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第六章・それぞれの想いと秘密の部屋。6

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 私は、あの男と顔を見合わせる。やっぱり何かあるんだわ⁉
 ひっそりと付き合っているのかしら? ドキドキしながら覗いていると二人で移動して行く。追いかけると何やら声が聞こえてきた。
「あらあら。本当に甘えん坊さんなんだから」
 えっ……甘えん坊さんですって⁉
 思わずいろんな事を想像してしまった。ロンって意外と甘えキャラなの?
 すると、まだ声が聞えてくる。
「そんなところを舐めたらダメよ。フフッ……くすぐったい」
 ええっ⁉  私も陛下も慌てて覗くとエレンは小さな子猫を抱っこしていた。
 ね、猫……⁉ 白とグレーの柄をしている可愛らしい子猫だった。するとエレンとロンが私達に気づいてしまった。
「ユリア様⁉ それに陛下まで」
「どうされたんですか⁉」
「あ、あの……ごめんなさい。覗き見するつもりはなかったのですが、見たら気になっちゃって……」
 驚く二人に慌てて謝る。結局、覗き見になってしまったが、まさか二人して猫を可愛がっているとは思ってもみなかった。
 すると陛下が「この猫は何だ?」と聞いてきた。私も気になり見るとエレンはクスクスと笑うとロンは、ため息を混じりに教えてくれた。
「これは失礼しました。実は最近庭に、この子が怪我をして迷い込んでいまして。まだ小さいので里親を探す間にこっそりと私達で面倒を見ていたのです」
「皇宮の中で飼えばいいじゃない。ダメなの?」
「そうしたいのは山々なんですが……陛下が」
 ロンが言いにくそうに言っていると、陛下がくっしゅんとくしゃみをし出した。
 しかも何回も。私は驚いて振り返るとまた……。
「あ、やっぱり。ユリア様。今すぐに陛下を連れて戻って下さい。陛下を猫アレルギーなんです」
 猫アレルギー⁉ ロンの言葉に驚いてしまった。えっ? 陛下って……猫がダメだったの?
「宮殿の中で飼うと陛下が興味を持ち触りだかるので、あえて目に触れないように隠したのでございます。猫の毛は陛下にはよくありませんので」
「そ、そんなこと……へっくしゅん」
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