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第五十四話 盗賊国家イスブロン
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相変わらずの荷台の快適空間で4日程寝泊りして過ごし、ルーと二人仲良く御者席に座り馬車の旅を楽しんでいると標高はそんなに高くない山岳地帯が見えて来た。
普通の馬車なら9日はかかるそうだ。 うちの馬車マジ優秀
その樹々の少ない山岳地帯の山の斜面に沿って住居らしき石造りの建造物が沢山みえる。 しっかりと城壁も作あり、上る道も整備されていてちゃんと人の手が入っているのが伺えた
「ここは要塞都市とも呼ばれている。 あの山の上にある大きな岩、あそこの中をくり抜いて要塞の様に使っているの。」
ハゲた山の上にはエアーズロック程の大きさではないが、似たような物があり、表面に空いてる多数の穴から人工的な光が漏れていた。
何で盗賊が国を作っても他国に攻められたりしないのかと思っていたけど、こういう事だったのか
「これじゃあ簡単に落とせないね」
「うん。 それに後ろは資源豊かな森と、海が広がってる。」
食糧事情も問題なしって事か
「結構豊かな国なんじゃないか?」
「そうだと思う。」
「どんなところか楽しみだけど盗賊が作った国だし気を付けて行こう」
「うん。」
◇ ◇ ◇ ◇
そのまま暫く進み俺達はイスブロンの城壁の前迄来た。 入国する者自体が少ないのか何体かの馬車とすれ違っただけで誰も並んだりしていなかった
「みんな、盗賊の国だからしっかりと気を引き締めてね」
「「「「「「「了解」」」」」」」
みんなに注意を呼び掛けてから、門番らしき魔物の毛皮を着た男に話しかけた
「すみません、イスブロンに入国したいんですが」
男の顔はかなり怖い… 顔や体にはいくつも傷があり日本にいたら間違いなくあっちの人だと思われるだろう
そんな男が俺と連れてる女性陣達を下から上までじっくりみた。
がはははは、いい女連れてるじゃねぇーか、俺にも分けてくれよ、のテンプレ来るか? 盗賊だからあり得るよね? はよはよ
「イスブロンへようこそ、長い旅でしたでしょう? おくつろぎください。 入国は一人銀貨2枚です」
男が笑顔で優雅にお辞儀し、迎えてくれる
「………え?!」
思ってたんと違う!! 何この紳士!
「おやどうかされましたか?」
「どうかって… 最近の盗賊はそんなに礼儀正しいんですか?」
「近頃は盗賊稼業も控えめなんですよ、この国は十分い潤ってますからね、これからは観光事業にも力を入れるから言葉遣いを直せとお頭に命令されまして」
「は、はぁ… 盗賊も色々あるんですね…」
「ええまぁ、上の命令には絶対ですから。 ですが今の生活に不満がある物はほとんどいないと思いますよ」
出来る上司って感じなんだろうな、とは言ってもここでジプタレンの主成分になる植物が栽培されてるのも事実
「そうですか、なんか意外ですね… あ、ステータスカードです」
「ここでは必要ありませんよ、お金だけで十分です。 ここは盗賊の国ですからね、何があっても我々は関与しませんから。 それにもう確認済みです」
男は不敵に笑った 鑑定持ちか?
「宝石泥棒とはこれまた大物ですね」
男は無表情を心がけていたが俺の称号を見たのだろう、肩がプルプル揺れていた。 なにわろてんねん
「…彼は何も取ってない」
ルー止めろ、そのルートに入っては行けない
「いいや大変な物を盗んでいきまいした、貴方の…」
「じゃ、じゃあ入らせてもらいますね! あ、後どこかいい宿があれば教えて欲しいのですが…」
俺は強引に話を切る
「でしたらここを真っすぐ行って要塞近くのシーフシーフシーフという宿屋が、新鮮な魚を使った料理を提供しますしおすすめですよ」
名前!! あからさま過ぎだろ… めっちゃ何か盗まれそう…
そういえば俺の借りパクされたゲームって結局誰が持ってるんだろう…
「ありがとうございます、そこに行ってみますね」
俺達はお金を支払い入国した
「なんだか肩透かしだったね」
俺は皆に振り返った
「…多分潤っているから余裕があるんだと思う」
「今のうちの眷属に情報をある程度集めさせるわ」
フララがネズミや鳥などの小さい眷属を街に放つ
「ですがこの国の代表はかなり頭が切れるそうですよ」
「噂じゃ相当斬新な改革を進めてるらしいよ兄さん」
「気は抜かない方がいいわね、あんたも気をつけてなさい」
油断大敵だな
「早く早くお兄ちゃん!」「主様!お腹すいたのじゃ! 早くしてたも!」
年少組は新しい土地が楽しいのか俺達より少し前を走りまわり全く気にしてないようだ
俺達はひとまず宿屋に行き作戦会議をする事にした。
紹介してもらった宿屋はバカでかい岩をくり抜いて作られた三階建て程の立派な宿屋だった、ある程度お金をもっていると判断してここを紹介したのだろう
チャリンチャリン
入り口のドアを開けると鈴が鳴り、奥からエスニックな恰好をした片手斧を二つ背負った強面の男がこちらを睨みながら出て来る
この国の民族衣装みたいなものなのだろう、ここに来る途中でもよく見かけた。 地球で言うとトルコみたいな雰囲気がイスブロンにはある
こ、怖い! ヤバイマジで怖い! 顔面にまで刺青はいっちゃってんよー! 直視できねぇ!
「これはいらっしゃいませお客様、お泊りですか? それともお食事だけですか?」
強面だった顔が柔らかくなりあっけにとられる。 この街のギャップにはしばらく苦労させられそうだ
「泊りで」
「お部屋はいくつ用意しましょうか?」
「えーっと」
レデリは一人じゃ危ないからルチルをつけて、ストリンデには…
「「「「「「一つで」」」」」」
何でだよ!
「いや待てよ、明らかにおかしいだろ」
「…婚約者と同じ部屋なのは当然」
「そうよ、何をバカな事を言ってるのかしら?」
「違う部屋ではご主人様とルーメリア様のお世話が出来ません」
「お兄ちゃんとエメはいつも一緒!」
「兄さんみたいなどうしようもない人を一人にするのは危険だから妹が側にいる必要がある」
「えっと、わらわは… あ、ペットは常に主様の側にいないとダメなのじゃ!」
こいつら全く引く気がない、何て澄ました顔してやがる、味噌汁の上澄みぐらい澄んでるぞ
「流石に聖女の私が男と一緒の部屋はまずいんだけど?」
馬車で一応一緒に寝たと思うんだがあれは仕方がないからノーカンって事か?
「だよな? だから…」
「でしたらスイートルームがありますがどうでしょうか? お部屋も広く部屋もいくつかありますので別れる事も出来ます」
女性陣達を見るともう心は決まっているようだった
「はぁ… ストリンデそれでいい? 一応一人になるのは避けた方が良いと思うから」
「それならあんたと一緒に寝るわけじゃないし別に構わないわ。 でも私お金が…」
「それは構わないよ、じゃあ店主さんそれでお願いしてもいいですか?」
「はい畏まりました、それではこちらへどうぞ」
案内された部屋の中に入るとそこは広々としておりこの国らしいエスニック内装でまとまっており、綺麗な赤い花がふんだんに飾られ、豪華なシャンデリアが部屋の華やかさを一層引き上げていた。
部屋に入った後は既存のベットをアイテムボックスに入れて、馬車の大きなベットを出した。
一緒に寝れる事にみんなご満悦のようだ。
そして今俺とエメは二人だけで情報集めの為に街を散策していた。
効率よく情報を集める為にフララとレデリ、ルーとイレスティ、ストリンデとルチルという班分けにした。
「何かお兄ちゃんと二人きりって、そういう時以外久しぶりだね」
「そういえばそうだね、というか二人きりっていうの自体あんまりないな最近は」
「人増えたからねー、異世界ハーレムライフを着実に満喫しちゃってるし」
エメがニヤニヤしている 記憶を共有しているので俺がそういう憧れをもっているのも勿論知っている
「ま、まぁ実際否定はできない状況だな…」
物語のハーレムと違うのは愛しい二人がハーレムを仕方なくオッケーしているという所だろう、いつか殺されそうな危機感は常に持っている
「あ、これからは旅に出る時は交代で二人だけで出ようかな、そうすればみんなとの時間も作れるし」
「それいいんじゃない? みんなも嬉しいと思うよ、夜は転移で屋敷に戻ってくるんでしょ?」
「うん、でもストリンデにまだ言えてないしな…」
「そもそも何で隠してるの?」
「だってばれたら厄介な事に…」
そもそもどう厄介な事になるんだ?
「ならないと思うよ、お兄ちゃんが心配してるのって物語によくある貴族とかの囲い込みで国に縛られて身動きとりにくくなる事だよね? そもそも伯爵だし囲い込めないじゃん」
「…あ…」
「力を利用されるのが嫌なのもあると思うけど、嫌ならそれこそ転移で逃げればいいし。 この世界に転移なんて出来る存在ってお兄ちゃんとあの麒麟位じゃないの?」
「転移の事は人に言ったらダメって勝手に思い込んでたわ」
「まぁ友達いないからって週末の間中WEB小説読んだりして凝り固まったね」
ちょっとチクッと来るよそれ
「だな」
これからはデート気分で旅を楽しめそうだな。 帰ったらストリンデに言おう
「そうだ、お兄ちゃん! 折角二人っきりだし元の姿に戻して」
「了解」
俺がエメの頭に手を置き力を流し込むと20代半ばの肉感的なスタイルの妖艶な美女が現れる
「旦那様ぁ…」
エメが抱き着いてきた
「エメは二重人格みたいに人が変わるね」
とても愛しいので頭を撫でる
「子供の時だとこういう欲求が余り沸かないんです。 でも今は…」
エメが首に腕を回し唇を押し付けて来た。 プルンとした胸の弾力もかなり感じる
「欲求不満気味かもしれません…」
唾液が糸を引き光って消えると、エメは恍惚とした表情をしていた。 ゴクリ… かなりそそられる… 欲望に火が付きそうだ
「ちょ、ちょっと待って取り合えず情報集めが優先だから! それに昨日も…その…ね?」
俺は密着してるエメの肩を両手で掴み、名残惜しいがエメの温もりを引き剥がした
「昨日で満たされたはずなんですけど、エメは旦那様のせいで欲張りになってしまったみたいです」
潤んだ瞳で上目遣いの悲しそうな顔に心が揺れるがまずは仕事だ
「情報優先だけど… ちょっとデート気分でやろうか」
そんな顔されたら甘やかしちゃうじゃないか
「はい旦那様!」
エメの輝くような笑顔にすこぶる癒された後、腕を嬉しそうに組むエメを右側にして再び歩き出した。
緩やかな斜面を上がっていくと一際賑わっている区画に出た、老若男女、種族も基本的には人が多いが色々な種族が居る。 中にはどこかの貴族であろう身なりの良い人も多くお忍びで遊びにきているのだろうか?
「凄い人だな」
「はい、何かお祭りでもあるのでしょうか?」
渋谷に初めてきた田舎者みたいな発想だな
「渋谷もお祭りみたいですよね」
「あそこは魔境だからね、社交性のモンスターばかりだよ」
「そうですね… 旦那様とは対極的な方々の集まる街ですから…」
エメは少し苦笑いしていた。 恥ずかしい記憶も何もかも共有されていてなお好いてくれているので、ある意味一番信用できるのはエメなのかもしれない
周りをよく見てみるとそこら中賭場の様なギラギラした建物や酒場も多くあり、街には酒瓶片手に叫ぶ酔っ払いや、色気のあるエスニックな衣装を着た娼婦などもいた。 ここは娯楽施設集まる場所だったのか
情報を集めるには一番いい場所かもな
むぎゅ
俺が物珍しそうにキョロキョロしているとエメが豊満な胸を押し当てて来た
「どうしたの?」
「エメといるのに他の女性を見ないでください」
エメは子供の様に頬を膨らませた
「嫉妬しないんじゃなかったっけ?」
俺はその膨らんだ頬をつつく
「嫉妬ではなくて折角二人でいるので旦那様に私だけを見て欲しいのです」
可愛いな…
「なぁ…やっぱり後でみんなの所戻る前に…今日もいい?」
「…はい…」
エメは顔を赤くして恥ずかしそうに俯いた
「とりあえず賭場に行こうか、何かいい情報を得られるかもしれない」
「あそこなんて大きくていいんじゃないですか?」
エメが指を差したのは一際大きな店構えの賭場だ
「そうだな」
エメの指さした場所に入ると周りが霞んで見えそうな位人の熱気が凄かった、人の醜さや欲望、金を飲み込み夢を与えるその場所にいる人々の目には狂気すら宿っているかの様だ
地下には闘技場がありトーナメント方式で賭けを行っているらしい
辺りを見渡すと異世界らしく全く知らない物を使ったゲームばかりだが、サイコロのゲームを見つけた
まぁサイコロ位思いつくよなそりゃ
白と黒で三面ずつ塗られ数字の書かれたサイコロを振り、白白、黒黒、白黒のどれになるか当て単純なゲームだ。人が多すぎず少なすぎず話が聞きやすそうなのでエメを連れて空いている席へと向かう
「ここいいですか?」
長い髪を括って腕にじゃらじゃらとブレスレットをつけ、椅子に座りゲームを楽しんでいる男に聞いた。 俺の人見知りもだいぶ直っているらしい
「ああいいよ」
男が俺の後ろに居るエメを一瞥
ピューユ
男がエメを見て口笛を吹く
「いい女連れてるね、嫁さんかい?」
「ええそうです」
「なんだ残念だな、娼婦ならお前さんの後にでもって思ったんだが… まぁそんな別嬪さんならすぐに噂になるから無理だろうけどな」
男のテーブルにはチップらしきものが結構積まれていた、調子は良い様だ
俺もディーラーの金を渡しチップに変えて貰う
「お客様は賭けられますか? ゾロ目の場合は私達の総取りになります」
この人も顔は怖いがとても丁寧だ、ゾロ目分が店の利益になるわけか約17%で持って行かれるって結構あくどい気もするが… まぁパチンコなんかも還元率80%位だし普通なのか?
「エメどっちが良いと思う?」
興味津々にサイコロを見ているエメに聞いてみた
「んーわかりませんね」
外したら申し訳なく思うのか明言は避けているようだ
「5回当てたら…その…今日も2人だけで一緒に寝ようか…」
「白白です!」
切り替えはっや!
数字も当てると更に倍率よく返ってくるが今日の目的はギャンブルじゃないからな、エメ言う通り銀貨二枚分白白にかけた
「ここへはよく来るんですか?」
俺は隣の髪を括った男に声をかけた
「ああよく来るよ、この町は永遠と賭けが出来るからな」
どうやら24時間営業らしい
「それではお客様方いきますよ?」
ザワ
カランカランカラン…
白白だ! チップが三倍になって戻って来た
「エメ次は?」
「うーん白黒ですね」
顎に指を当て少し上を向いて答えた。
当たって返って来た分全部賭けた
「お前さんも良く来るのかい?」
「今日着いたばかりですよ」
「じゃあ驚いただろう」
「ええとても」
「俺は運送業をやってるからな、しょっちゅう来ては散財してく日々よ」
ギャンブル中毒者! 希望の船に乗せられないように気を付けてね
「へぇそうなんですか、何を運んでいるんですか?」
「ジャビムだよ」
ジプタレンの主原料だ!
「あーここの特産品なんですよね、ここからどこに運ぶんですか?」
「アステルニアの王都を通ってダルシエル迄だな」
ん? ダルシエル?
「ダルシエルでも必要なんですか?」
「ああ、服にも出来るし葉っぱは病気の治療薬になるしな」
このジャビムという植物の葉は、病気に効く薬にもなるのだ、麻薬として使うのは絞って出る液体だ。
普通の人はジャビムから出る液体があのジプタレンの主成分だとは知らない。 腕のいい薬師でさえもジプタレンの構成要素を解読できないのだ。
その点レデリは超一流の薬師と言えるだろう、輝人しかできない特殊な分析法らしいが…
カランカラン…
白黒だ元手の9倍になった
「おーお前さん調子いいね」
「嫁のおかげですよ、エメ次は?」
「うーん白白ですね」
エメがそう可愛く答えたので勿論返って来た分全部賭ける
「貴方の様に王都を経てダルシエルに向かう方は沢山いるんですか?」
「ああ沢山いるよ」
まぁ話によると医療団体みたいなもんらしいからなダルシエルって国は
カランカラン…
白白だ マジか! 圧倒的感謝!
「エメお前凄いな!」
「じゃあ後で沢山褒めてくれますか?」
耳元で囁くのはだめでしょうが!
「勿論」
俺はテレで下を向いてしまう 犯罪的だ!
「次は何かな?」
「黒黒ですね」
「オッケー」
俺はまた全部賭けた、そして興奮で少し喉が渇いたのでエールを頼む
「この街のトップってどんな人なんですか?」
「とても頭の切れる方ですよ」
隣の男ではなくディーラーの方がエールを手渡し話に入って来た。 キンキンに冷えてやがる!
「税金を収入に応じて変動するシステムを導入したり、最近では毎月収入に応じた定額払えば医療施設を低料金で利用できるシステムなどを考案してましたね」
…所得税と国民健康保険じゃねぇか! 俺達の世界じゃ当たり前だが考えだせるってのは凄い事だろう
「へぇ聞いた事ないですね」
「お頭は新しい事でも挑戦する方なんですよ、最近では商品を店頭に出す前にあらかじめ商人同士で値段の事を相談すると値段が変動してもどうのこうのともおっしゃってましたね」
もしかして先物取引とかそういう事も行ってるのか? 先進国過ぎない?
「凄い方ですね、一度会ってみたいです」
「これから始まる地下闘技場で優勝すれば会えますよ」
「そうなんですか?」
「はい、銀貨100程参加費が必要ですが」
カランカラン… 黒黒
「よっしゃー!!」
もう俺エメとギャンブル生活する! 俺はエメに抱き着いてついでに大きな胸に体を押し付けた、ノーカン!ノーカン!
「こちらの勝ち分で溜まったようでございます」
ディーラーはにこっと笑った
「予選はそろそろ始まりますのでお急ぎください」
「今日のお前さんはついてそうだから、お前さんに賭けるよ、がんばんな!」
「ありがとうございます」
髪を括った男に頭に軽く下げディーラーにチップを渡し席を立つ
「次も当てたら旦那様を一晩中独占出来そうでしたのに…」
エメも少し残念そうに席を立つ
「ちなみに何だと思ったの?」
「…ゾロ目です」
カランカラン…
「ちくしょーゾロ目かよー」
俺達の背中から悲痛な叫びが聞こえた、こりゃノーカンとは行かないな
「約束は守るよ」
「はい!」
エメは嬉しそうに笑顔を浮かべぴょんと飛び跳ねながら俺の腕に飛びつき、そのまま二人で地下の闘技場へと向かった
普通の馬車なら9日はかかるそうだ。 うちの馬車マジ優秀
その樹々の少ない山岳地帯の山の斜面に沿って住居らしき石造りの建造物が沢山みえる。 しっかりと城壁も作あり、上る道も整備されていてちゃんと人の手が入っているのが伺えた
「ここは要塞都市とも呼ばれている。 あの山の上にある大きな岩、あそこの中をくり抜いて要塞の様に使っているの。」
ハゲた山の上にはエアーズロック程の大きさではないが、似たような物があり、表面に空いてる多数の穴から人工的な光が漏れていた。
何で盗賊が国を作っても他国に攻められたりしないのかと思っていたけど、こういう事だったのか
「これじゃあ簡単に落とせないね」
「うん。 それに後ろは資源豊かな森と、海が広がってる。」
食糧事情も問題なしって事か
「結構豊かな国なんじゃないか?」
「そうだと思う。」
「どんなところか楽しみだけど盗賊が作った国だし気を付けて行こう」
「うん。」
◇ ◇ ◇ ◇
そのまま暫く進み俺達はイスブロンの城壁の前迄来た。 入国する者自体が少ないのか何体かの馬車とすれ違っただけで誰も並んだりしていなかった
「みんな、盗賊の国だからしっかりと気を引き締めてね」
「「「「「「「了解」」」」」」」
みんなに注意を呼び掛けてから、門番らしき魔物の毛皮を着た男に話しかけた
「すみません、イスブロンに入国したいんですが」
男の顔はかなり怖い… 顔や体にはいくつも傷があり日本にいたら間違いなくあっちの人だと思われるだろう
そんな男が俺と連れてる女性陣達を下から上までじっくりみた。
がはははは、いい女連れてるじゃねぇーか、俺にも分けてくれよ、のテンプレ来るか? 盗賊だからあり得るよね? はよはよ
「イスブロンへようこそ、長い旅でしたでしょう? おくつろぎください。 入国は一人銀貨2枚です」
男が笑顔で優雅にお辞儀し、迎えてくれる
「………え?!」
思ってたんと違う!! 何この紳士!
「おやどうかされましたか?」
「どうかって… 最近の盗賊はそんなに礼儀正しいんですか?」
「近頃は盗賊稼業も控えめなんですよ、この国は十分い潤ってますからね、これからは観光事業にも力を入れるから言葉遣いを直せとお頭に命令されまして」
「は、はぁ… 盗賊も色々あるんですね…」
「ええまぁ、上の命令には絶対ですから。 ですが今の生活に不満がある物はほとんどいないと思いますよ」
出来る上司って感じなんだろうな、とは言ってもここでジプタレンの主成分になる植物が栽培されてるのも事実
「そうですか、なんか意外ですね… あ、ステータスカードです」
「ここでは必要ありませんよ、お金だけで十分です。 ここは盗賊の国ですからね、何があっても我々は関与しませんから。 それにもう確認済みです」
男は不敵に笑った 鑑定持ちか?
「宝石泥棒とはこれまた大物ですね」
男は無表情を心がけていたが俺の称号を見たのだろう、肩がプルプル揺れていた。 なにわろてんねん
「…彼は何も取ってない」
ルー止めろ、そのルートに入っては行けない
「いいや大変な物を盗んでいきまいした、貴方の…」
「じゃ、じゃあ入らせてもらいますね! あ、後どこかいい宿があれば教えて欲しいのですが…」
俺は強引に話を切る
「でしたらここを真っすぐ行って要塞近くのシーフシーフシーフという宿屋が、新鮮な魚を使った料理を提供しますしおすすめですよ」
名前!! あからさま過ぎだろ… めっちゃ何か盗まれそう…
そういえば俺の借りパクされたゲームって結局誰が持ってるんだろう…
「ありがとうございます、そこに行ってみますね」
俺達はお金を支払い入国した
「なんだか肩透かしだったね」
俺は皆に振り返った
「…多分潤っているから余裕があるんだと思う」
「今のうちの眷属に情報をある程度集めさせるわ」
フララがネズミや鳥などの小さい眷属を街に放つ
「ですがこの国の代表はかなり頭が切れるそうですよ」
「噂じゃ相当斬新な改革を進めてるらしいよ兄さん」
「気は抜かない方がいいわね、あんたも気をつけてなさい」
油断大敵だな
「早く早くお兄ちゃん!」「主様!お腹すいたのじゃ! 早くしてたも!」
年少組は新しい土地が楽しいのか俺達より少し前を走りまわり全く気にしてないようだ
俺達はひとまず宿屋に行き作戦会議をする事にした。
紹介してもらった宿屋はバカでかい岩をくり抜いて作られた三階建て程の立派な宿屋だった、ある程度お金をもっていると判断してここを紹介したのだろう
チャリンチャリン
入り口のドアを開けると鈴が鳴り、奥からエスニックな恰好をした片手斧を二つ背負った強面の男がこちらを睨みながら出て来る
この国の民族衣装みたいなものなのだろう、ここに来る途中でもよく見かけた。 地球で言うとトルコみたいな雰囲気がイスブロンにはある
こ、怖い! ヤバイマジで怖い! 顔面にまで刺青はいっちゃってんよー! 直視できねぇ!
「これはいらっしゃいませお客様、お泊りですか? それともお食事だけですか?」
強面だった顔が柔らかくなりあっけにとられる。 この街のギャップにはしばらく苦労させられそうだ
「泊りで」
「お部屋はいくつ用意しましょうか?」
「えーっと」
レデリは一人じゃ危ないからルチルをつけて、ストリンデには…
「「「「「「一つで」」」」」」
何でだよ!
「いや待てよ、明らかにおかしいだろ」
「…婚約者と同じ部屋なのは当然」
「そうよ、何をバカな事を言ってるのかしら?」
「違う部屋ではご主人様とルーメリア様のお世話が出来ません」
「お兄ちゃんとエメはいつも一緒!」
「兄さんみたいなどうしようもない人を一人にするのは危険だから妹が側にいる必要がある」
「えっと、わらわは… あ、ペットは常に主様の側にいないとダメなのじゃ!」
こいつら全く引く気がない、何て澄ました顔してやがる、味噌汁の上澄みぐらい澄んでるぞ
「流石に聖女の私が男と一緒の部屋はまずいんだけど?」
馬車で一応一緒に寝たと思うんだがあれは仕方がないからノーカンって事か?
「だよな? だから…」
「でしたらスイートルームがありますがどうでしょうか? お部屋も広く部屋もいくつかありますので別れる事も出来ます」
女性陣達を見るともう心は決まっているようだった
「はぁ… ストリンデそれでいい? 一応一人になるのは避けた方が良いと思うから」
「それならあんたと一緒に寝るわけじゃないし別に構わないわ。 でも私お金が…」
「それは構わないよ、じゃあ店主さんそれでお願いしてもいいですか?」
「はい畏まりました、それではこちらへどうぞ」
案内された部屋の中に入るとそこは広々としておりこの国らしいエスニック内装でまとまっており、綺麗な赤い花がふんだんに飾られ、豪華なシャンデリアが部屋の華やかさを一層引き上げていた。
部屋に入った後は既存のベットをアイテムボックスに入れて、馬車の大きなベットを出した。
一緒に寝れる事にみんなご満悦のようだ。
そして今俺とエメは二人だけで情報集めの為に街を散策していた。
効率よく情報を集める為にフララとレデリ、ルーとイレスティ、ストリンデとルチルという班分けにした。
「何かお兄ちゃんと二人きりって、そういう時以外久しぶりだね」
「そういえばそうだね、というか二人きりっていうの自体あんまりないな最近は」
「人増えたからねー、異世界ハーレムライフを着実に満喫しちゃってるし」
エメがニヤニヤしている 記憶を共有しているので俺がそういう憧れをもっているのも勿論知っている
「ま、まぁ実際否定はできない状況だな…」
物語のハーレムと違うのは愛しい二人がハーレムを仕方なくオッケーしているという所だろう、いつか殺されそうな危機感は常に持っている
「あ、これからは旅に出る時は交代で二人だけで出ようかな、そうすればみんなとの時間も作れるし」
「それいいんじゃない? みんなも嬉しいと思うよ、夜は転移で屋敷に戻ってくるんでしょ?」
「うん、でもストリンデにまだ言えてないしな…」
「そもそも何で隠してるの?」
「だってばれたら厄介な事に…」
そもそもどう厄介な事になるんだ?
「ならないと思うよ、お兄ちゃんが心配してるのって物語によくある貴族とかの囲い込みで国に縛られて身動きとりにくくなる事だよね? そもそも伯爵だし囲い込めないじゃん」
「…あ…」
「力を利用されるのが嫌なのもあると思うけど、嫌ならそれこそ転移で逃げればいいし。 この世界に転移なんて出来る存在ってお兄ちゃんとあの麒麟位じゃないの?」
「転移の事は人に言ったらダメって勝手に思い込んでたわ」
「まぁ友達いないからって週末の間中WEB小説読んだりして凝り固まったね」
ちょっとチクッと来るよそれ
「だな」
これからはデート気分で旅を楽しめそうだな。 帰ったらストリンデに言おう
「そうだ、お兄ちゃん! 折角二人っきりだし元の姿に戻して」
「了解」
俺がエメの頭に手を置き力を流し込むと20代半ばの肉感的なスタイルの妖艶な美女が現れる
「旦那様ぁ…」
エメが抱き着いてきた
「エメは二重人格みたいに人が変わるね」
とても愛しいので頭を撫でる
「子供の時だとこういう欲求が余り沸かないんです。 でも今は…」
エメが首に腕を回し唇を押し付けて来た。 プルンとした胸の弾力もかなり感じる
「欲求不満気味かもしれません…」
唾液が糸を引き光って消えると、エメは恍惚とした表情をしていた。 ゴクリ… かなりそそられる… 欲望に火が付きそうだ
「ちょ、ちょっと待って取り合えず情報集めが優先だから! それに昨日も…その…ね?」
俺は密着してるエメの肩を両手で掴み、名残惜しいがエメの温もりを引き剥がした
「昨日で満たされたはずなんですけど、エメは旦那様のせいで欲張りになってしまったみたいです」
潤んだ瞳で上目遣いの悲しそうな顔に心が揺れるがまずは仕事だ
「情報優先だけど… ちょっとデート気分でやろうか」
そんな顔されたら甘やかしちゃうじゃないか
「はい旦那様!」
エメの輝くような笑顔にすこぶる癒された後、腕を嬉しそうに組むエメを右側にして再び歩き出した。
緩やかな斜面を上がっていくと一際賑わっている区画に出た、老若男女、種族も基本的には人が多いが色々な種族が居る。 中にはどこかの貴族であろう身なりの良い人も多くお忍びで遊びにきているのだろうか?
「凄い人だな」
「はい、何かお祭りでもあるのでしょうか?」
渋谷に初めてきた田舎者みたいな発想だな
「渋谷もお祭りみたいですよね」
「あそこは魔境だからね、社交性のモンスターばかりだよ」
「そうですね… 旦那様とは対極的な方々の集まる街ですから…」
エメは少し苦笑いしていた。 恥ずかしい記憶も何もかも共有されていてなお好いてくれているので、ある意味一番信用できるのはエメなのかもしれない
周りをよく見てみるとそこら中賭場の様なギラギラした建物や酒場も多くあり、街には酒瓶片手に叫ぶ酔っ払いや、色気のあるエスニックな衣装を着た娼婦などもいた。 ここは娯楽施設集まる場所だったのか
情報を集めるには一番いい場所かもな
むぎゅ
俺が物珍しそうにキョロキョロしているとエメが豊満な胸を押し当てて来た
「どうしたの?」
「エメといるのに他の女性を見ないでください」
エメは子供の様に頬を膨らませた
「嫉妬しないんじゃなかったっけ?」
俺はその膨らんだ頬をつつく
「嫉妬ではなくて折角二人でいるので旦那様に私だけを見て欲しいのです」
可愛いな…
「なぁ…やっぱり後でみんなの所戻る前に…今日もいい?」
「…はい…」
エメは顔を赤くして恥ずかしそうに俯いた
「とりあえず賭場に行こうか、何かいい情報を得られるかもしれない」
「あそこなんて大きくていいんじゃないですか?」
エメが指を差したのは一際大きな店構えの賭場だ
「そうだな」
エメの指さした場所に入ると周りが霞んで見えそうな位人の熱気が凄かった、人の醜さや欲望、金を飲み込み夢を与えるその場所にいる人々の目には狂気すら宿っているかの様だ
地下には闘技場がありトーナメント方式で賭けを行っているらしい
辺りを見渡すと異世界らしく全く知らない物を使ったゲームばかりだが、サイコロのゲームを見つけた
まぁサイコロ位思いつくよなそりゃ
白と黒で三面ずつ塗られ数字の書かれたサイコロを振り、白白、黒黒、白黒のどれになるか当て単純なゲームだ。人が多すぎず少なすぎず話が聞きやすそうなのでエメを連れて空いている席へと向かう
「ここいいですか?」
長い髪を括って腕にじゃらじゃらとブレスレットをつけ、椅子に座りゲームを楽しんでいる男に聞いた。 俺の人見知りもだいぶ直っているらしい
「ああいいよ」
男が俺の後ろに居るエメを一瞥
ピューユ
男がエメを見て口笛を吹く
「いい女連れてるね、嫁さんかい?」
「ええそうです」
「なんだ残念だな、娼婦ならお前さんの後にでもって思ったんだが… まぁそんな別嬪さんならすぐに噂になるから無理だろうけどな」
男のテーブルにはチップらしきものが結構積まれていた、調子は良い様だ
俺もディーラーの金を渡しチップに変えて貰う
「お客様は賭けられますか? ゾロ目の場合は私達の総取りになります」
この人も顔は怖いがとても丁寧だ、ゾロ目分が店の利益になるわけか約17%で持って行かれるって結構あくどい気もするが… まぁパチンコなんかも還元率80%位だし普通なのか?
「エメどっちが良いと思う?」
興味津々にサイコロを見ているエメに聞いてみた
「んーわかりませんね」
外したら申し訳なく思うのか明言は避けているようだ
「5回当てたら…その…今日も2人だけで一緒に寝ようか…」
「白白です!」
切り替えはっや!
数字も当てると更に倍率よく返ってくるが今日の目的はギャンブルじゃないからな、エメ言う通り銀貨二枚分白白にかけた
「ここへはよく来るんですか?」
俺は隣の髪を括った男に声をかけた
「ああよく来るよ、この町は永遠と賭けが出来るからな」
どうやら24時間営業らしい
「それではお客様方いきますよ?」
ザワ
カランカランカラン…
白白だ! チップが三倍になって戻って来た
「エメ次は?」
「うーん白黒ですね」
顎に指を当て少し上を向いて答えた。
当たって返って来た分全部賭けた
「お前さんも良く来るのかい?」
「今日着いたばかりですよ」
「じゃあ驚いただろう」
「ええとても」
「俺は運送業をやってるからな、しょっちゅう来ては散財してく日々よ」
ギャンブル中毒者! 希望の船に乗せられないように気を付けてね
「へぇそうなんですか、何を運んでいるんですか?」
「ジャビムだよ」
ジプタレンの主原料だ!
「あーここの特産品なんですよね、ここからどこに運ぶんですか?」
「アステルニアの王都を通ってダルシエル迄だな」
ん? ダルシエル?
「ダルシエルでも必要なんですか?」
「ああ、服にも出来るし葉っぱは病気の治療薬になるしな」
このジャビムという植物の葉は、病気に効く薬にもなるのだ、麻薬として使うのは絞って出る液体だ。
普通の人はジャビムから出る液体があのジプタレンの主成分だとは知らない。 腕のいい薬師でさえもジプタレンの構成要素を解読できないのだ。
その点レデリは超一流の薬師と言えるだろう、輝人しかできない特殊な分析法らしいが…
カランカラン…
白黒だ元手の9倍になった
「おーお前さん調子いいね」
「嫁のおかげですよ、エメ次は?」
「うーん白白ですね」
エメがそう可愛く答えたので勿論返って来た分全部賭ける
「貴方の様に王都を経てダルシエルに向かう方は沢山いるんですか?」
「ああ沢山いるよ」
まぁ話によると医療団体みたいなもんらしいからなダルシエルって国は
カランカラン…
白白だ マジか! 圧倒的感謝!
「エメお前凄いな!」
「じゃあ後で沢山褒めてくれますか?」
耳元で囁くのはだめでしょうが!
「勿論」
俺はテレで下を向いてしまう 犯罪的だ!
「次は何かな?」
「黒黒ですね」
「オッケー」
俺はまた全部賭けた、そして興奮で少し喉が渇いたのでエールを頼む
「この街のトップってどんな人なんですか?」
「とても頭の切れる方ですよ」
隣の男ではなくディーラーの方がエールを手渡し話に入って来た。 キンキンに冷えてやがる!
「税金を収入に応じて変動するシステムを導入したり、最近では毎月収入に応じた定額払えば医療施設を低料金で利用できるシステムなどを考案してましたね」
…所得税と国民健康保険じゃねぇか! 俺達の世界じゃ当たり前だが考えだせるってのは凄い事だろう
「へぇ聞いた事ないですね」
「お頭は新しい事でも挑戦する方なんですよ、最近では商品を店頭に出す前にあらかじめ商人同士で値段の事を相談すると値段が変動してもどうのこうのともおっしゃってましたね」
もしかして先物取引とかそういう事も行ってるのか? 先進国過ぎない?
「凄い方ですね、一度会ってみたいです」
「これから始まる地下闘技場で優勝すれば会えますよ」
「そうなんですか?」
「はい、銀貨100程参加費が必要ですが」
カランカラン… 黒黒
「よっしゃー!!」
もう俺エメとギャンブル生活する! 俺はエメに抱き着いてついでに大きな胸に体を押し付けた、ノーカン!ノーカン!
「こちらの勝ち分で溜まったようでございます」
ディーラーはにこっと笑った
「予選はそろそろ始まりますのでお急ぎください」
「今日のお前さんはついてそうだから、お前さんに賭けるよ、がんばんな!」
「ありがとうございます」
髪を括った男に頭に軽く下げディーラーにチップを渡し席を立つ
「次も当てたら旦那様を一晩中独占出来そうでしたのに…」
エメも少し残念そうに席を立つ
「ちなみに何だと思ったの?」
「…ゾロ目です」
カランカラン…
「ちくしょーゾロ目かよー」
俺達の背中から悲痛な叫びが聞こえた、こりゃノーカンとは行かないな
「約束は守るよ」
「はい!」
エメは嬉しそうに笑顔を浮かべぴょんと飛び跳ねながら俺の腕に飛びつき、そのまま二人で地下の闘技場へと向かった
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