外れ職業の旅芸人(LV.15)だったけれど、呪いの装備を使いこなせるチートに目覚めました

寿司

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幼馴染たちとパーティーを組んだものの…

第3話 三角関係勃発!?

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「よぉ、おはよう」

 起きてきた誰かに声を掛けられ、僕らはぱっと離れる。
 声の方に顔を向けると、アスベルだった。

 綺麗な金髪に整ったマスク。うん、悔しいがイケメンだ。
 朝起きたばかりでこんなにイケメンなんて中々いないんじゃないだろうか?
 眠そうに欠伸を一つした彼は僕らの様子をしばし眺めると、いたずらっぽくにやーと笑みを浮かべた。

「おいおい何だよ! 朝から二人で! 何かあったのか? 」

「何もないわよ! アスベルは黙ってて! 」

「ん~? 怪しいな~」

 バシバシとアスベルに肩を叩かれ、ちょっと痛い。
 ユキナは顔を真っ赤にしたまま俯いて黙ってしまった。

「ま、良いけど。そうだ! 今日のダンジョン探索は俺とユキナとノア、三人で行くことにした」

「え? 僕も? 」

 ああ、とアスベルが爽やかに笑う。彼のこんな表情を見たのは何年ぶりだろうか。

「たまにはノアのレベル上げもしないといけないしな。それにたまには幼馴染三人でってのも良いもんだろ? 」

「楽しそうね! 」

 ユキナが心底嬉しそうに笑う。その笑顔一つで、僕は嬉しくなってしまい、俄然やる気になってしまう。悲しいかな、男というのは単純な生き物なのである。

 じゃあ一時間後出発な、というアスベルの指示を胸に、僕はこれまた数年ぶりのダンジョン探索の為の準備を始めたのである。

◇◇◇

「へ~、二人はいつもこんなレベルの高いダンジョン潜ってるのか」

 僕らが足を運んでいるダンジョンはレベルの高い冒険者しか行くことが許されない『竜の墓場』。ギルドが厳重に管理し、並みの冒険者では近づくことすら許されない。しかし、これだけ厳重に管理されているには何か理由があり、その一説としては伝説の武器が眠っているのではという噂が巷では出回っていた。

 墓場といっても見た目は神殿のような場所だった。つるつるとした大理石で出来たそこは、思わず見惚れてしまうほど美しい。なるほど、ここなら伝説の武器が眠っていてもおかしくはないかもしれない。

「ああ、でもこの辺りの敵も張り合いがなくなってきたな~」

「ここもだいぶ探索は終わったしね~、あれっ? ノアが最後に潜ったダンジョンってどこだったっけ? 」

 ユキナが不意に僕に問いかける。えっと、正直に話すのは少し恥ずかしいのだが……。

「覚えてないや」

「はじまりの森だぞ。あのときは仲間も少なかったし、ノアの回復魔法にはだいぶ助けられたな」

「え!? はじまりの森ってあの村から出てすぐの所にあるスライムしか出ないところ? そんな前からノアと一緒に戦ってなかったんだ私……」

 アスベルばらすなよ! と心の中で毒付く僕。ユキナの同情心に満ちた目が心に刺さる。

「そ、そんなことはいいけどさ、レベル上げするんでしょ? ほら戦おうよ! 」

 何とか話題を変えようと必死に言葉を紡ぐと、

「ああ、そうだな」

 アスベルはその言葉を待ってましたとばかりににやりと笑うと、ユキナの肩を掴み、魔法を唱え始めた。二人を青白い光が包み始めるのが分かった。人並みに魔法を勉強したから分かる。これは、転送魔法!? 

「ちょっとアスベル! 何するのよ! 」

 ユキナが眉を吊り上がらせて怒っているのが分かる。

「だから、ノアのレベル上げだよ。俺たち先に最深部まで行ってるからさ、何とか一人で頑張れよ~」

 がんば! という言葉を残し、二人の姿は消えてしまった。

 後に残された僕は、ただ茫然と二人のいた虚空が眺めていた。嘘だろ……? 本当に二人とも先に行ってしまったのか!?

 レベル15の旅芸人ノア、推奨レベル45のダンジョンに一人取り残されてしまった。あるのは呪いの装備と、わずかばかりの回復アイテム。そしてそして、ダンジョンに潜るのは数年ぶり。

 大丈夫かなこれ……? 死ぬんじゃないか僕?

 引き返そうと後ろを振り返ったが、ここに来るまでも迷路のように入り組んでいて、どう来たのかよく覚えていない。もうこれは二人と合流するために進むしかなさそうだ。

 よく耳を澄ませると、魔物たちのものだろうか? 何かの唸り声がグルルルと聞こえてきた。嫌な汗が背中を伝う。

 が、ユキナにカッコいいところを見せたい一心で、僕はダンジョンの奥へと足を進めていった。

 火事場の馬鹿力というのは案外馬鹿に出来ないものである。
 
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