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第三十四話 果たせなかった約束
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それならそれでもいい。こんな身体で生き続けるくらいなら、いっそ昼の世界の制裁を受けて、散ってしまいたい。
日光は負担だった。
だが伝説の吸血鬼とちがい、聖夜の身体は散らなかった。
「意外だったか?」
首筋の傷を抑えながら、レンはゆっくりと立ち上がった。
「ダンピールには人間の血が残っている。だから太陽の下でも生きていける。ただし慣れるまでは負担になるし、普通の人間より日光には弱いのだよ」
レンは忌々しいものを見るような目で、陽射しの中で身体をこわばらせている聖夜を睨みつけた。
「それにしても……」
レンは傷口から手を離し、手のひらについた自分の血を見つめ、自虐的に片方の口角を上げた。
「血を吸われるとはこういう感覚だったのか。なかなか甘美なものだ。執着する人間たちが多いのも理解できる。強力なドラッグだ。ダンピールとはいえ、油断ならないということだな」
レンは動きをなくした聖夜の腕をつかみ、両手首を自分のネクタイで縛った。
「妙な行動などしなければ、拘束する必要もなかったのにな」
ふらつく聖夜を無理やり立たせ、部屋をあとにする。
「ドルーに貰うものとは、おまえのことだよ。月島聖夜」
あれほど聖夜に執着していたドルーが、これを承知しているとは思えない。つまりこれは、彼の預かり知らぬことなのだろう。
「……なぜぼくを……つれて、いくんだ?」
「説明している時間はない。さっさとわたしの車に乗るんだ」
葉月をおいていきたくなかった。
だが、陽射しでダメージを受けた身体は、思うように動かない。聖夜はしかたなく後部座席に乗った。
やがて車は、郊外から見覚えのある街に移動した。だが停まることなく走り続ける。
ドルーという吸血鬼をこの街に残したまま離れられない。自分がいなくなったことを知ったヴァンパイアがおとなしくしているはずがない。
残された無関係の人たちが犠牲になるのは忍びなかった。
そのとき。聖夜の頭にある考えが浮かんだ。
吸血鬼は、血を吸った相手を意のままに操れるという。ダンピールという中途半端な自分でも、それができるだろうか。
なんの確信もない。でも試す価値は充分ある。聖夜は自分の能力を知るためにも、行動に移してみることにした。
「レン――車をそこの公園のそばで停めて」
後部座席から聖夜が話しかけた。ルームミラーを通して、レンの目を見据える。視線があった瞬間、レンの精神を絡め取る。
もっと抵抗されるかと覚悟していた。
だがレンは聞き分けのよい子供のように聖夜に服従し、指示通り車を公園のそばで停めた。
「拘束を解いて」
手首を差し出すとネクタイが解かれ、聖夜は自由になった。
「悪いね。でもぼくは疲れている。もう一度飲ませてもらうよ」
聖夜の中のヴァンパイアが行動を支配する。
レンは抵抗することなく聖夜に従った。一度快楽を覚えたら、そう簡単に忘れられない。意志の強いレンでも、落とすのは簡単だ。
自分のしていることにおぞましさを感じる一方で、本能は容赦なくその感情を打ち砕き、命の糧を取り入れたがる。
目が獣のように光り、牙が伸びる。
聖夜はあごのつけ根に口づけ、流れ出す血を飲み続けた。
道行く人がふりかえり、あわてて視線をそらした。そしてなにかを囁きあう。そんな人々の視線を聖夜は何度も感じていた。
彼らは決して目をあわそうとしない。それでいて絶対に聖夜を無視しない。好奇な視線はいつまでもまとわりつく。
瞳が妖しく光っているのか。口元から牙が見えているのか。半分は魔物となった身体が、そんなにめずらしいのか。
いやちがう。外見はなんら変化がない。
だが人たちは異質の影を感じている。生きるための本能が、聖夜の中に生まれた魔性に気づき、恐れている。
昼の世界に生きるものを守るために排除されるべき存在。
そう、自分はここにいられない。人々を脅威にさらす魔物なのだから。
行くあてのないままどこをどう歩いたのだろう。気づいたとき聖夜は、自分が産まれた産院の前に立っていた。
十八年前のクリスマス・イヴの日、聖夜はこの世に生をうけた。そして今日、誕生日を目前にして、人間の世界に別れを告げた。
父に嘘をついてしまった。自分の意志でなかったとはいえ、結果的に同じことだ。
美奈子が見せた最期の表情が、聖夜の胸をしめつける。夜の住人になったことを喜んでいたわけではない。解放されたことに感謝して、この世を去った。
そんな世界に行きたくなかった。
だがすでに自分は夜の住人だ。いつ襲ってくるかわからない飢えは、否応なく自分を吸血鬼にするだろう。そんな爆弾をかかえた自分が、身近な人々を傷つけないで生きていけるのか。
いや。それ以前に、生きていてもいいのだろうか。
地面に視線を落としていると、雪が舞い降りてきた。無意識のうちに見上げると、産院の窓が目に入る。明かりの灯された病室に、母の幻を見たような気がした。じっと見つめていたら、雪が目の中におち、視界が霞んだ。
聖夜は、産院の向こう側に建っている教会に気がついた。今の自分はここに立ち入ることができるのだろうか。
開かれた門の前に立ち、中の建物を見上げる。屋根につけられた十字架が、今の聖夜を冷たく見降ろす。
思わず首にかけた十字架にふれた。手にも胸元にもなにひとつ傷がない。少なくとも拒否されているわけではなさそうだ。
聖夜は思い切って一歩踏み入れる。
あっけないほどに、なにも起こらなかった。そのまま建物まで歩き、扉を開ける。
ステンドグラスで彩られた光が、聖夜に降りそそいだ。正面には磔にされたキリスト像。聖母マリアの慈悲深い表情は、写真でしか知らなかった母の姿を連想させる。神々しいものたちは、ダンピールでも拒否することなく受け入れてくれる。
聖夜の心に、わずかな安らぎと平穏が生まれた。
礼拝堂では神父がひとりの人物と話している。
なんという偶然だろう。そこにいたのは父だ。訪問者に気づき、ふたりがふりむく。
聖夜を見ると同時に、月島の表情がくもった。息子の身に起こったことを一目で理解したようだ。
「そうか、おまえはもう……」
月島の目に深い悲しみの色がにじむ。
——約束を守れなくてごめん。
そう謝りたかった。
だが言葉は胸に詰まって出てこない。どうしても返事のできない聖夜は、父から目をそらし、代わりに神父を見る。
神父もまた聖夜をじっと見つめていた。なにかを思い出そうとするように、あごに手をあてて考え込んでいる。やがて手を下ろして神父がつぶやいた。
「そうですか。きみがあのときのお子さんですか」
神父の言葉で聖夜は、今いる場所こそが、母が昔助けを求めた教会だと気づいた。
神父は聖夜のそばに歩み寄る。
「そして、ダンピール。話に聞いたことがありますが、実際に会うのは初めてです」
「神父さまはそのことについて、なにかご存じなんですか?」
聖夜に問いかけられ、神父は一瞬こまった表情を見せた。なにも答えず、月島に視線を移す。
「お願いです。ぼくは今の自分が何者なのか解らないのです。ご存知なら教えてください」
再度の問いかけに、神父と月島は顔を見あわせ、互いにうなずきあう。
「わかりました。お話ししましょう」
神父は正面のキリスト像を見上げながら答えた。
「きみは、吸血鬼を倒すことのできる、数少ない存在なのです」
* * *
日光は負担だった。
だが伝説の吸血鬼とちがい、聖夜の身体は散らなかった。
「意外だったか?」
首筋の傷を抑えながら、レンはゆっくりと立ち上がった。
「ダンピールには人間の血が残っている。だから太陽の下でも生きていける。ただし慣れるまでは負担になるし、普通の人間より日光には弱いのだよ」
レンは忌々しいものを見るような目で、陽射しの中で身体をこわばらせている聖夜を睨みつけた。
「それにしても……」
レンは傷口から手を離し、手のひらについた自分の血を見つめ、自虐的に片方の口角を上げた。
「血を吸われるとはこういう感覚だったのか。なかなか甘美なものだ。執着する人間たちが多いのも理解できる。強力なドラッグだ。ダンピールとはいえ、油断ならないということだな」
レンは動きをなくした聖夜の腕をつかみ、両手首を自分のネクタイで縛った。
「妙な行動などしなければ、拘束する必要もなかったのにな」
ふらつく聖夜を無理やり立たせ、部屋をあとにする。
「ドルーに貰うものとは、おまえのことだよ。月島聖夜」
あれほど聖夜に執着していたドルーが、これを承知しているとは思えない。つまりこれは、彼の預かり知らぬことなのだろう。
「……なぜぼくを……つれて、いくんだ?」
「説明している時間はない。さっさとわたしの車に乗るんだ」
葉月をおいていきたくなかった。
だが、陽射しでダメージを受けた身体は、思うように動かない。聖夜はしかたなく後部座席に乗った。
やがて車は、郊外から見覚えのある街に移動した。だが停まることなく走り続ける。
ドルーという吸血鬼をこの街に残したまま離れられない。自分がいなくなったことを知ったヴァンパイアがおとなしくしているはずがない。
残された無関係の人たちが犠牲になるのは忍びなかった。
そのとき。聖夜の頭にある考えが浮かんだ。
吸血鬼は、血を吸った相手を意のままに操れるという。ダンピールという中途半端な自分でも、それができるだろうか。
なんの確信もない。でも試す価値は充分ある。聖夜は自分の能力を知るためにも、行動に移してみることにした。
「レン――車をそこの公園のそばで停めて」
後部座席から聖夜が話しかけた。ルームミラーを通して、レンの目を見据える。視線があった瞬間、レンの精神を絡め取る。
もっと抵抗されるかと覚悟していた。
だがレンは聞き分けのよい子供のように聖夜に服従し、指示通り車を公園のそばで停めた。
「拘束を解いて」
手首を差し出すとネクタイが解かれ、聖夜は自由になった。
「悪いね。でもぼくは疲れている。もう一度飲ませてもらうよ」
聖夜の中のヴァンパイアが行動を支配する。
レンは抵抗することなく聖夜に従った。一度快楽を覚えたら、そう簡単に忘れられない。意志の強いレンでも、落とすのは簡単だ。
自分のしていることにおぞましさを感じる一方で、本能は容赦なくその感情を打ち砕き、命の糧を取り入れたがる。
目が獣のように光り、牙が伸びる。
聖夜はあごのつけ根に口づけ、流れ出す血を飲み続けた。
道行く人がふりかえり、あわてて視線をそらした。そしてなにかを囁きあう。そんな人々の視線を聖夜は何度も感じていた。
彼らは決して目をあわそうとしない。それでいて絶対に聖夜を無視しない。好奇な視線はいつまでもまとわりつく。
瞳が妖しく光っているのか。口元から牙が見えているのか。半分は魔物となった身体が、そんなにめずらしいのか。
いやちがう。外見はなんら変化がない。
だが人たちは異質の影を感じている。生きるための本能が、聖夜の中に生まれた魔性に気づき、恐れている。
昼の世界に生きるものを守るために排除されるべき存在。
そう、自分はここにいられない。人々を脅威にさらす魔物なのだから。
行くあてのないままどこをどう歩いたのだろう。気づいたとき聖夜は、自分が産まれた産院の前に立っていた。
十八年前のクリスマス・イヴの日、聖夜はこの世に生をうけた。そして今日、誕生日を目前にして、人間の世界に別れを告げた。
父に嘘をついてしまった。自分の意志でなかったとはいえ、結果的に同じことだ。
美奈子が見せた最期の表情が、聖夜の胸をしめつける。夜の住人になったことを喜んでいたわけではない。解放されたことに感謝して、この世を去った。
そんな世界に行きたくなかった。
だがすでに自分は夜の住人だ。いつ襲ってくるかわからない飢えは、否応なく自分を吸血鬼にするだろう。そんな爆弾をかかえた自分が、身近な人々を傷つけないで生きていけるのか。
いや。それ以前に、生きていてもいいのだろうか。
地面に視線を落としていると、雪が舞い降りてきた。無意識のうちに見上げると、産院の窓が目に入る。明かりの灯された病室に、母の幻を見たような気がした。じっと見つめていたら、雪が目の中におち、視界が霞んだ。
聖夜は、産院の向こう側に建っている教会に気がついた。今の自分はここに立ち入ることができるのだろうか。
開かれた門の前に立ち、中の建物を見上げる。屋根につけられた十字架が、今の聖夜を冷たく見降ろす。
思わず首にかけた十字架にふれた。手にも胸元にもなにひとつ傷がない。少なくとも拒否されているわけではなさそうだ。
聖夜は思い切って一歩踏み入れる。
あっけないほどに、なにも起こらなかった。そのまま建物まで歩き、扉を開ける。
ステンドグラスで彩られた光が、聖夜に降りそそいだ。正面には磔にされたキリスト像。聖母マリアの慈悲深い表情は、写真でしか知らなかった母の姿を連想させる。神々しいものたちは、ダンピールでも拒否することなく受け入れてくれる。
聖夜の心に、わずかな安らぎと平穏が生まれた。
礼拝堂では神父がひとりの人物と話している。
なんという偶然だろう。そこにいたのは父だ。訪問者に気づき、ふたりがふりむく。
聖夜を見ると同時に、月島の表情がくもった。息子の身に起こったことを一目で理解したようだ。
「そうか、おまえはもう……」
月島の目に深い悲しみの色がにじむ。
——約束を守れなくてごめん。
そう謝りたかった。
だが言葉は胸に詰まって出てこない。どうしても返事のできない聖夜は、父から目をそらし、代わりに神父を見る。
神父もまた聖夜をじっと見つめていた。なにかを思い出そうとするように、あごに手をあてて考え込んでいる。やがて手を下ろして神父がつぶやいた。
「そうですか。きみがあのときのお子さんですか」
神父の言葉で聖夜は、今いる場所こそが、母が昔助けを求めた教会だと気づいた。
神父は聖夜のそばに歩み寄る。
「そして、ダンピール。話に聞いたことがありますが、実際に会うのは初めてです」
「神父さまはそのことについて、なにかご存じなんですか?」
聖夜に問いかけられ、神父は一瞬こまった表情を見せた。なにも答えず、月島に視線を移す。
「お願いです。ぼくは今の自分が何者なのか解らないのです。ご存知なら教えてください」
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