外れ職業の旅芸人(LV.15)だったけれど、呪いの装備を使いこなせるチートに目覚めました

寿司

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ようこそアンフェルサーカス団へ

第42話 クロエの相談

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 団長さんの部屋に案内された僕はその豪華さに驚いた。
 テントの中とは思えないほどの豪華絢爛な家具が並び、その広さも群を抜いている。

「あまりジロジロ見られると恥ずかしいな」

 そうクロエに笑われ、僕は慌てて謝る。

「すいません、つい」

「まあ構わないさ、さあどこでも座ってくれ」

 では失礼します、と僕は近くに会ったソファに座る。
 そしてクロエが指をぱちんと鳴らすと、ぽんと僕の目の前に紅茶が置かれた。

「どうぞ」

「あ、ありがとうございます」

 一口紅茶を口に含む。うん、多少苦味があるが良い香りがする。

「私は遠回りした話は苦手だ。短刀直入に言おう。リオンちゃんを私たちに預ける気はないか? 」

「リオンを!? 」

 僕は思わず口に含んでいた紅茶を噴き出してしまいそうになった。

「ああ。君も気が付いているだろう。あの娘は希少種である竜族だ」

「ええ……」

 つい最近まで獣人だと思っていましただなんて口が裂けても言えない。

「あの目を奪われるような美しさ、そして子どもながらどこか重圧を纏っている。私は初めて見たとき震えたよ、これが竜族なのかとね」

 クロエは心底楽しそうに笑みを浮かべている。しかし僕はそんな彼女に言葉にできないような違和感を感じていた。

「でも、彼女は記憶がなくて……」

「記憶がない!? 」

 好都合じゃないかとでも言いたげにクロエは目を見開く。

「はい、でも僅かな手がかりである海が見える場所を目指しているんです」

「それならば私たちはサーカス団ということから様々な街を巡っている。そうしたらリオンちゃんの親に関する情報も手に入れやすいと思うがね」

「しかし……」

「リオンちゃんとの出会いは? 」

「倒れている彼女をたまたま助けてから行動を共にしているんです」

 ふむ、とクロエは自分の顎を撫でる。

「そしたら君たちは血が繋がっている兄妹という訳ではないんだろう? 」

「ええ、まあ……」

 良いか、ノアくん。とクロエは途端に神妙な顔つきでこう言った。

「君たちにも事情があるとは思うが、君たちは罪人だ。そんな環境がリオンちゃんの為になるだろうか? 」

「……」

 返す言葉もない。クロエの言うことは紛うことなく正論だと思う。

 僕といることがリオンの為にはならない?

 リオンは僕といると不幸に巻き込まれるのはないだろうか?

 確かに今までも、僕に巻き込まれて魔物に襲われたり捕まったりと散々な目に合わせてしまった。
 僕は彼女を守っているつもりだったが、逆に彼女を危険な目にあわせていた……?

「私は約束しよう。リオンちゃんに何不自由ない生活を送らせ、必ず親元に届けると」

 しかし不安な気持ちは僕の胸から離れない。
 確かにクロエの言っていることは最もだ。しかし彼女には何かがある、そんな予感がしていた。

「ふむ……、まあすぐに返事が出来ないのは当たり前だな。そうだ、本筋とは逸れてしまうが君に良く懐いている双子の兄妹の話をしようか」

 そしてクロエはあの兄妹の話をし始めた。
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