VTuberでもできるダンジョン配信!

チョーカ-

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第114話  メン限配信

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 メン限定配信とは、メンバー限定配信の略である。

 YouTubeでは500円ほどの課金を行うことで、それぞれのチャンネル主が用意している有料コンテンツが楽しむ事ができる。

 課金した視聴者だけが見ることのできる配信。 それがメン限配信ってわけだ。

 もちろん、俺もメン限配信を定期的にしている。 ほとんどの企業VTuberは、このメン限配信で収益を増やしているんじゃないかなぁ?

 さて、今回の話題は───

「ネタ切れだ! 次に、なんの料理を作って良いのかわからなくなったぜ!」

 俺が口にするとコメント欄で反応が始まる。 

『はぁ? ゲリラでメン限を初めて何かと思ったら......』

『まだ調理してない食べれそうなモンスターなんて、いくらでもいるっしょ!』

『なんで、もうアイデアがなくなっているんだ?』

 こんな感じで、メン限ではコメントの流れも緩やかで、読みやすい。 

 わざわざチャンネルに課金してくれるのは、熱狂的なファン。当然ながら、普段よりも同時接続者数も少ないので、コメントの量も少ないのだ。

「まぁまぁ、みんな落ち着いてくれ。 例えば、そうだな......お前らって何肉が好き?」

『牛』

『ビーフ1択よ』

『鳥だな。低カロリー&高タンパク!』

『アスリートなら豚もあり! ビタミン豊富!』

 わいわいと和やかにコメントが流れていく。ときどき、変わり種も流れてきたりする。

『くじら肉!』

『イルカ肉!』

「おいおい、環境保護団体ぶちギレのセイシティブな肉は止めろ!」

 そんな感じで続けて───

「な? これでわかっただろ?」

『?』

『???』

『わからん。なにもわからん!』

「わからないかい? つまり、肉の種類は大きく分けて3種類!  すなわち、牛、豚、鳥だ!」

『なるほど......いや、それって当たり前では?』

 チッ! 勘が良い子供は嫌いだよ。

「とにかく、肉料理で攻めていくと、食材はミノタウロス、オーク、ジャイアントボア、あと鳥系......と限られたモンスターになるんだよ!」

『あー 料理の種類だけじゃダメなのか!』

『結局、どういうこと???』

『ダンジョンでモンスターと戦って食材を手に入れる......そういうコンテンツなのに、肝心の食材となるモンスターそのものは限られているということ!』

『わからん! 一度、倒したモンスターともう1回戦って良いじゃないか?』

『戦うモンスターにもレパートリーが必要って話じゃん』

『俺たちの中にも、普段は見ることのない変なモンスターとライガが戦ってるのが見たいって奴は多いだろ? そういうこと』

 おっと、コメントがヒートアップしてきたぞ。良いことだけど、ここら辺で落ち着かせようか。

「だから、この配信ってわけよ。お前ら、俺が何のモンスターと戦って、何の料理をしてるのが見たい?」

『ドラゴン!』

『ぶっちゃけ、ドラゴン!』

『まぁドラゴンだな』

「ドラゴンかぁ……面倒なんだよなぁ。料理も尻尾を輪切りにしたステーキか?」

『見たい!』

『超みたい!』

『見たい! 見たい! 見たい! 見たい! 見たい!』

「わかった、わかった。ドラゴンは優先案な!」と俺はメモをした。

「次! 具体的に、牛、豚、鳥以外の選択肢となり得るモンスターは?」

 いろんな案が流れて来る。その中にで目を引いたのは───

『ボアがありなら、ジビエ料理を参考してみたら?』

「なるほど、ジビエか……熊に鹿? 確かに、それぽいモンスターもいるなぁ!」

 ジビエ料理ってのは、狩猟によって捕獲された野生動物を調理する料理だ。

 ある意味、ダンジョンで俺がやっている行為もジビエなのかも知れないが……

「うんうん、熊系モンスターは良いのがいるぞ。配信映えしそうなやつ! 鹿も巨大な恐竜みたいな奴がいるぜ!」

 クリスマスになると巨大トナカイを操るブラックサンタクロースなんて限定ボスが出現したりする。

 一応、聞くけどトナカイって……鹿だよね? もしかして違う?

 そもそも、空を飛ぶ鹿なんて……いやいや、ジョークだよ。ジョーク!

「よし、よし! メモ帳も埋まって来たぞ!」

 そんな時だった。  あるコメントが目に止まる。

『ライガって食べれない物あるの?』

「食べれない物か。今はない……いや、子供の頃に給食で出たイカ料理は苦手だったな」

『イカ料理? 給食で出るか?』

『足の煮込み?』

『イカの刺身は給食で出ないだろうなぁ』

「なんて言うか、イカの身が四角に切られていて、表面に切れ目が入っていて……」

『なんだ? なんだ?』

『表面に切れ目? 焼き魚みたいな?』

『たぶん、松笠切り』

 ん? なんだ松笠切りって?

「ちょっと待ってくれ。 検索するからな。松笠切り……カタカタカタ、ターン!」

 おぉ、出てきた! イカの表面を斜めに、左右均等に包丁を入れてる。

 これだ! これ! これを焼いたのが、俺が嫌いだったイカ料理だ!

『検索したけど、鬼滅みたいだな』

『↑それ、ただの市松模様だろ!』

「お前等、油断してたらすぐに版権ネタを! 誰に似たんだかなぁ」

『視聴者は配信者に似るんだよ!』

『お前だよ、お前に似てきたんだよ!』

『元凶が何か言ってらぁ!』

 そんな視聴者と戯れて遊ぶ。 そして、俺は宣言した。

「よし! 次の企画はこれだ! 子供の頃に嫌いだった料理を再現。本当に克服できるのか!」

『おぉ!』

『パチパチパチ(拍手)』

 ───と言うわけで、俺はダンジョンで出現するモンスターでイカみたいなやつを調べていった。 
 
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