金髪紅眼の後輩が彼女になりました!(ただし、彼女の正体は地上最強の人妖とする)

チョーカ-

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せーのー 山だぁ!

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「というわけで修業です、翔くん!」

「……なにが?」

「前回の事、櫛橋さゆりの事を思い出してください。あんな感じの輩がこれから翔くんを試すためにワラワラと出現してくるのですよ?」

「それは嫌だけど、君の所の親戚だよね? 言い方酷くない?」

「翔くん、たぶん貴方は勘違いしています」

「?」

「櫛橋さゆりは、天王分家筋では常識枠扱いです」

「あ、あれが常識……?」

「そういう訳です。これから訪ねてくる連中をやり過ごすため、翔くんには低レベルな悪霊を祓える程度の技量を身に着けてもらいます」

「悪霊を祓えるって、そんなに簡単にできるのかよ?」

「可能ですよ。少なくとも、今の貴方なら……」

「?」

(狐……人妖の神と言われる鳥羽あかりに憑りつかれ、今では共存関係に等しい貴方なら、誰よりも強く……神秘が薄れた現代においても歴代最強の……)

「――――なるほど、話は聞かせてもらいました」

「うわっ! あかり?」

「狐っ!? ずいぶんと驚かせますね、あかりさん」

「けあきさん? 天王けあきさん? ずいぶんと簡単に人様の彼氏に話しかけてこないでほしいのですけど?」

「あら、ご安心を。私は翔くんの才能には興味深い物を感じてますが、
男性として好意を抱いてなど……あれ?」

「なんですか? その『あれ?』って驚きは? 思い返してみて、あれ? これって初恋じゃないって自覚した時のリアクションじゃありませんか?」

「いや、そういうのは俺がいない時に……」

「わかりました。前回は天王家が有しているプライベートビーチでいろいろありましたが、今回の修行場所は山です!」

「山って!?」

・・・

・・・・・・

・・・・・・・・・・

「「せーのー 山だ!」」

「いや、山ではやらねぇよ。その『海だ!』みたいなやつ」

「百歩譲って「やっ~ほ~」だからな」と翔は付け加える。

「さて、調子はどうですか? 修行と言ってもピクニック装備できた翔くん」

「棘ある言葉だな。修行の装備なんてわからないよ。こっちは普通の高校生だぞ?」

「さて、山で行う基本的な修行として何を思い浮かべますか?」

「う~ん 滝行か?」

「流石に、この山に滝はありませんよ、残念ながらね」

「じゃ、頂上まで登って下りるくらいしか思いつかないなぁ」

「違いますよ。古今東西、山のでの修行は鬼ごっことか、読者にもわかりやすく、かつオリジナリティを加えるのが定番」

「それは少年漫画の修行の定番だろ!」

「なので、私はそれを参考にして……」

「参考にしたの! それを?」

「はい、初心者が山で鬼ごっことか、『山を舐めるな!』って怒られそうな予感がしたので、こちらは天王家の所有地。ちゃんと修行用に整理された場所なのでご安心を」

「なんだ、その説明口調は!?」

「ちなみに鳥羽あかりさんは、翔くんの式神扱いで構いませんので同行は許可いたしましょう」

「本人は、山に来たの嬉し過ぎて、俺たちを忘れて遊び回ってるけどな」

「まぁ、普段は学校で封印状態とあって、外で遊びにくいので不問にしましょう」

「え? なんの話? 私の話してたよね?」

「ん~ 今から山で鬼ごっこだってよ」

「え~ もう山で鬼ごっこって歳じゃないよ。スイッチでマリカーか桃鉄しようZE☆!」

「意外と近代的な遊びにどっぷりとハマってる!? さっきまで、蝶々とかカエルを追いかけてたよね!?」

「おっと失礼、オークションに出していた非代替性トークンの入金があったみたいです。全く、ブロックチェーン様様ですね」

「そんな! NFTまで使いこなして!?」

「いえ、そんなコント仕掛けの会話は、もう良いので。早く山に入ってください」

・・・

・・・・・・

・・・・・・・・・

「山だ」

「山ですね」

「なんて言うかハイキング気分できたら、ガチめの登山道を選択されたような感じだ」 

「せっかく、私も衣装を山ガール仕様にしたのにオシャレの甲斐がありませんね」

「まぁ、トレイルランニング? 山を走り抜けるスポーツみたいな修行をイメージしてたから、これはこれで気が楽ではあるけどな」

「え? あの……翔先輩?」

「ん? どうした?」

「山で鬼ごっこって、先行している私たちがけあきに見つかったら、強制的に、そのトレイルランニング? って感じになるのではないでしょうか?」

「――――(ヤバい。テンションが凄い下がる)」

「そんなに落ち込まないでくださいよ。2~3回、けあきと追いかけっこして、翌日『あ~ 昨日は十分に運動したなぁ』って、それはそれで充実した休日になるのでは?」

「う~ん、そんなもんか。休み、なにした? って聞かれて山で鬼ごっこって言うのもなぁ」

「そこは、トレイルランニングって言いきりましょうよ――――あれ?」

「ん? どうした、あかり? まさか、もうけあきが近づいてきているのか?」

「いえ、ここ霊山らしいですよね?」

「確か、そんな事も言っていたなぁ」

「う~ん、私が影響、与えたのかな? 空を見てください」

「空? あれ、さっきまで晴れてたのに雲行きが怪しくなってきた」

「あ~ いえ、違うんですよ。天気が崩れたわけじゃないんです」

「んん? だって、実際に雨が降りそうな天気になっているじゃないか?」

「どうやら、天気が変わったわけじゃなくて、どうやら時空を越えて別次元に来たみたいですね、私たち」

「えっと、それはつまり?」

「うっかり、別世界に来ちゃったみたいですね! 私たち!」

「うっかり……じゃねぇよ!?」 
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