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第五章・運命の歯車が動き出す。1
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そして月日が過ぎ、出産の時期になった。陣痛が始まると、邸宅の侍女達が慌てて支度をしていた。
「早くお湯を持ってきて。タオルも、もっとたくさん」
助産婦に手伝ってもらいながら出産に備える。痛みが短くなっている。
私は、舌を嚙まないように口をタオルでくわえて必死に耐える。
「エルザ様。そのまま……はい、思いっきり力んで下さい」
「くぅ~っ」
淑女とは思えないほどの声で力む。恥じらいなんて気にしている場合ではない。
必死に痛みとの戦いだった。一度息を整えて、また力む。その繰り返し。
「そう……もう少し。エルザ様、赤ん坊の頭が見えてきましたわ」
「んんっ……ぐっ~」
意識が遠退きそうになるが、その度に助産婦のエマに起こされ力を入れ直す。
そして何時間の末……赤ん坊の泣き声が聞こえてきた。
「おぎゃあ、おぎゃあ」
う……産まれた? 汗をかいてぼんやりする意識の中、確かに赤ん坊の泣き声が聞こえてきた。
「おめでとうございます。元気な男の子ですよ」
えっ? 男の子……?
エマが取り上げると、私のところに来て一緒のベッドに横に寝かせてくれた。確かに男の子だった。
皇族特有の白銀の髪。顔立ちは、レイヴァン様に似ており整っていた。
レイヴァン様の言う通り男の子。しかし……あれ?
この子は今日私が産み、初めて顔を見たはずなのに見覚えがあるような気がする。
「どうして……?」
私はそう呟くと赤ん坊が目を開けた。
私と同じ碧眼。その時だった。赤ん坊の目が七色に光り出したのだ。
えっ? 何で……!?
サファード一族の女性ではないのに、どうして能力が!?
神々しい光でオーラを輝かせながら、クスッと微笑んできた。
「早くお湯を持ってきて。タオルも、もっとたくさん」
助産婦に手伝ってもらいながら出産に備える。痛みが短くなっている。
私は、舌を嚙まないように口をタオルでくわえて必死に耐える。
「エルザ様。そのまま……はい、思いっきり力んで下さい」
「くぅ~っ」
淑女とは思えないほどの声で力む。恥じらいなんて気にしている場合ではない。
必死に痛みとの戦いだった。一度息を整えて、また力む。その繰り返し。
「そう……もう少し。エルザ様、赤ん坊の頭が見えてきましたわ」
「んんっ……ぐっ~」
意識が遠退きそうになるが、その度に助産婦のエマに起こされ力を入れ直す。
そして何時間の末……赤ん坊の泣き声が聞こえてきた。
「おぎゃあ、おぎゃあ」
う……産まれた? 汗をかいてぼんやりする意識の中、確かに赤ん坊の泣き声が聞こえてきた。
「おめでとうございます。元気な男の子ですよ」
えっ? 男の子……?
エマが取り上げると、私のところに来て一緒のベッドに横に寝かせてくれた。確かに男の子だった。
皇族特有の白銀の髪。顔立ちは、レイヴァン様に似ており整っていた。
レイヴァン様の言う通り男の子。しかし……あれ?
この子は今日私が産み、初めて顔を見たはずなのに見覚えがあるような気がする。
「どうして……?」
私はそう呟くと赤ん坊が目を開けた。
私と同じ碧眼。その時だった。赤ん坊の目が七色に光り出したのだ。
えっ? 何で……!?
サファード一族の女性ではないのに、どうして能力が!?
神々しい光でオーラを輝かせながら、クスッと微笑んできた。
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