金髪紅眼の後輩が彼女になりました!(ただし、彼女の正体は地上最強の人妖とする)

チョーカ-

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夏の旅行編 完

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(━━━━━━━光っ!)

 それは暗闇の記憶を越え、自我を目覚めさせた

 (あるはずのない脳が活性化……高度な知能をもたらせた。その存在は……敵だ!)

 これらは、死神の思考。

 対して正道 翔は、

「初弾は、明らかに存在を主張している仮面を狙う────ように見せかけて目潰し!」

(仮面の隙間を狙って、なんと精密な攻撃。失敗しても、仮面をずらす。あるいは剥ぐ事も考えているのか? ならば━━━━)

 この時、死神が願ったのは武器。

 より鋭く━━━━

(当たらない。なら━━━━)

 より強く━━━━━

 より凶悪に━━━━

「死神の武器が変わった!? 手斧かっ!」

「良いぞ、人間。恐れ怯えよ……それが我の贄となる!」

「しゃ、喋った!?」


(驚きついでに、斧はフェイント。振り下ろす途中で手放し━━━━本命は、切れ味を付加させた左からの鉄の爪。それによる刺突!)

「────悪いが、それは読んでいたさ」

「避けただと!? 遠く離れるのではなく、前に接近することで!」

「避けただけじゃないさ。そのまま震脚から────」

 震脚。

 それは、高い破壊力を有する事で有名な中国拳法の踏み込み。そして────

(体当たりの動作から、先端の肘を叩き込む!)

「ぐあっ!(痛み? おぉ! これが、これぞ痛みか! 知識が━━━━ 
 我の成長を促していく!)」

「おいおい、どうやら俺の記憶を読み取って、自身を強化していくタイプかよ」

 『ぎゅるるるるるるるるるるるるん!!!』

  異音。

 「流石に音が多すぎるよ。その武器……神殺しってやつか」

 その武器は神殺しと冗談で言われる武器───いや、一般的にそれを武器と呼ぶのは、どうかしている。なぜなら、それは─―――

「行くぞ、人間……貴様らが恐れおののく武器――――チェーンソーだ」
 
『ぎゅるるるるるるるるるるるるん!!!』

 それを前にした翔は――――

(大木を切り落とすための道具。確かに向けられるとシンプルに怖い。だが――――)

「およそ、人間を殺すために洗礼された武器じゃない。ほら、上段からの振り下ろしだろ?」

「――――!(こちらの攻撃よりも速く動いて避けられた!)」

「がら空きのボディ。ほら、カウンターだよ」

「ぬっ! このっ!?」

「遅いよ、どの殴打系の武器よりも遅い。そういう武器なら狙うなら一撃必殺。避けられたら必敗の覚悟で使わないと」

「ぐっ! がぁ……!? ごっふっ!!!(こんなにも一方的に━━━━反撃を、攻撃を打ち出す━━━━そんな━━━━ないかぁ)」

「さぁ、終わりだ。こういう戦いが『概念』を主張し合うってなら――――お前の弱点は仮面だろ?」

「~~~!?」

「何度も殴り込んで、いい加減に手が痛いんだ。そろそろ砕かさせてもらうさ」

(我が……消える? 馬鹿な! 我は死神だ、死を司る━━━━)

「そうそう、お前……死神じゃないだろ? わかるんだ。俺にはそういうのが……ずっと人妖の神様と仲良くさせてもらうつもりだから」

「━━━━!?」

『概念』と言うならば、その存在自体を否定される言葉。

 それは、物理的な打撃よりも遥かに死神へ深いダメージを与える。

 打撃音。     
  
 そして砕ける音を死神は聞いた。それは――――

「我の命が砕ける音。なぜ? 我が消えていく? どうして――――?」

「お前!? そんな事もわからずに人の命を奪おうとしたのか!」

「なぜ怒る? 我は死を司る神。人を殺すのは当然ではないか?」

「じゃ、だったら! 自分が排除される番になってから、そんな疑問を抱くなよ!」

「……なるほど、そうか(理解ができた。結局のところ――――我と人間は理解し合えぬ存在だと言う事が――――)」

「こいつは、ダメ押し……とどもの一撃だ!」

・・・

・・・・・・

・・・・・・・・・

「翔先輩…… 翔先輩……先輩ってば!」

「ん~ 誰だ?」

「起きてくださいよ、折角の旅行なんですから、道中も楽しんで一生の思い出にするって約束じゃないですか?」

「ん? あぁ、ごめん。それは――――え? 道中! ここは!?」

「あらら、寝ぼけてるんですか? 仕方がない先輩ですね。良いですか、しっかり思い出してください」

「俺たちは、海へ。けあきの別荘に行く」

「あれれ? 覚えているじゃありませんか。 今は向かっている最中ですよ」

「向かっている……最中? あれ? 車だったけ?」

「はい、賀茂先生が車を出してくれました」

「ん? あれ?」

「私としたら、運転中に安心して寝てくれた方が嬉しいのですが……信用して貰えている感じがして」

「本当だ! 賀茂先生がいる!」

「? そりゃいますよ?」

「……けあき?」

「はい、なんですか? 私は助手席にいますよ」

「今回の件、ただの旅行じゃないだろ?」

「――――えっと、何の事ですかね? ひゅ~ ひゅ~」

「鳴らない口笛を無理に表現するな。キャラが違うだろよ」

「ん~ ちなみに翔くんは、どうして私の別荘に行くのが旅行ではないと……いえ、参考までに」

「夢で見たからからだよ(説明するのは、面倒くさいけど……やるか!)」

・・・

・・・・・・

・・・・・・・・・

「参りましたね、翔くん。見事な予知夢です。細部自体は大きく違いますがね」

「……心当たりがあるのか?」

「えぇ、今から向かっている場所は、本当は別荘などではなく、呪われている建物を天王家が購入した所です。過去に痛ましい事件がありまして、あまりにも負の感情が溜まっているいるので払いに行こうかと――――」

「いやだ、そんな所に行けるか! 俺、1人でも帰らせてもらう!」

「それは死亡フラグと言うもの。大丈夫ですよ、1度倒したらなら2度倒すも同じようなものです」

「全然、違うわ! 現実の世界で、怪物相手に大立ち回りなんてできるわけないだろが!」

「――――さて、それはどうでしょうかね?」

「え?」

 小さい天王けあきの呟き。それは、妖艶な笑みを共にあり――――

 どこまで本気の言葉のように思えた翔であった。 
 
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