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第三章 時空捜査クラブのメンバー
第16話
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その日の放課後、大祇はまりなを自宅に招いた。招いたといっても、三件隣に住んでいるから、ちょっとふらっと部屋に来てもらった感じだ。
まりなの家族とは、幼稚園時代からの付き合いで、一緒に家族でキャンプに行ったりもしている。学校を風邪で休んだ時も、授業がわからなくならないように元気になったら、お互いの家に行って勉強を教え合ったりもしている。
まりなは、慣れた手つきでキッチンからお手拭きと、皿にのせたクッキーを持って階段を上がってきた。
大祇は、慌てて小さい折りたたみのテーブルを用意する。
「急に大事な話があるって言うから、着替えたら走ってきちゃったわ。そのせいで、クッキー割れてしまったけど、許してね」
まりなは、テーブルの上にお皿を置くなり、上目遣いで両手の手のひらを合わせて謝ってくる。
「気にしなくていいよ。急に呼び出して悪かったね。別に家族に何かあったとかじゃないから安心してよ」
そう言うと、大祇はまりなに炭酸水の入ったグラスを手渡す。
「あ~、いつ飲んでもこの炭酸水は刺激的で美味しいわね」
「うん、俺もお風呂上りとか、飲むと最高だなって思うよ」
二人とも一息ついたところで、大祇はマシューから教えてもらったこと、制服のボタンに被せられている刀文様の意味、それを第二理科室でどのように使っているのか、マシューと一緒に訪れた大江山の景色、鬼かもしれない声が聞こえたこと。大祇が見て、感じたことを全てまりなに話した。大祇が、話終えるまで、まりなは口を挟むことなく静かに話終わるまで聞いていてくれる。彼女はとても聞き上手なのだ。
全て話終えてから、大祇は、まりなの正面に背筋を伸ばして座り直し、自分の考えをまりなに伝える。
「俺さ、マシューの手伝いがもっとしたいんだ。出来ることなら、危険だってわかっているけれど、鬼の力を削ぎ落すところまでマシューが一人で抱え込まないように協力したいんだ。でも、俺だって、怪我をするかもしれない。時空の中で命を落とすかもしれない。でも、まりなにだけは、俺の存在を記憶しておいて欲しいんだ。だから刀文様を持っておいてくれないかな」
大祇は、まりなの心の中にはいたいと願うけれど、そんな重い気持ちを押し付けてもいいのかとも悩んでしまう。
でも、大祇の心配をよそにまりなは、あっさりと承諾してくれる。
「わかった。いいわよ。でも、私も時空捜査クラブの部員になるからには、私もしっかり協力させてもらうわ。やるなら三人で取り組みましょう」
大祇は、まりなのこういう前向きで、自分の信念に基づいて行動するところを好ましく思っていたんだなと、改めて感じる。大祇の背中をサラッと押してくれるだけでなく、一緒に取り組もうと言ってくれることで、大祇の心はずいぶん軽くなった気がする。
「ありがとう、まりな。そう言ってもらえて嬉しいよ」
「私も、こんなに貴重な手伝いができるなんて幸せよ。声をかけて誘ってくれたことに感謝だわ。そして、それを許可してくれた、ここにはいないマシューにもね」
まりなの家族とは、幼稚園時代からの付き合いで、一緒に家族でキャンプに行ったりもしている。学校を風邪で休んだ時も、授業がわからなくならないように元気になったら、お互いの家に行って勉強を教え合ったりもしている。
まりなは、慣れた手つきでキッチンからお手拭きと、皿にのせたクッキーを持って階段を上がってきた。
大祇は、慌てて小さい折りたたみのテーブルを用意する。
「急に大事な話があるって言うから、着替えたら走ってきちゃったわ。そのせいで、クッキー割れてしまったけど、許してね」
まりなは、テーブルの上にお皿を置くなり、上目遣いで両手の手のひらを合わせて謝ってくる。
「気にしなくていいよ。急に呼び出して悪かったね。別に家族に何かあったとかじゃないから安心してよ」
そう言うと、大祇はまりなに炭酸水の入ったグラスを手渡す。
「あ~、いつ飲んでもこの炭酸水は刺激的で美味しいわね」
「うん、俺もお風呂上りとか、飲むと最高だなって思うよ」
二人とも一息ついたところで、大祇はマシューから教えてもらったこと、制服のボタンに被せられている刀文様の意味、それを第二理科室でどのように使っているのか、マシューと一緒に訪れた大江山の景色、鬼かもしれない声が聞こえたこと。大祇が見て、感じたことを全てまりなに話した。大祇が、話終えるまで、まりなは口を挟むことなく静かに話終わるまで聞いていてくれる。彼女はとても聞き上手なのだ。
全て話終えてから、大祇は、まりなの正面に背筋を伸ばして座り直し、自分の考えをまりなに伝える。
「俺さ、マシューの手伝いがもっとしたいんだ。出来ることなら、危険だってわかっているけれど、鬼の力を削ぎ落すところまでマシューが一人で抱え込まないように協力したいんだ。でも、俺だって、怪我をするかもしれない。時空の中で命を落とすかもしれない。でも、まりなにだけは、俺の存在を記憶しておいて欲しいんだ。だから刀文様を持っておいてくれないかな」
大祇は、まりなの心の中にはいたいと願うけれど、そんな重い気持ちを押し付けてもいいのかとも悩んでしまう。
でも、大祇の心配をよそにまりなは、あっさりと承諾してくれる。
「わかった。いいわよ。でも、私も時空捜査クラブの部員になるからには、私もしっかり協力させてもらうわ。やるなら三人で取り組みましょう」
大祇は、まりなのこういう前向きで、自分の信念に基づいて行動するところを好ましく思っていたんだなと、改めて感じる。大祇の背中をサラッと押してくれるだけでなく、一緒に取り組もうと言ってくれることで、大祇の心はずいぶん軽くなった気がする。
「ありがとう、まりな。そう言ってもらえて嬉しいよ」
「私も、こんなに貴重な手伝いができるなんて幸せよ。声をかけて誘ってくれたことに感謝だわ。そして、それを許可してくれた、ここにはいないマシューにもね」
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