VTuberでもできるダンジョン配信!

チョーカ-

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第95話 完成 スケルトンラーメン

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「......というわけで、この大鍋には、ダンジョンで手に入れたスケルトンたちの骨を入れてるぜ!」

 配信を1日で2回に分けた理由。 それは鍋で骨を煮込むのに時間がかかるからだ。

「通常のトンコツスープなら12時間は煮込む必要があるからな! 浮いたアクを取り除いて、野菜を投入」

 ちなみに野菜はネギ、生姜、にんにく、玉ねぎだ! 

「さらに2時間煮込んで、野菜や骨を取り除いた物がこちら!」 

 中には白濁りのスープ。これだけ見たら、誰もスケルトンの骨だとは思わないだろう。

『お、おう......何か呪われてない? そのスープ?』

『なんか怨嗟の声が聞こえてくるような?』

『人間が口にして良いものじゃないよね、それ?』

「ん~ みんな心配性だな。それじゃ隠し味に聖水を1滴、2滴垂らしてみると───」

 うん、効果があったのだろう。鍋の中から聞こえてきた怨嗟が悲鳴に変わった気がした。

『ホラー配信かな? 怖えぇよ!』

『おわかりいただけただろうか?』

『何か人影が、鍋から天に向かって!』

 あ、あれ? おかしいな。 今回はみんなが大好きな国民食 ラーメンにしたつもりなんだけど......?

 俺は安全を示すように、お玉でスープを小皿に取って、味見をしてみる。

「当たり前だけど豚骨独特の臭みがない。旨味が口内に広がる......ちゃんとラーメンのスープだ!」

『本当にラーメンなんだ......』

『大丈夫? 呪われてない?』

『ライガは呪われない定期』  

「い、いや、ちゃんと聖水で呪いは祓っているから、俺じゃなくても食べれる......はず?」 

 ん~ ちゃんと美味しいのになぁ。ここで流れを変えていこうか!

 「次は、これな!」と俺は肉の塊を見せた。 もちろん、ここ出す肉はチャーシューだぜ!

 チャーシューの肉はダンジョンで取れる黒オークの肉を使っている。

 水が入った鍋に醤油、みりん、酒、 砂糖を加えて、沸騰させる。
 それに、スープで使った野菜と同じものを入れて煮込んだ物が、このチャーシューだ。

「というわけで、後は麺だが......これは市販の物を使わせてくれ」

 麺を打つ配信してもなぁ......いや、年越し配信でソバを打ったVTuberさんもいたような……

 少し太めの麺だ。 濃いめのスープによく絡む。

 俺は固め......いわゆるバリカタって種類の麺が好きだ。 

 まずは丼に熱々のスープを注ぐ。

 次に麺だ。茹でた麺の湯切りをしてスープに入れた。

「次にチャーシュー、のり、ネギ、キクラゲ、茹で玉子(半熟)......トンコツラーメンに忘れちゃいけないのは、潰したにんにくと紅しょうがをトッピングして完成だ!」

・・・

・・・・・・

・・・・・・・・・  

完成した丼と机に─── 

 どーん! 

 ───と乗せる。

「白く濁ったスープ、太い麺がインパクト! ......何より、存在感の強いチャーシューが食力を誘うだろ?」

 俺はレンゲを取る。 まずはスープから......
 
 ほわん ほわんとした湯気が匂いを鼻に運んでくれた。 

 口にそれを入れると───

「おぉ! 濃厚な旨味だ! このスープだけで白飯が食べれそうなほどに!」

 そのスープが絡んだ麺を箸で持ち上げた。 

 ずっしりとした重みを感じる。 この太めで固めの麺!

「ふ───っ!」を熱々の麺を冷やすために息を吐く。  

 それから、

「ずずっ ずずっ ずるっ」と麺を一気に啜りあげる。  

 まずは強いコシ! すなわち麺の弾力。  モチモチとした食感が味わえて───

「うまい!」

 続けてチャーシューを持ち上げる。 慎重に......箸で触れるだけで崩れそうなほど柔らかそうな肉塊。 

 脂身のスープに浸かって、キラキラと光っている。 

 赤身と白い脂の層。 フルフルと震えるコラーゲンの塊。

 それを口にすると─── 

「とろりッと溶けた! じゅわぁ......と旨味が広がったぁぁ!」

『美味そう!』

『ちょっと俺もスケルトン狩ってくる』

『↑むちゃしやがって!』

 「スケルトンラーメン、これは流行りそうだぜ!」

 『流行らねぇよ!』 そんな突っ込みがコメント欄で見えた気がしたのだった。 

 
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