VTuberでもできるダンジョン配信!

チョーカ-

文字の大きさ
94 / 95

第94話食材 墓地で入手(ラーメン食べたい)

しおりを挟む
『リッチ』───魔法を極めた死霊の王だ。

 死神に良く似た格好。違うのは武器が杖。あとは、頭の上にチョコンと乗っている王冠くらいか?

 その杖が俺に向けて振ってきた。 黒い雷が現れて、俺に直撃した。

「うわぁ熱っ! あと痺れる!」

 全身が痺れて、回復するまで2秒? 3秒? 無防備を晒すことになったが、なぜか追撃をしてこない。

 それどころか「?」と頭を捻っているようなリアクション。 

「もしかして、どうしてこの人間は死なない? とか思ってる? 舐めるなよ!」

 俺の言葉が通じたのかはわからないが、リッチは再び杖を振る。

 黒い雷。俺の頭上から落下してくる。

 だが─── 今度は避けれた。

「この野郎っ、屋内で雲もないのに雷を落としてくるなよ!」

通常の雷は、光速に等しい速度で落下してくる。 どうやら、黒い雷は、光速よりも遅いらしい。

 なら、なんとか避けれる攻撃速度だ。 

「クールタイムなしの連続攻撃ってのが厄介だが、問題なし! このまま吹き飛ばすぜ!」

 黒い雷を避けながら、接近していく。だが、そう簡単な相手ではなかったみたいだ。

 俺の足は何かを踏みつけた。 それは─── 

「ん? 水たまり? 室内になぜ?」

 いつの間にか、教会内は濃い霧に包まれていた。 その水分が床に貯まって───

「あっ! まずいかも!」

 リッチの黒い雷が発射された。 俺の頭上を狙って───それは回避───だが、濡れた地面。 雷は四方八方に分散されて地面を走る。

「二段攻撃! それも光速で!」

 そう叫ぶ俺の体は、宙に飛んでいた。 地面を走る雷撃を回避したのだが......

 「げっ! げっ! 着地狩りかっ!」

 ジャンプの後、着地するタイミングを狙われた。

 リッチの雷撃を全身に浴びて、激しい熱と痛みを受ける。

「このっ! やってくれたな!」

 見れば、リッチは嘲笑うようなリアクションをして挑発していた。

 それが怒りを誘う。 

「だったら、いいぜ? こっちも魔法を使わせてもらう!」

 詠唱開始。 魔法に必要な詩。 

 俺は、それを忌み嫌っている。 なぜなら、俺が魔法に必要な詠唱は、ラップ調だからだ。

「走る怒り それは稲妻 駆けるは嵐!」

「魔法のフロウ! 魂でかます一撃!」

「この魔法の詠唱 世界をひっくり返すぜ!」 

 光速の雷撃。 雷鳴と共に俺の腕に出現する。

 バチバチと漏れ出す雷が音を立てている。 だからそれを、俺は─── 

『雷皇滅天《サンダーストーム》!』

 音が消えた。 

 閃光が空間を支配する。 白く塗りつぶしていく。

 黒いリッチの姿も白く塗りつぶして───

 音が役割を思い出したかのように遅れて鳴り響いた。

 その時には、俺の前方から教会は破壊されて消えていた。

 ~~~ ~~~ ~~~  ~~~ ~~~ ~~~  ~~~ ~~~ ~~~  ~~~ ~~~ ~~~ 

「はい、今日は二回行動と言うわけで後半戦!」

『いえ~い!』

『どんどんぱふぱふ!』

「いやぁ、みんなテンション高いね。俺が変な料理を作るってSNSとかで話題になってたみたいだけど?」

『なってた、なってた!』

『ライガ氏、奇行かっ! 考察系チャンネルにあった』

「ん? 考察系チャンネル? なにそれ? そんなのあるの?」

『あるよ!?』

『ご存じなかったか』

『現役のダンジョン配信者をゲストに呼んで解説させたりしてる』

「へぇ......いや、だったら俺本人を呼べよ! なんで、俺の事を別人に解説させてるんだ!」

『それはそう』

『権利の問題を気にしてた』

『非公式だからね』

「ん~ 俺自身の切り抜き動画が公式であるから、良くないのか? 俺もよくわからん!」

 後で、公式切り抜き師の花峰ココロさんと相談しよう。

 あっ、岡京マネへの相談が先だ。

「まぁ、今回の料理について説明するぜ! みんな期待しているけど......今回は平凡な料理(?)なんだ......」

『へい...ぼん......?』

『嘘だぁ!』

『スケルトンやリッチを材料にしたの知ってるぞ!』

「いや、マジ、マジ! ちなみに集めたスケルトンとリッチの骨は、こうなっています!」

 俺は大鍋を見せた。 中には白く濁ったスープ。 そして、骨が浮かんでいる。

「今回はスケルトンやリッチの骨からスープを取って、ラーメンにしていこうと思います!」

『ラーメン!?!?』

『いや、トンコツの発送!!!』

『大丈夫なのか? あれって脂やゼラチンを出してスープにしてるのであって......』     

「おっ! ラーメンに詳しい人いるね。 大丈夫、大丈夫! あまり知られてないけどスケルトンが動き回れるのは、骨と骨の接地面に脂があるみたいなんだ」

『脂!?』

『ほな、スープも作れるのか』

『そもそも生物の脂って......な?』
 
 スケルトンみたいなアンデッド系は、骨の内部に脂を貯めているらしい。

「だから、スケルトンの骨を長時間、煮込むことでラーメンのスープが作れる……はず!」

『いや、その発想はおかしい!』

 
  
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません

下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。 横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。 偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。 すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。 兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。 この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。 しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。

スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

異世界あるある 転生物語  たった一つのスキルで無双する!え?【土魔法】じゃなくって【土】スキル?

よっしぃ
ファンタジー
農民が土魔法を使って何が悪い?異世界あるある?前世の謎知識で無双する! 土砂 剛史(どしゃ つよし)24歳、独身。自宅のパソコンでネットをしていた所、突然轟音がしたと思うと窓が破壊され何かがぶつかってきた。 自宅付近で高所作業車が電線付近を作業中、トラックが高所作業車に突っ込み運悪く剛史の部屋に高所作業車のアームの先端がぶつかり、そのまま窓から剛史に一直線。 『あ、やべ!』 そして・・・・ 【あれ?ここは何処だ?】 気が付けば真っ白な世界。 気を失ったのか?だがなんか聞こえた気がしたんだが何だったんだ? ・・・・ ・・・ ・・ ・ 【ふう・・・・何とか間に合ったか。たった一つのスキルか・・・・しかもあ奴の元の名からすれば土関連になりそうじゃが。済まぬが異世界あるあるのチートはない。】 こうして剛史は新た生を異世界で受けた。 そして何も思い出す事なく10歳に。 そしてこの世界は10歳でスキルを確認する。 スキルによって一生が決まるからだ。 最低1、最高でも10。平均すると概ね5。 そんな中剛史はたった1しかスキルがなかった。 しかも土木魔法と揶揄される【土魔法】のみ、と思い込んでいたが【土魔法】ですらない【土】スキルと言う謎スキルだった。 そんな中頑張って開拓を手伝っていたらどうやら領主の意に添わなかったようで ゴウツク領主によって領地を追放されてしまう。 追放先でも土魔法は土木魔法とバカにされる。 だがここで剛史は前世の記憶を徐々に取り戻す。 『土魔法を土木魔法ってバカにすんなよ?異世界あるあるな前世の謎知識で無双する!』 不屈の精神で土魔法を極めていく剛史。 そしてそんな剛史に同じような境遇の人々が集い、やがて大きなうねりとなってこの世界を席巻していく。 その中には同じく一つスキルしか得られず、公爵家や侯爵家を追放された令嬢も。 前世の記憶を活用しつつ、やがて土木魔法と揶揄されていた土魔法を世界一のスキルに押し上げていく。 但し剛史のスキルは【土魔法】ですらない【土】スキル。 転生時にチートはなかったと思われたが、努力の末にチートと言われるほどスキルを活用していく事になる。 これは所持スキルの少なさから世間から見放された人々が集い、ギルド『ワンチャンス』を結成、努力の末に世界一と言われる事となる物語・・・・だよな? 何故か追放された公爵令嬢や他の貴族の令嬢が集まってくるんだが? 俺は農家の4男だぞ?

異世界帰りの少年は現実世界で冒険者になる

家高菜
ファンタジー
ある日突然、異世界に勇者として召喚された平凡な中学生の小鳥遊優人。 召喚者は優人を含めた5人の勇者に魔王討伐を依頼してきて、優人たちは魔王討伐を引き受ける。 多くの人々の助けを借り4年の月日を経て魔王討伐を成し遂げた優人たちは、なんとか元の世界に帰還を果たした。 しかし優人が帰還した世界には元々は無かったはずのダンジョンと、ダンジョンを探索するのを生業とする冒険者という職業が存在していた。 何故かダンジョンを探索する冒険者を育成する『冒険者育成学園』に入学することになった優人は、新たな仲間と共に冒険に身を投じるのであった。

スキル【収納】が実は無限チートだった件 ~追放されたけど、俺だけのダンジョンで伝説のアイテムを作りまくります~

みぃた
ファンタジー
地味なスキル**【収納】**しか持たないと馬鹿にされ、勇者パーティーを追放された主人公。しかし、その【収納】スキルは、ただのアイテム保管庫ではなかった! 無限にアイテムを保管できるだけでなく、内部の時間操作、さらには指定した素材から自動でアイテムを生成する機能まで備わった、規格外の無限チートスキルだったのだ。 追放された主人公は、このチートスキルを駆使し、収納空間の中に自分だけの理想のダンジョンを創造。そこで伝説級のアイテムを量産し、いずれ世界を驚かせる存在となる。そして、かつて自分を蔑み、追放した者たちへの爽快なざまぁが始まる。

ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。

タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。 しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。 ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。 激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。

第2の人生は、『男』が希少種の世界で

赤金武蔵
ファンタジー
 日本の高校生、久我一颯(くがいぶき)は、気が付くと見知らぬ土地で、女山賊たちから貞操を奪われる危機に直面していた。  あと一歩で襲われかけた、その時。白銀の鎧を纏った女騎士・ミューレンに救われる。  ミューレンの話から、この世界は地球ではなく、別の世界だということを知る。  しかも──『男』という存在が、超希少な世界だった。

異世界転生、防御特化能力で彼女たちを英雄にしようと思ったが、そんな彼女たちには俺が英雄のようだ。

Mです。
ファンタジー
異世界学園バトル。 現世で惨めなサラリーマンをしていた…… そんな会社からの帰り道、「転生屋」という見慣れない怪しげな店を見つける。 その転生屋で新たな世界で生きる為の能力を受け取る。 それを自由イメージして良いと言われた為、せめて、新しい世界では苦しまないようにと防御に突出した能力をイメージする。 目を覚ますと見知らぬ世界に居て……学生くらいの年齢に若返っていて…… 現実か夢かわからなくて……そんな世界で出会うヒロイン達に…… 特殊な能力が当然のように存在するその世界で…… 自分の存在も、手に入れた能力も……異世界に来たって俺の人生はそんなもん。 俺は俺の出来ること…… 彼女たちを守り……そして俺はその能力を駆使して彼女たちを英雄にする。 だけど、そんな彼女たちにとっては俺が英雄のようだ……。 ※※多少意識はしていますが、主人公最強で無双はなく、普通に苦戦します……流行ではないのは承知ですが、登場人物の個性を持たせるためそのキャラの物語(エピソード)や回想のような場面が多いです……後一応理由はありますが、主人公の年上に対する態度がなってません……、後、私(さくしゃ)の変な癖で「……」が凄く多いです。その変ご了承の上で楽しんで頂けると……Mです。の本望です(どうでもいいですよね…)※※ ※※楽しかった……続きが気になると思って頂けた場合、お気に入り登録……このエピソード好みだなとか思ったらコメントを貰えたりすると軽い絶頂を覚えるくらいには喜びます……メンタル弱めなので、誹謗中傷てきなものには怯えていますが、気軽に頂けると嬉しいです。※※

処理中です...