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第14話 魔法が使えない!
しおりを挟む一先ずは近くにあるエルフの里を目指すことにしたあたしたち。その道中は再びモンスターが彷徨く森を進んでいかなければならない。
ふふ、でもあたしにとっては都合が良い。
なぜならそろそろお金を稼ぎたいと思っていたからだ。
「ギャウ!!! 」
と奇妙な声をあげて飛び出してきたのは大きなネズミ。
「よーし、やるわよ。光の矢!」
………何も起こらない。
「あ、あれ?! もう一回! 光の矢! 」
……やはり何も起こらない。
「何をやっている」
ルティが呆れたようにこちらを見ている。
「いや魔法が使えなくて……何で!? 」
「……忘れたのか? 」
ぐずぐず悩んでいるあたしをよそに、ルティはさくっとその魔物を倒すと、お金を拾い上げた。
「あ、あたしの!! 」
「貴様、シルシが消えただろう? もう聖女じゃないのだから魔法が使えなくなるのは当たり前だ」
嘘でしょ!?!?!??
あたしの絶叫が森中に響き渡った。
◇◇◇
「魔法が使えないぐらいで何をそうメソメソする必要がある? 」
「メソメソなんてしてないし! 」
とは言ってもやはりショックだ。
簡単にお金を稼げる方法を見つけたと思ったらそれが使えなくなるなんて……。
あたしたちは夜も更けてきたので野宿をすることにした。火をたいて暖を取りながら近くの池で釣った魚を食べる。
「宿に泊まりたいよ~美味しいご飯が食べたいよ~……」
でも魔法が使えないんじゃお金が稼げない。
武器を買って戦えば良いのかもしれないけど、それじゃあバイトしてた方が楽だ。
「そんなに魔法が使いたいなら、方法はなくはないぞ」
「え、ほんと?! 教えて教えて! 」
あたしは思わずルティに向かって身を乗り出す。
すると彼はあたしの唇にそっと触れた。
「我の魔力を貴様に注ぎ込む。そうすれば一時的ではあるが魔法は使えるだろうよ」
「ルティの魔力をあたしに……?! 」
それってどういうこと……?
「元々貴様はアレイスの化身である聖女であったから魔法が使えたのだ。それと同じことで、無理やり我の化身に作り替えるということだな」
「なーるほど……」
よく分からないけど何となくは分かった。多分。
つまりルティの力を借りれば魔法が使えるってことだよね?
「やるのか? やらないのか? 」
「やるやる!!! で、どうすれば良いの! 」
「魔力を体内に注ぎ込むには接触が必要だ。この前貴様は嫌がっていたが、口から注ぎ込むのが一番簡単であろう」
「く、口ぃ?!!?! 」
それってつまりキスしろってこと?!
「別に嫌なら良い」
そう言われると凄く迷う。
でも魔法は使えるようになりたいし、お金を稼がなきゃ今後やっていけないし……。
そもそもルティには人間の男みたいな下心はなさそうだし、別に危険はないだろう。
「分かった……お願い」
そんなこんなであたしは彼に魔力を貰うことに決めたのである。
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