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悪役令嬢、決意する
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「はいはい、私も好きよ」
どーせいつものからかいだろ、と私は軽く流した。しかし少しだけ空気がぴりつく。
「茶化すなよ、俺は本気だ」
「え? 」
ロキの顔が近い。彼の澄んだ瞳を真っ直ぐに見てしまった。
途端に顔が爆発しそうなほど熱くなるのが分かった。
「……何てな」
舌をペロッと出しておどけて見せる彼。ほらやっぱり。
「まったく、何企んでるんだか」
「別に何も企んじゃいないさ、ただ……あ、虫ついてんぞ」
「え、虫!? 待って私、虫だけは無理なんだけど!! 取って」
パニックになる私。何を隠そう、私は前世から虫が大嫌いなのだ。
情けないことに可愛らしい蝶ですらちょっと苦手だ。部屋にゴキブリなんて出た日には大騒ぎしていた。
「目つぶって」
言われた通りにぎゅっと固く目をつぶる私。
そして
「ん!? 」
唇に柔らかい感触。
慌てて目を開くと、近くにはロキの顔が合った。
「だから……!! 」
「キスしたかしてないかは、分かんないだろ? 」
「そうだけども……」
確かに目つぶってて分かんなかった……。指だったのかもしれないし……。
ああもうどうしてこの男は私をこうも弄ぶのだろう。私はこの人には一生勝てそうもない。
しばらくロキを睨み付けていたがわ何だか脱力してしまい私はぷっと噴き出した。
「でもま、今までありがとう。全部貴方のお陰だしね」
「それこの前も聞いたぞ」
まったく、人の気持ちに鈍感なやつだな!
「お礼ぐらい何度も言わせなさいよ」
「はいはい、聞いてあげましょう」
もう! 大事な日の前日なのにどうも調子が狂う。
「だから、ロキのお陰で私はここまでこれたし、本当は1/2を迎えられずに死んでしまう私をさ……」
「待った」
私の唇に指を置くロキ。
「その後は1/2を迎えてから聞かせてくれ」
「ええ……分かったわ」
そうと決まれば絶対に殺されるわけにはいかない。1/2にロキに元気な顔を見せなければ。
じゃあこれ俺からのプレゼント、とロキから手渡されたのはあのトンボの姿をした使い魔。
「こいつはシアタリベレって名前の俺の使い魔だ。あの映像と写真や手紙、音声データ全てをまとめてみた」
「え、ロキも来てくれるんじゃ……」
すると悲しそうな顔をして彼は言った。
「貴族たちの会だろ? "ロキ"はそこに入れない」
「そんな……」
「逆転劇はお前一人で起こすんだ。大丈夫、絶対に上手く行く」
「私に……」
出来るのかな? という言葉が口から出そうになる。
「絶対に大丈夫。それにお前の味方は俺だけじゃない」
ミランにレベッカ。
出会って、一緒に過ごせたのは本当に短い時間だったけれど彼女たちとの出会いは私にとっては宝石よりも大事なものだった。
「イリアは自分が思っているよりも強い。もっと自信を持て」
そうだ。
これ以上ロキに甘えてばかりじゃいられない。自分の命のため、他でもない私が頑張らなければいけないんだ。
「分かったわ。ロキ、私絶対に生きて見せるから」
彼はふんわりとした優しい笑顔でぽんと私の頭を触った。今まで見たことのない表情で、彼もそんな顔が出来るんだと少し驚いた。
すると丁度年越しを告げる鐘が鳴り響く。
「……1/1ね」
「ああ。明けましておめでとう、イリア」
「ええ、明けましておめでとう。ロキ」
こうして私たちは二人で顔を見合わせ、しばらくそうして夜空を見上げていたーー。
どーせいつものからかいだろ、と私は軽く流した。しかし少しだけ空気がぴりつく。
「茶化すなよ、俺は本気だ」
「え? 」
ロキの顔が近い。彼の澄んだ瞳を真っ直ぐに見てしまった。
途端に顔が爆発しそうなほど熱くなるのが分かった。
「……何てな」
舌をペロッと出しておどけて見せる彼。ほらやっぱり。
「まったく、何企んでるんだか」
「別に何も企んじゃいないさ、ただ……あ、虫ついてんぞ」
「え、虫!? 待って私、虫だけは無理なんだけど!! 取って」
パニックになる私。何を隠そう、私は前世から虫が大嫌いなのだ。
情けないことに可愛らしい蝶ですらちょっと苦手だ。部屋にゴキブリなんて出た日には大騒ぎしていた。
「目つぶって」
言われた通りにぎゅっと固く目をつぶる私。
そして
「ん!? 」
唇に柔らかい感触。
慌てて目を開くと、近くにはロキの顔が合った。
「だから……!! 」
「キスしたかしてないかは、分かんないだろ? 」
「そうだけども……」
確かに目つぶってて分かんなかった……。指だったのかもしれないし……。
ああもうどうしてこの男は私をこうも弄ぶのだろう。私はこの人には一生勝てそうもない。
しばらくロキを睨み付けていたがわ何だか脱力してしまい私はぷっと噴き出した。
「でもま、今までありがとう。全部貴方のお陰だしね」
「それこの前も聞いたぞ」
まったく、人の気持ちに鈍感なやつだな!
「お礼ぐらい何度も言わせなさいよ」
「はいはい、聞いてあげましょう」
もう! 大事な日の前日なのにどうも調子が狂う。
「だから、ロキのお陰で私はここまでこれたし、本当は1/2を迎えられずに死んでしまう私をさ……」
「待った」
私の唇に指を置くロキ。
「その後は1/2を迎えてから聞かせてくれ」
「ええ……分かったわ」
そうと決まれば絶対に殺されるわけにはいかない。1/2にロキに元気な顔を見せなければ。
じゃあこれ俺からのプレゼント、とロキから手渡されたのはあのトンボの姿をした使い魔。
「こいつはシアタリベレって名前の俺の使い魔だ。あの映像と写真や手紙、音声データ全てをまとめてみた」
「え、ロキも来てくれるんじゃ……」
すると悲しそうな顔をして彼は言った。
「貴族たちの会だろ? "ロキ"はそこに入れない」
「そんな……」
「逆転劇はお前一人で起こすんだ。大丈夫、絶対に上手く行く」
「私に……」
出来るのかな? という言葉が口から出そうになる。
「絶対に大丈夫。それにお前の味方は俺だけじゃない」
ミランにレベッカ。
出会って、一緒に過ごせたのは本当に短い時間だったけれど彼女たちとの出会いは私にとっては宝石よりも大事なものだった。
「イリアは自分が思っているよりも強い。もっと自信を持て」
そうだ。
これ以上ロキに甘えてばかりじゃいられない。自分の命のため、他でもない私が頑張らなければいけないんだ。
「分かったわ。ロキ、私絶対に生きて見せるから」
彼はふんわりとした優しい笑顔でぽんと私の頭を触った。今まで見たことのない表情で、彼もそんな顔が出来るんだと少し驚いた。
すると丁度年越しを告げる鐘が鳴り響く。
「……1/1ね」
「ああ。明けましておめでとう、イリア」
「ええ、明けましておめでとう。ロキ」
こうして私たちは二人で顔を見合わせ、しばらくそうして夜空を見上げていたーー。
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