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チョーカ-

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第120話 ダンジョンの雪山階層 その3

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「気配もない。突然、背後から出現して、攻撃をしてくるサンタ……まったくホラー映画のキャラかよ!」

 吹雪の山小屋。脱出はできない。

 そんな中、俺は黒いサンタに襲われているわけだ。

 「ん~ でも、この能力と戦った経験があるんだよな」

 おっと、流れて来るコメントの情報。 ちらほらと正解も多い。

「そうだ。ピエロのマダラ! この能力はお前の物だろ!」

 かつて戦った魔人『マダラ』 

 場所は、ダンジョンの通路。ダメージを与えても、無駄だった。

 特定の位置に逃げ、全回復して戻って来る。

「あの時と同じ、お前もどこかで見てるんだろ! マダラぁぁぁ!」

 だが―――

「―――何も反応もない。間違っていたかぁ」

 それじゃ、黒サンタの攻略法もマダラとは違うのか。 

「そもそも、この状態は一体……」と俺は最後まで言えなかった。

 なぜなら、攻撃が───黒サンタの鈍器攻撃に背後から襲われたからだ。

 ばこーん! 後頭部を殴られた。 

「くっ!」と振り向いたが、既に黒サンタの姿はいない。 

「気配が読めない。攻撃を受けてから初めてわかる」  
 
「だったら」と俺は、壁に背中を付けた。 

 背後から攻撃してくるなら、背後から攻撃できないようにしてやればいい。

 だが、次の瞬間─── 打撃音。 

 壁には穴。それと同時に、穴から伸びた腕。

 それが俺の首を掴んできた。 

「なにっ! こいつ、どうやっても俺の背後から攻撃を!」

 外は、まだ吹雪。

 分厚い丸太の壁。 

 それらの悪条件でありながら、俺の背後から攻撃してきた。

「条件付きの攻撃……それが、この黒いサンタの力か!」

 俺は足を上げる。  狙いは背後……壁の向こう側。

「関係ない。壁があるなら、壁ごと─―――蹴り破る!」

 首を掴まれ、壁に固定された状態であったが、僅かな隙間で体を捻らせ――――蹴りをぶちかます!

 俺の首を掴んでいた腕が離れる。 確かな衝撃が伝わる。

「どうだ! 手ごたえ……と言うか、足ごたえはあり!」

 破壊した壁の向こう側。 黒サンタの様子は――――

「ちぇ! もう逃げたのか?」

 ―――既に、その姿は消えていた。

 ダメージは与えた……はず。だが、倒せてはない。

「一体、何者なんだ?」 

 やっぱり、例の魔人関係か? それとも新種のモンスターか?

 能力としては、ピエロのマダラに似ているが……その能力には差違がある。

「あの黒サンタには気配がない。本当に生物か? それに、マダラの能力は、全回復して特定の位置に再登場…… 黒サンタの能力とは違っている」

 じゃ、なんだ? そう聞かれても答えは出ないだけで……

「あれ?」と室内に違和感があった。 何か室内に変化がある。

 今までにはなかった何かが…… それは重要な何かだ。 現にサンタの攻撃が止まっている。

「何か変な事が起きてる? 誰かわかる?」

 分からない事は視聴者に聞く。 配信を盛り上げるためのテクニックだ。

『何かテーブルに増えてる』

『机にノート』

『さっき、何もない所からノートが出現した』

「おぉ」と俺は唸った。 発生している異常の答え。

「このノート……確かに、なかったはずだぜ!」

 俺はパラパラとめくってみる。 

「どうやら、このノートは誰かの日記のようだ。たぶん、黒サンタの正体も書いてそうだ」

 たまにある。 不自然なほど強い敵の出現。 

 まるで、ゲームのイベントのように特定の方法でしか倒せないモンスター。

 この俺、獅堂ライガが全力で挑んでも、勝てるとは言い切れない。 

 そんな超特殊《イベントボス》モンスターの存在…… 

 確証はないが───

 ダンジョンは人間の記憶と心を読んでいる。  それが、何か……試練のような物をダンジョンが作っているのではないか?

 俺はそう思う。 さて――――

「最初は普通の日記だ。子供が書いてる冬休みの日記のようだが……」

 だが、その中であるページは違っていた。 そこだけ紙が赤く染まっていた。

 まるで血で染められているかのように――――

「おぉ! これは完全にホラーイベントだ!」

 正直に言う! ちょっと、ワクワクしてきた。

 
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