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第八章・ユリアの決意。5
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「それは……」
私は戸惑ってしまう。何から話したらいいのだろうか。
見られた以上黙っておく訳にもいかないし、それに……元の生活に戻るとなると、ここの私はどうなるのだろうか? すると黒猫がクスッと笑ってきた。
『僕から説明しよう。僕は時の神。そして彼女は、ここの世界の人間じゃない。彼女の本当の名は櫻井百合愛。今のユリアの身体と彼女の身体に誤って違う魂が入ってしまった。だから彼女の魂を元の身体に戻そうと思う』
「猫が……喋った⁉ いや……この際どうでもいい。それが本当なら彼女は別人ってことになる。なら、本当の持ち主の魂は、どうしたんだ?」
意外と黒猫が喋ることも不思議な現象も素直に受け取ってくれる陛下だった。本当の持ち主の魂……確かに気になる。
私がこの身体を使っているのなら、彼女の魂は何処に行ってしまったのだろうか?
『この身体の持ち主は彼女のもう一つの身体に転生しているよ! 最初は君と同じで戸惑っていたようだったけど、今は三浦って男の子の力を借りて上手くやっている』
み、三浦君と⁉ さらに驚く真実を告げられる。私がトラックに飛び込んだ時にそばに居たけど、まさか魂を入れ違えた彼女に力を貸してくれていたなんて。
あ、なら。私の身体は無事だったんだ? 良かった……死んだ訳ではなかったみたいだ。だが、それにピクッと反応する陛下。
「ミウラ? じゃあ……お前の言っていたミウラは、元の世界の男だったわけだ?」
「えっ? まぁ……そうなるわね。片思いだけど」
「だったらなおさら帰す訳にはいかない‼ 元から帰す気もないが……なおさらだ。
ユリアは俺の妻でこの国の皇后だ! これらもずっと……だから」
拳を握り締めながら必死に帰したくないと訴えてくる。彼の気持ちを考えると胸が痛くなってくる。
元の世界には帰りたい。でも……そうなると、この世界とはお別れになってしまう。
「でも……私、元々ここの世界の人間ではないし」
「同じ世界ではないとここに住んだらいけないのか? そんなの認めない。俺は、この世界の人間だが皇帝だ。お前の望みなら何でも叶えられる。何も不自由させない。
だから……俺のそばに……居てくれ」
彼は初めて本音でぶつけてきた。涙をいっぱいに溜めて。泣きながら必死に気持ちを伝えてくる陛下を見て、私まで泣きそうになった。
私は戸惑ってしまう。何から話したらいいのだろうか。
見られた以上黙っておく訳にもいかないし、それに……元の生活に戻るとなると、ここの私はどうなるのだろうか? すると黒猫がクスッと笑ってきた。
『僕から説明しよう。僕は時の神。そして彼女は、ここの世界の人間じゃない。彼女の本当の名は櫻井百合愛。今のユリアの身体と彼女の身体に誤って違う魂が入ってしまった。だから彼女の魂を元の身体に戻そうと思う』
「猫が……喋った⁉ いや……この際どうでもいい。それが本当なら彼女は別人ってことになる。なら、本当の持ち主の魂は、どうしたんだ?」
意外と黒猫が喋ることも不思議な現象も素直に受け取ってくれる陛下だった。本当の持ち主の魂……確かに気になる。
私がこの身体を使っているのなら、彼女の魂は何処に行ってしまったのだろうか?
『この身体の持ち主は彼女のもう一つの身体に転生しているよ! 最初は君と同じで戸惑っていたようだったけど、今は三浦って男の子の力を借りて上手くやっている』
み、三浦君と⁉ さらに驚く真実を告げられる。私がトラックに飛び込んだ時にそばに居たけど、まさか魂を入れ違えた彼女に力を貸してくれていたなんて。
あ、なら。私の身体は無事だったんだ? 良かった……死んだ訳ではなかったみたいだ。だが、それにピクッと反応する陛下。
「ミウラ? じゃあ……お前の言っていたミウラは、元の世界の男だったわけだ?」
「えっ? まぁ……そうなるわね。片思いだけど」
「だったらなおさら帰す訳にはいかない‼ 元から帰す気もないが……なおさらだ。
ユリアは俺の妻でこの国の皇后だ! これらもずっと……だから」
拳を握り締めながら必死に帰したくないと訴えてくる。彼の気持ちを考えると胸が痛くなってくる。
元の世界には帰りたい。でも……そうなると、この世界とはお別れになってしまう。
「でも……私、元々ここの世界の人間ではないし」
「同じ世界ではないとここに住んだらいけないのか? そんなの認めない。俺は、この世界の人間だが皇帝だ。お前の望みなら何でも叶えられる。何も不自由させない。
だから……俺のそばに……居てくれ」
彼は初めて本音でぶつけてきた。涙をいっぱいに溜めて。泣きながら必死に気持ちを伝えてくる陛下を見て、私まで泣きそうになった。
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