーカーした理由聞いた時、ちゃんと答えてくれた。紬と喧嘩した時も、ちゃんと自分の意見言ってた」
「それは…言わざるを得ないような状況で…」
「セックスの時も、ちゃんと全部答えてくれたし、少しも抵抗しなかった」
ボッと顔が熱くなる。
「初めてだと、やっぱ恥ずかしがって“見せたくない”ってなる子もいるからさ?…まあ、それはそれで可愛いんだけど」
「どっちでもいいのね」
「そうなりますね」
ラーメンを啜る。
「今、セフレって何人いるの?」
「んー…主に3人…かな?」
「3人…すごいな…」
「ちなみにその内の1人が梓だよ?」
「え!?今日、初めてなのに?」
「これからも、するでしょ?」
うぅ…。
もっと顔が熱くなるから、俯く。
「それとも、嫌?」
「嫌じゃないです…!永那のセフレに、なってやりますよ!」
「やったー」
やっぱり、クズだ。
「永那は」
「ん?」
「永那は、その…セ、セックスしても、気持ちいいわけじゃないでしょ?」
「あー…」
「その…してくれる側なんだし…ただ、手を使ってるだけでしょ?」
「まあ、そうだね」
「なのに、シたいの?」
「うん」
「なんで?」
「女の子が気持ち良さそうにしてる姿を見るのが好きだから」
「見るだけで、満足するの?」
「うん」
「どういう仕組み?」
「え!?仕組み!?」
永那がケラケラと笑い出す。
「ん~?考えたこと、なかったな。…一応、私がシてもらう時もあるんだよ?」
「そうなんだ…」
私も、シてあげる日がくるのかな…?
想像してみるけど、上手く出来る自信が全くない。
「なんだろうな」
「ん?」
「仕組み。見てるだけでも満足できる仕組みだよ」
「あ…うん」
永那がカップラーメンをほとんど食べ終えて、残った麺を汁の中から探す。
「仕組みを知るためには、やっぱ、もっと経験積まないとな」
「えー…もういいんじゃない?」
「そうかな?」
「そうだと思うよ?」
「とりあえず先輩、同級生、後輩とはヤったから、今度は大人とシてみたいな」
「犯罪だからやめなさい」
「え?犯罪?」
「相手が犯罪者になるよ」
「同性でも?」
「同性でも!」
「梓って頭良いんだね…」
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「ホントに!ホントにそう思うって!」
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