凌辱カキコ

島村春穂

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凋落

四/六

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 よく言えば男性フェロモン。現実味にはあのイカ臭い匂いに、多馬田臨床検査技師はまるで酔っ払ったように遠く目を細める。触るだけでは飽き足らないようで、やがて肉幹に頬ずり、鼻頭に擦りつけもし、くんくんと有難がって鼻を鳴らす有様だ。媚態がらみの吐息が弾み、「はあっはあっ……」と絶え間なく肉冠に吐きかかる。


 中腰で屈み、突き出たでか尻が物欲しそうにくねりだした。「はあはあ言ってぇ、限界なんだろ」と、上から見下され、振るえる喉でやっと応える多馬田臨床検査技師に、「だったら、お願いしなきゃ」と蒼甫が得意になる。


「……舐めてもいいですか…っ……」
 と哀願する多馬田臨床検査技師は、「それが限界?」と、ここでおあずけされるや、唇を甘酸っぱく尖らせて甘え、その甘えた表情はじきに泣き顔へと変わり、およそ辛抱たまらずといった具合であろうか、でか尻をさっきよりもあざとく振り立てて物乞いを始めた。


「ほんと可愛いぜぇ、お前ぇ」
 よしよしと頭を撫でられると、あのでか尻が不律動にビクビクっとなる。


「……しゃぶらせてくださいっ」
 そうせがむとほぼ同時に「ああっ…ッ……」と絡ませる吐息。ほとんど切羽詰まった表情で下から全幅の信頼を寄せて見つめてくる。もうひたすらにただ一点に蒼甫だけを拝んでいる。これをとくと上から見下ろし、ほくそ笑む蒼甫。とおもむろに、多馬田臨床検査技師の髪を大ざっぱに束ね、肉冠に手繰る。てっきり、しゃぶれ、とか、よし、とか言われるものと多馬田臨床検査技師は思っていたのかもしれない。現実には、サプライズでいきなり咥えこまされた肉冠に咽りながら、だらだらと涎れを垂れて悦んだ。


 イケる口だと踏んだ蒼甫が、腰を使いだす。遠慮なしだ。それでも殊勝にも一心に肉冠を咥え込んで離さない。めいいっぱいに頬辺を凹ます。あの多馬田臨床検査技師が莫逆の奴と化す。


「……おおっ、いいっ、包みこまれるぜ」
 と蒼甫をさぞ悦ばせた。こきゅッ、こきゅッ、と小気味よい涎れが喉奥で鳴る。次第に肉幹へと溜まった涎れが糸を引きずってベッドや床に垂れ落ちていく。多馬田臨床検査技師は、もうすっかり女の顔で肉径を咥えながら、ずうっと蒼甫を拝み、崇めている。蒼甫が、咽頭深く突いても拝み続ける。従順なのはなにも口ま×こばかりではない。白衣からしょんべんを垂れ流しまくり、蒼甫をとことん狂気させた。


「ヨシヨシ」
 と蒼甫が、多馬田臨床検査技師のおでこを押し退ける。


「……時間が…っ……」
 と呟く多馬田臨床検査技師が言い掛けた後の言葉をきつく遮って、「だったら、早く逝かせろ」と蒼甫が言い、白衣姿を後ろ向きにさせた。


「ああっ…ッ…口でするから許してぇ…ッ……」
 と慌てふためき、多馬田臨床検査技師がさすがに拒む。


 蒼甫はこれを相手にせず、白衣を乱雑に弄り、そのままずり下ろす。白いパンティに手を掛けると、「やめてぇ…っ…お願いよぉ……」と後ろ手をひどくバタつかせたが、引き千切らんばかりに乱暴すると、「アアッ…ッ……」とじきに諦めた。粗相で濡れた白いパンティが足首で丸まる。


 いよいよ蒼甫が豊腰を手繰る。だがまだ、背中が丸まっていてベストな態勢ではない。でか尻を一発叩くと、泣き声を啜り、でっかい尻がでんと突き上がる。二発目の尻叩きでこれがさらに露骨となった。「床に両手突け」と、下した命令を聞こえない振りをした罰として、「おいっ! 豚ッ!」強烈な三発目のスパンキングだ。


「ハアイ。おりこうさん」
 と、褒めた多馬田臨床検査技師のいまの恰好とは、あられもないがに股姿となり果て、えがらい破廉恥に耐え兼ね、またぞろつま先立ちの股ぐらから粗相をした。


 なんら宣告もなしに蒼甫が躰に押し入る。と同時にガン突き開始だ!



――パンパンパンパンパンパンパンパン!



「いひひ」
 多馬田臨床検査技師の躰は激しく前後し、まるでスパンキングでも受けているようである。つま先立つふくろはぎがほとんど張り詰め、髪の毛などはバサバサに乱れ、両手が支えを求めて見苦しい様で虚空を掴み、生挿しでいきむ蒼甫に合わせ、多馬田臨床検査技師が泣きじゃくる。


「うほ。すげえまん力……」
 男冥利に、蒼甫が酔いしれる。


 凌辱されながら、多馬田臨床検査技師が腰を振る。女の性によくよく啼きながら、恨みがましいあえぎを引きずる。肉厚な女の道具がよく締まる。具合は申し分ない。もはや発情した猿の如く蒼甫が猛る。


「……だめだよぉ、外にだしてぇ、お願い、アアアッ…ッ……」
 肉冠が子宮孔を叩き、勢いよく迸った。多馬田臨床検査技師の躰がビクビクっと極まり、みるみる弛緩していく。膣出しされ、どうやら、諦めたらしい。


 蒼甫は悠々と、最後の一滴まで残らず膣内に出した。ぼろん、と満足した肉幹を抜くと、一緒に引きずられて出てきた蒼甫の粘っこい体液が、ぼとぼとぼとっと床にこぼれた。


「オオッ……腹ぼて不可避」
 蒼甫が、ついに人形のようにだらりとなった多馬田臨床検査技師の躰を手繰り寄せる。こちらに顔を向かせ、凌辱に屈した表情をとくと拝んだ。如何にも好事家な蒼甫らしい趣向である。白衣をはだけられたただの女は、めくるめく色情の余韻にいまも悶え狂い、さっきから、なにやら訳の分からないことを吐露してふやけている。


「ザマア」
 蒼甫が頬からもろ手を離すなり、がくがく振るえどうにも首が座らぬようで、その頭の重みから顔面が天井を仰ぎ、頬は火気りの為、汗を帯びて赤くなって、眉根を引き攣り、おでこに三本の脂ぎった横皺を寄せあつめ、恨みがましい白目を剥き出したまま、口もとだけがだらしなく笑っているようである。怨念ぶかい呪いの表情だ。じょろ。じょんじょろろ。ついには視姦だけで気をやったらしい。


「えへへ。こいつぁウケる」
 足首まで下りた白衣で覆い隠す股ぐらから生ぬるいのが染み出てきた。女体崩壊! 生意気に逆らった超ドM変態臨床検査技師、そのひときわ無様な成れの果てであった。


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