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第3話 大都会(?)に到着
しおりを挟む「ふふ、お金いっぱーい! 」
モンスターを倒しながら進んでいったあたしたちは何やら大きな町へと出た。ここは一先ず目指すように言われた都会で、偉い王様が住んでいるらしい。
なんかその王様に挨拶? するのが目標なんだって。さっきギルから聞いた。
ま、そんなことは置いといて、あたしはお金稼ぎに夢中だった。だってモンスターをしばくだけでお金が手に入るんだよ? これって相当楽じゃない?
しかも光の矢という魔法は結構強い。私は唱えるだけでモンスターを倒してくれるからかなり効率的だ。
一応魔力というのが尽きてしまうと魔法は使えなくなるらしいのだが、このルーナというキャラクター、ヒロインなだけあってたくさんの魔力を持っている。ちょっとやそっと使ったぐらいで魔力切れにはならないようである。
ともあれ、そのお陰で今私の懐は温かくなっていた。
「……ルーナ、変わったな」
そんなあたしをギルは何だか呆れたように見つめる。
「そう? 」
「昔のお前はモンスターも倒せないような優しいやつだっただろ……どうしたんだよ」
「そんなこと言われてもねえ……お金は欲しいし」
お金がなければ欲しいものも買えない! 第一あたしはこのダサい服もさっさと買い換えたいし、髪も切りたいのだ。それにメイクだってしたい!
「そうか……」
ギルは何かを諦めたような顔でふぅとため息をつくとさっさと前を行ってしまった。
「あ、ギル! 」
「しばらく一人にしてくれ。後で宿屋の前で会おう」
「はぁい」
ま、一人の方が好都合かな。
あたしは町中を見渡し、これからどうしようかワクワクしていた。
でも何かギル拗ねてた? あたしが一人でお金稼ぎに夢中だったからだろうか?
◇◇◇
あたしはさっぱり切られた髪の毛の毛先を弄びながら防具屋を見ていた。
ギルと別行動になったあたしは早速髪を切ってしまった。だってこのルーナとかいうキャラクター、腰まで髪の毛があるんだもん! 確かにロングの方が好きだけどそれは長すぎだ。
元の世界にあったお洒落なサロンがないのは不満だが、腕は悪くない。肩にギリギリつくセミロングにして貰ったのだがこのぐらいが一番扱いやすいしアレンジもしやすいだろう。
「次は服だけど……あんまり良いのはないわね」
今のダサダサワンピースをさっさと着替えたいところだけど重そうな鎧とか、地味なローブとかいまいちなものばかり。
そもそもファンタジーなこの世界ではファッションを楽しむという分化はないのかもしらない。
「そうそう、忘れてたけどこのペンダントはなんだろう? 」
バタバタして忘れていたけど、記憶を取り戻したときから首にペンダントがかかっていた。といっても子どもがつけるようなオモチャみたいなもので、なぜあたしはこんなものを着けてたんだっけ?
「お客様、何かお探しですか? 」
気の良さそうなおっちゃんがこちらに近付いてきた。
「うーん、可愛い服やアクセサリーってありませんか? 」
「か、可愛い? 」
おっちゃんは面食らったようにあたしの言葉を繰り返す。
「そうそう、女の人でも着れるような服が良いんだけど……」
これなら元の世界でパーカーとジーンズを組み合わせた方がずっとお洒落だよ……。
「そ、そうですねえ……。この絹のワンピースなんていかがでしょう? 体力のない女性でも着れて動きやすいですよ」
おっちゃんが出してきたのはきなり色をしたワンピース。可愛さなんて欠片もない。そりゃ武骨な鎧よりはマシだけどさ……。せめてリボンぐらい付けようよ……。
「うーん、あんまり可愛くないなぁ……」
そんなとき、店の奥にあった服にあたしは目を奪われた。
「あ、あれは? 」
それは水着のようなデザインをした服だった。しかし豪華な飾りがついており、一際お洒落に見える。おまけに下はベルトがついたキュロットのようなデザインなので動きやすそうだ。
「あれですか?! あれは踊り子が着用するような代物ですよ? 」
「踊り子? ああ、ダンサーのことか。うん、あれで良いや」
確かに露出度は高いけど今の服よりはずっとマシ。ファンタジー世界って極端なんだよねえ。
「毎度ありがとうございます……」
「あとこのイヤリング下さい。あ、この憤怒のネックレスも良いな」
あたしはショーケースに入っていた緑の宝石があしらわれたイヤリングを指差した。
アクセサリーはどれもこれもお洒落なものばかりだ。
それに元の世界よりもずっと安い。
丁度今はスライムを倒してゲットしたたくさんのお金がある。
「うーん、めんどくさいし全部下さい! 」
あたしがそう言うと、おっちゃんはしばらくそこに立ち尽くしていた。
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