20 / 50
闘技大会の街 コロセウム
第20話 VSイケメン魔法使い
しおりを挟む
二回戦はマリウスという王子様のような容姿をした魔法使いだった。彼もこの大会の優勝筆頭らしく、根強いファンがいるようだ。
彼が客席に向かって手を振ると女の子たちの黄色い歓声があがった。
「さぁお待ちかねの第2回戦は、美しき魔法使いマリウス選手!!! 今回の大会の優勝候補の一人です! 」
きゃ~~~!!!!と一層歓声が強くなった。
「対するは、今回初参加ながら期待の新人、謎の剣士リヒト選手です! 」
しーーーーーん………。
悲しいぐらいの無音だ。ただよく耳を済ませるとリオンとマリウスをよく思わない男性陣からパラパラと拍手が返ってきた。
マリウスファンからの視線が怖い……。
「さぁ今回は魔法使い対剣士という面白い戦いです! 剣士のリヒト選手には少々分が悪いか? 開戦です! 」
ゴーーーンというゴングの音を合図に僕たちは距離を取る。
魔法使いVS剣士なんて明らかに剣士の方が分が悪い……。
まあそもそも僕は剣士ですらないただの旅芸人なのだけれども。
「ふふ、そっちから来ないなら僕から行かせて貰おう。来たれ! 火炎球! 」
マリウスの手から無数の火の玉が飛び出して来た。これほどの数の火の玉を同時に打ち出せるなんて彼は相当の使い手らしい。
しかし一つ一つのスピードはゆっくりなので避けるのは容易い。
「リヒト選手、見事にマリウス選手の魔法を避けていく! 素晴らしい身のこなしだ!! 」
僕は少しずつマリウスに距離を詰めていく。魔法を唱えられる前に場外に出してしまえば僕の勝ちだ。
「ふん、そう簡単には近付かせないよ! 灼熱の疾風! 」
吹き荒れる炎の嵐が僕に向かって線上に向かう。何とか上に飛び逃げる僕だったが……。
「甘い!! 」
マリウスが右手をクッと上に向けると、それに呼応するように炎の嵐も上に延び上がる。
しまった避けられない!!
まともに彼の魔法を食らった僕は炎に包まれた。
「おおっとーー!? これは直撃か……!? リヒト選手の安否はいかに!? 」
「司会者さん早く救護班を呼んできてくれ、僕の魔法をまともに食らって無傷でいられた人間なんていないよ」
マリウスが気取った笑みを浮かべる。
しかしマリウスの予想は外れていた。
今ここに、彼の魔法が直撃しても無事な人間がいることを。
「うわ、ちょっと髪の毛燃えた!! 」
……防御力が上がっているとはいえ髪の毛は仕方ないか。
炎の壁を切り裂いた僕はマリウスに向かって飛び出した。
いきなりの出来事で面を食らった彼に魔法を唱える時間はない。
しかし、見えない壁のようなものに剣が弾かれるのを感じた。
おそらくこれは魔法?
頭の良いマリウスのことだ。万が一接近されることを見越して、あらかじめバリアのようなものを唱えていたのだろう。
「ば、馬鹿な!? 魔法が当たらなかったのか!? 」
「いや当たったさ! ただ効かなかっただけだ」
危ない危ない、怨嗟の鎧がなければ消し炭になっていたかもしれない。
「まさかそんな人間がこの世にいるとは……だが甘い。物理防御壁の効果で物理攻撃は私には効かない!」
そのときバリバリという何かが割れるような音と共に、僕の降り下ろした剣が見えない壁を切り裂こうとしていた。
「な、な、な、なんで!? 魔法を打ち破ろうとしてる!? 」
目玉が溢れんばかりに目を見開くマリウス。慌てて魔法を唱えようとするが遅い!
「貰った! 」
僕が放った剣技は彼の体を吹き飛ばし、場外へと追いやったのだった。
彼が客席に向かって手を振ると女の子たちの黄色い歓声があがった。
「さぁお待ちかねの第2回戦は、美しき魔法使いマリウス選手!!! 今回の大会の優勝候補の一人です! 」
きゃ~~~!!!!と一層歓声が強くなった。
「対するは、今回初参加ながら期待の新人、謎の剣士リヒト選手です! 」
しーーーーーん………。
悲しいぐらいの無音だ。ただよく耳を済ませるとリオンとマリウスをよく思わない男性陣からパラパラと拍手が返ってきた。
マリウスファンからの視線が怖い……。
「さぁ今回は魔法使い対剣士という面白い戦いです! 剣士のリヒト選手には少々分が悪いか? 開戦です! 」
ゴーーーンというゴングの音を合図に僕たちは距離を取る。
魔法使いVS剣士なんて明らかに剣士の方が分が悪い……。
まあそもそも僕は剣士ですらないただの旅芸人なのだけれども。
「ふふ、そっちから来ないなら僕から行かせて貰おう。来たれ! 火炎球! 」
マリウスの手から無数の火の玉が飛び出して来た。これほどの数の火の玉を同時に打ち出せるなんて彼は相当の使い手らしい。
しかし一つ一つのスピードはゆっくりなので避けるのは容易い。
「リヒト選手、見事にマリウス選手の魔法を避けていく! 素晴らしい身のこなしだ!! 」
僕は少しずつマリウスに距離を詰めていく。魔法を唱えられる前に場外に出してしまえば僕の勝ちだ。
「ふん、そう簡単には近付かせないよ! 灼熱の疾風! 」
吹き荒れる炎の嵐が僕に向かって線上に向かう。何とか上に飛び逃げる僕だったが……。
「甘い!! 」
マリウスが右手をクッと上に向けると、それに呼応するように炎の嵐も上に延び上がる。
しまった避けられない!!
まともに彼の魔法を食らった僕は炎に包まれた。
「おおっとーー!? これは直撃か……!? リヒト選手の安否はいかに!? 」
「司会者さん早く救護班を呼んできてくれ、僕の魔法をまともに食らって無傷でいられた人間なんていないよ」
マリウスが気取った笑みを浮かべる。
しかしマリウスの予想は外れていた。
今ここに、彼の魔法が直撃しても無事な人間がいることを。
「うわ、ちょっと髪の毛燃えた!! 」
……防御力が上がっているとはいえ髪の毛は仕方ないか。
炎の壁を切り裂いた僕はマリウスに向かって飛び出した。
いきなりの出来事で面を食らった彼に魔法を唱える時間はない。
しかし、見えない壁のようなものに剣が弾かれるのを感じた。
おそらくこれは魔法?
頭の良いマリウスのことだ。万が一接近されることを見越して、あらかじめバリアのようなものを唱えていたのだろう。
「ば、馬鹿な!? 魔法が当たらなかったのか!? 」
「いや当たったさ! ただ効かなかっただけだ」
危ない危ない、怨嗟の鎧がなければ消し炭になっていたかもしれない。
「まさかそんな人間がこの世にいるとは……だが甘い。物理防御壁の効果で物理攻撃は私には効かない!」
そのときバリバリという何かが割れるような音と共に、僕の降り下ろした剣が見えない壁を切り裂こうとしていた。
「な、な、な、なんで!? 魔法を打ち破ろうとしてる!? 」
目玉が溢れんばかりに目を見開くマリウス。慌てて魔法を唱えようとするが遅い!
「貰った! 」
僕が放った剣技は彼の体を吹き飛ばし、場外へと追いやったのだった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
1,692
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる