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後悔
後悔③
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久しぶりに吉岡と歩く帰り道。
お互い気まずさからか、何から切り出せばいいのか分からず、沈黙した時間が流れる。
自分から呼び出したくせに何も喋ろうとしない吉岡は今、何を考えているのだろう。
拳を握りながら歩いている彼の背中。
やっぱり怒っているんだろうな·····。
最寄りの駅を通り過ぎようとした時、急に吉岡が立ち止まって振り返ってきた。
「優、あのさ」
握られたままの拳、吉岡から伝わる緊張感。
見つめて離なさない目。
「吉岡、俺行きたいとこあんだけど」
優作はこれから言われる言葉が怖くて吉岡が続きを言う前にわざと自ら話を遮断し、新たに提案した。
「いいよ」
吉岡は拍子抜けしたように肩を落として息を吐くと静かに頷いた。自分が吉岡の言葉を避けようとしたからか、余計に重たい空気が流れてしまう。
吉岡の考えていること知りたいけど知りたくない。
いつものバス停ではなく街の方へと向かう電車のホームへ繋がる階段を下る。
ホームは丁度帰宅ラッシュなのか同じ制服の奴らやスーツ姿のサラリーマンでごった返していた。
しばらくして電車が到着すると車内で特に会話をする訳でもなく、リュックをお腹で抱えてつり革に捕まり、広告を眺めている吉岡を見ていた。不謹慎だけど彼の長いまつ毛と見つめる広告を見つめる瞳は荒んだ俺の瞳よりずっと澄んでみえた。
お互い気まずさからか、何から切り出せばいいのか分からず、沈黙した時間が流れる。
自分から呼び出したくせに何も喋ろうとしない吉岡は今、何を考えているのだろう。
拳を握りながら歩いている彼の背中。
やっぱり怒っているんだろうな·····。
最寄りの駅を通り過ぎようとした時、急に吉岡が立ち止まって振り返ってきた。
「優、あのさ」
握られたままの拳、吉岡から伝わる緊張感。
見つめて離なさない目。
「吉岡、俺行きたいとこあんだけど」
優作はこれから言われる言葉が怖くて吉岡が続きを言う前にわざと自ら話を遮断し、新たに提案した。
「いいよ」
吉岡は拍子抜けしたように肩を落として息を吐くと静かに頷いた。自分が吉岡の言葉を避けようとしたからか、余計に重たい空気が流れてしまう。
吉岡の考えていること知りたいけど知りたくない。
いつものバス停ではなく街の方へと向かう電車のホームへ繋がる階段を下る。
ホームは丁度帰宅ラッシュなのか同じ制服の奴らやスーツ姿のサラリーマンでごった返していた。
しばらくして電車が到着すると車内で特に会話をする訳でもなく、リュックをお腹で抱えてつり革に捕まり、広告を眺めている吉岡を見ていた。不謹慎だけど彼の長いまつ毛と見つめる広告を見つめる瞳は荒んだ俺の瞳よりずっと澄んでみえた。
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