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第八章・ユリアの決意。2

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 私も恥ずかしくなるが悪い気はしない。するとエレンとアミーナが呼びに来た。
 戴冠式の準備が整ったらしい。私と陛下はそちらに向かうことにする。
 皇后戴冠式。聖職者から受け取ると皇帝陛下の手から王冠を頭に被せてもらう。そして民達にお披露目をする式典だ! 
 式場まで歩くのだが、その際に新調した豪華なドレスに絹の長い法衣を羽織り、王杖を持つ。隣には陛下が一緒に歩いてくれる。
 緊張しながら立つと街の人達が花びらを投げて、お祝いをしてくれた。
「皇帝陛下。万歳」
「皇后陛下万歳」
 重たい法衣は侍女達が数人で持ってくれた。少しずつ確かに重みを噛み締めながら歩いた。陛下も緊張しているのかキリッとした表情になっていた。
 式場まで来ると聖職者が王冠を陛下に渡した。そして私の方を向く。いよいよか。
 私は少し頭を下げると王冠を被せてくれた。すると、さらに歓声や拍手が盛大に上がった。
 ここまでは順調に行くが問題は、そこからだ! お披露目をするのは陛下なのだが、
ちゃんと言えるだろうか?
 誓いの言葉を言わないといけないのだが、照れて変なことを言わないか心配になる。
 すると、陛下は皆の方を向くが、
「今日から、この者の姓をエミリオンとし皇后にする。健やかな時も病の時も妻として一生あ……あ……」
 あぁ……やっぱり緊張して言えていない。頑張れ。愛すると言うのよ!
 愛するって……。
 周りもヒヤヒヤしながら見ていた。こういう時に陛下は緊張してしまい、正反対のことを言い出すから周りも気が気ではない。
「……あ……あ……愛する訳がないだろ‼﹂
 あー言っちゃった。私も周りもコントみたいならズッコケてしまう。あれほど緊張しないように何度も練習したはずなのに。
 練習の時も散々噛むし、正反対のことを言い出したりするため、一人でひたすら練習したらしい。何で本番でやるかなぁ……?
 やっぱり一人で練習させるより、私を目の前にして練習させた方が良かったかしら。
 そういえば私は未だに、陛下に愛していると直接言われたことはない。
「へ、陛下……反対です! 否定してどうするのですか?」
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