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第六章・四神会射殺事件。7

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「ちょっと、ちょっとあんた。さっきから聞き込みをしているんやろ? あそこの白虎組のことで」

「は、はい。もしかして何か知っているんですか?」

「いや、知らへんのやけどな。ちょっと気になって聞いてみたんや」

 なんだ……ただの興味本位か。俺は、ガッカリしてため息を吐く。
すると伊波君は、何か思い出したのか「あっ」と口を開いた。

「ねぇ、前から気になっていんだけどさ。赤薔薇会って殺人組織なんだろ? 兄も言っていたけど、そういう奴らってやっぱりプロの殺し屋なのかな?」

「うーん多分違うよ。確かに殺人組織だけど、犯人はプロってより犯罪経験があった奴やそれに対して願望がある奴らに手を貸しているというか……うん?」

 伊波君の言葉にハッとする。
 そういえば今までの犯罪でも赤薔薇会は、プロの殺し屋を使い犯罪を犯さなかった。どちらかといえば、人の闇や悪意を利用して操っていた。
 もし俺の考えが正しいのなら怪しい奴という先入観が、そもそも間違いじゃないのか? その先入観で見落としていたのなら……。

「すみません。もう一度伺ってもいいですか? あの事件が遭った時刻や最近になって見るようになった人とか、マンションやビル辺りで見ませんでしたか? 誰でもいいんです」

 聞き方を変えておばさん達に尋ねてみる。
 すると近くで見ていた別のおばさんが何か思い出したのか、こちらに来て話しかけてきた。

「それなら、その時刻少し前ぐらいに、1人の男子生徒がマンションに入って行くのを見たで。高校の制服を着ていたわ」

「それは、本当ですか!?」

「ああ、ホンマや。えっとなぁ~身長が175センチあるかないかで、顔は芸人のマイケル光浦に似た感じやったわ」

 マイケル光浦? 知らない名前が出てきて困惑する。えっ? 芸能人か何かだろうか?
 すると1人のおばさんがツッコんできた。

「マイケル光浦? 誰やねん。それ?」

「知らんの? 最近売り出し中の芸人やで。ウチ、最近応援してんねん。顔はイケメンなんやけど、個性的でなかなか面白いねんで。ほら見せたるわ」
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