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第49話 新イベント発表!
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「流石に速いな」と俺は時間を確認する。
最近の曲は3分前後の長さ。サビが始まるのは1分ほど。
雷刃は1曲が終わるまで、ゴブリンたちの殲滅を狙っているようだ。
「───何より、それを可能とする雷刃の動き。ダンジョン配信者でもトップクラスだ」
やはり3分。 演奏が終わる。
全てのゴブリンたちを倒し切っていた。 続けて、新しい曲が始まる。
「次の曲、行くぜ! お前等も逃げずに聞いて行け!」
ゴブリンたちの最後尾に控えていたトロールたち───雷刃の動きを見て、逃げ出す準備を始めていたようだったが───雷刃は、それを許さなかった。
トロールは、咆哮を放つ。 きっと、自分たちを奮い立たせるためだろう。
だが───
「声が聞こえねぇぞ! もっと声を出せ!」
雷刃の歌声はモンスターの咆哮すら掻き消すほどの声量を持っていた。
そして───神速。
攻撃を開始した3匹のトロール。 3対1のでありながら、雷刃は速度で翻弄する。
すぐにトロールの背後に周り込んだ。 トロールたちが、攻撃しようとした時には、雷刃の姿は消えて見えるだろう。
挑発……ですらない。 この配信を見ている誰もが、気づいているだろう。
雷刃は、サビに合わせて、トロールたちを殲滅するつもりなのだと……そして、それは来た。
神速の動きに合わせた大剣の振り───もはや、トロールは反応することもできない。
全てのモンスターを倒し切った雷刃は、勝利を祝うように歌い……最後まで歌いきった。
「どうだ! 俺の姿……VTuberの俺を見てくれたか!」
視聴者を煽る雷刃。 それと同時にスパチャが流れていく。ただのスパチャではない。
俺は思わず呟いた。
「……虹《レインボー》スパチャ。初めてみた」
虹スパチャ……スパチャは色で値段がわかるようになっている。 それを利用して値段の違う7種類のスパチャを送る事で虹を表現する事を言う。(ちなみに熟練者はこれを手打ちで行う)
さらに続けられる雷刃のマイクパフォーマンス。
俺の配信では見る事のない、大量のスパチャが流れていく……
「これがアイドル系ダンジョン配信者の記念配信か。 改めて、ファンの層が違う事に気が付かされるぜ」
圧倒される。それから、俺もライブを楽しみ始めていた。
けど、雷刃のマイクは俺に向けられた。
「それじゃ、今日の配信をするきっかけになった人……獅堂ライガ!」
いきなり、台本にないやり取り。名前を呼ばれて「お、おう……」と動揺する。
「俺がVTuberになったのは、アンタと同じ舞台で戦うためだ。俺の挑戦───受けてくれますか?」
「────まさか、ここで拒否する奴はいないぜ。 雷刃! お前の挑戦を受ける!」
配信の盛り上がりも最高潮になっている。
けど、ここで俺は勘違いをしていた。 雷刃が言う─── 『同じ舞台で戦う』『挑戦を受ける』
てっきり、
『ダンジョン配信者として、上を目指していきましょう!』
俺は、そういう意味に思っていた。 しかし、雷刃はもう少し具体的な計画を立てていたようだ。
「俺は、ここで重大発表する」
彼の背後に巨大モニターが出現した。 それから───
「VTuberによるダンジョン配信の競技化! 最強のVTuberを決めるイベント。 V最強決定───」
「一応、言っておく。そのイベント名はすでに存在している」
FPSや格闘ゲームで最強VTuberを決める有名なイベントがある。
名前被りは、さすがによくない。 運営から「きえ~!」と怒られる。
「……スタッフ集合」と雷刃は会議を始めた。 配信中なのに、豪快だ。
「不知火、ライガと雑談して、配信を続けていて」
「はいはい」と不知火さんたちは慣れているようだった。
熟練の司会者のように、質問をしてくれた。
「ダンジョン配信者として、雷刃の動きってどうでした?」
「初めてダンジョン配信を見る視聴者に楽しむポイントを教えてください」
「うちの雷刃はライガくんのライバルになりそうですか?」
視聴者が知りたがっている疑問。 それを答えていると───
「なるほど、勉強になりますね……おっと、ここで雷刃の会議が終わったようです。 それじゃ、現場の雷刃さん!」
「はい!こちら、現場の雷刃です! 改めて、イベントを発表します」
どどーん!
モニターに映された文字は───
『VTuber祭り』
「俺、雷刃が主催する『オレンジナイト』初の大規模イベント V祭りの開始を宣言する!」
ぐだぐだになっていた空気が新しくなった。 雷刃のカリスマ性によるものだろうか?
「V祭りの開催は3月後! 詳細は公式発表を待ってくれよな!」
そうして、今回の配信は終わった。 どうやら、3か月後のV祭り……俺は強制的に参加させられるみたいだ。
最近の曲は3分前後の長さ。サビが始まるのは1分ほど。
雷刃は1曲が終わるまで、ゴブリンたちの殲滅を狙っているようだ。
「───何より、それを可能とする雷刃の動き。ダンジョン配信者でもトップクラスだ」
やはり3分。 演奏が終わる。
全てのゴブリンたちを倒し切っていた。 続けて、新しい曲が始まる。
「次の曲、行くぜ! お前等も逃げずに聞いて行け!」
ゴブリンたちの最後尾に控えていたトロールたち───雷刃の動きを見て、逃げ出す準備を始めていたようだったが───雷刃は、それを許さなかった。
トロールは、咆哮を放つ。 きっと、自分たちを奮い立たせるためだろう。
だが───
「声が聞こえねぇぞ! もっと声を出せ!」
雷刃の歌声はモンスターの咆哮すら掻き消すほどの声量を持っていた。
そして───神速。
攻撃を開始した3匹のトロール。 3対1のでありながら、雷刃は速度で翻弄する。
すぐにトロールの背後に周り込んだ。 トロールたちが、攻撃しようとした時には、雷刃の姿は消えて見えるだろう。
挑発……ですらない。 この配信を見ている誰もが、気づいているだろう。
雷刃は、サビに合わせて、トロールたちを殲滅するつもりなのだと……そして、それは来た。
神速の動きに合わせた大剣の振り───もはや、トロールは反応することもできない。
全てのモンスターを倒し切った雷刃は、勝利を祝うように歌い……最後まで歌いきった。
「どうだ! 俺の姿……VTuberの俺を見てくれたか!」
視聴者を煽る雷刃。 それと同時にスパチャが流れていく。ただのスパチャではない。
俺は思わず呟いた。
「……虹《レインボー》スパチャ。初めてみた」
虹スパチャ……スパチャは色で値段がわかるようになっている。 それを利用して値段の違う7種類のスパチャを送る事で虹を表現する事を言う。(ちなみに熟練者はこれを手打ちで行う)
さらに続けられる雷刃のマイクパフォーマンス。
俺の配信では見る事のない、大量のスパチャが流れていく……
「これがアイドル系ダンジョン配信者の記念配信か。 改めて、ファンの層が違う事に気が付かされるぜ」
圧倒される。それから、俺もライブを楽しみ始めていた。
けど、雷刃のマイクは俺に向けられた。
「それじゃ、今日の配信をするきっかけになった人……獅堂ライガ!」
いきなり、台本にないやり取り。名前を呼ばれて「お、おう……」と動揺する。
「俺がVTuberになったのは、アンタと同じ舞台で戦うためだ。俺の挑戦───受けてくれますか?」
「────まさか、ここで拒否する奴はいないぜ。 雷刃! お前の挑戦を受ける!」
配信の盛り上がりも最高潮になっている。
けど、ここで俺は勘違いをしていた。 雷刃が言う─── 『同じ舞台で戦う』『挑戦を受ける』
てっきり、
『ダンジョン配信者として、上を目指していきましょう!』
俺は、そういう意味に思っていた。 しかし、雷刃はもう少し具体的な計画を立てていたようだ。
「俺は、ここで重大発表する」
彼の背後に巨大モニターが出現した。 それから───
「VTuberによるダンジョン配信の競技化! 最強のVTuberを決めるイベント。 V最強決定───」
「一応、言っておく。そのイベント名はすでに存在している」
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名前被りは、さすがによくない。 運営から「きえ~!」と怒られる。
「……スタッフ集合」と雷刃は会議を始めた。 配信中なのに、豪快だ。
「不知火、ライガと雑談して、配信を続けていて」
「はいはい」と不知火さんたちは慣れているようだった。
熟練の司会者のように、質問をしてくれた。
「ダンジョン配信者として、雷刃の動きってどうでした?」
「初めてダンジョン配信を見る視聴者に楽しむポイントを教えてください」
「うちの雷刃はライガくんのライバルになりそうですか?」
視聴者が知りたがっている疑問。 それを答えていると───
「なるほど、勉強になりますね……おっと、ここで雷刃の会議が終わったようです。 それじゃ、現場の雷刃さん!」
「はい!こちら、現場の雷刃です! 改めて、イベントを発表します」
どどーん!
モニターに映された文字は───
『VTuber祭り』
「俺、雷刃が主催する『オレンジナイト』初の大規模イベント V祭りの開始を宣言する!」
ぐだぐだになっていた空気が新しくなった。 雷刃のカリスマ性によるものだろうか?
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そうして、今回の配信は終わった。 どうやら、3か月後のV祭り……俺は強制的に参加させられるみたいだ。
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