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第六章・それぞれの想いと秘密の部屋。7

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 確かに。猫の近くに寄ってから陛下のくしゃみが止まらないようだ。アレルギーは場合に寄っては命の危険があるから大変だ。私は
 慌てて陛下の背中を押して連れ出した。
「お、俺は大丈夫だ……くしゅん」
「ほらほら。いいから、いいから」
 強引に皇宮の中に押し込めたら落ち着いたようで、くしゃみをしなくなっていた。
 もう……そういうことは事前に言っておいてよ。
 しかし、これで原因がハッキリした。ロンとエレンは恋中ではなくて、ただ猫を見つけてお互いに世話をしていただけだった。なんだ……凄く残念だわ。
「まさか……子猫の世話だったなんて。少しは恋愛に発展しているのかと思って期待していたのにな」
「お、俺は……そうではないかと最初から思っていたけどな」
「嘘おっしゃい。絶対に気づいてないでしょーが」
「な、何だと⁉」
 またもや、陛下と口喧嘩を始めてしまう。まぁ、それはいつものことだからいいけど。それより結局。ロンとエレンの恋愛話は、私の早とちりと言うことで終わることになってしまった。残念……。
 だが、しかし。私達は肝心な部分を見落としていた。二人は確かに付き合ってはいない。だが……まったく違う関係性であったことに。

 それは夜遅く私達は、とっくに眠る時刻だった。ある一つの薄暗い部屋でロンはワインをグラスに注ぎ飲んでいた。するとエレンが入ってきた。
「あら。こんな時間にワインですか? 私もそのワインを頂いてもよろしいですか? ロン様」
「エレンか。あぁ、そう思って君の分も用意した」
 ロンは、そう言うともう一つのグラスを差し出した。エレンはクスッと微笑むと、お礼を言い隣に座る。そしてグラスにワインを注ぎ同じように口につける。
「しかし驚いたなぁ……まさかユリア様だけではなく陛下まで一緒になって私達の後を追ってくるなんて。しかも、どうやら君と私が恋仲だと勘違いしていたみたいだし」
「あら。可愛らしいではありませんか。人の恋に興味を持たれるなんていい方向ですわ。きっとユリア様と恋愛をして、また大きく成長されたんですよ」
「まるで母親のような言い分だな?」
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