蒼炎の魔法使い

山野

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番外編 レデリとデート

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「お前最近おかしくないか?」

「そう? 別に普通だと思うけど」

二人は今レデリをおんぶしながらレデリが開発している薬に必要な、イスブロンの海辺にしか咲かない花を取りに行くために森を走っていた

「いやさぁ… 普通兄と慕ってる男が入浴してる所に裸で入ってきたりするか? それに一緒に居る時ほぼほぼゼロ距離じゃん」
(兄さんは鈍感なタイプじゃないのに私にだけは鈍感)

「エメの話じゃ兄さんの世界じゃそれ位するんでしょ? それにタオルは巻いてたよ。 私は寒がりだからあれぐらい近くないとダメなの」
⦅それ空想上の話だから! つかカイロ代わりだったの?!⦆

「妹に欲情する変態の兄さんとしてはおいしい状況じゃない?」
⦅正直きめ細かくて張りのあるレデリの体はタオルが巻いてあったがかなり魅力的で、暫く風呂につからなければいけない状況になる事も多々ある⦆

「レデリはいつからそんなに甘えん坊になったの? 前は一人で出来るもん少女だったのに」
(こんなに露骨なアピールしてるのにどうしてわからないの? 昨日だって好き好きオーラ全快でギューッと抱きついて一緒に寝たのに)

「兄さんのダメ人間が伝染しているんだよ」

「俺のせいかよ」

「そうだよ、だから責任取ってね」

「何の責任だよ」

「妹を一生甘やかしてダメにする責任」
(悪くないけど、レデリにはちゃんと幸せになってほしい)

「自立しなさい」
⦅そんな事言われるとちょっと寂しい⦆

「兄さんがそれいうの?」

「…全くですね」
レデリとショウがクスっと笑い合う

「兄さんには言動はツンツンしてるのに態度はデレデレな妹が必要でしょ?」

「自覚はあったんだな」

「妹ですから」

「お前の妹って何?」

「人間的に歪んでいて卑屈で愚鈍で狂気的に女に依存してる鈍感な男に、ラッキースケベを提供する天使の様な存在だよ」
⦅俺の評価!⦆

「確かにそれが事実なら天使だけど、風呂に裸で突撃してくるのはラッキースケベじゃなくてただのスケベだぞ」

「あ、今私の裸思い浮かべた?」

「お前が考えてるよりもっとどエロイ事考えてたよ」

「バ、バカ!」
レデリは耳まで赤くして首に回してる腕で首を絞める

「ちょ、ギブギブ!」
⦅胸が押し付けられて背中が幸せ。 ドキドキするからやめて欲しい…⦆

「はい、胸を柔らかさを堪能したお礼は?」
⦅何故バレたし!⦆

「…ありがとうございました」
(こういう所可愛いからからかいたくなっちゃう。 私も恥ずかしんだけど…)

二人がそんなやり取りをしていると森を抜けた先に海が広がっているのが見えて来た

「わぁ凄いね! 綺麗!」
ショウの背中から降りたレデリは海を見てはしゃいでた

「レデリは海を見るのは初めて?」

「うん、兄さん達に会うまで外の世界には余り興味もなかったからね」

「思ったよりあったかーい、兄さんもおいでよー」
レデリがしゃがみ込んで海水を弄んだ後、両手で手招きしていた

⦅ちきしょうめちゃくちゃ可愛い、同じ学校にいたら絶対リコーダー狙うわ⦆

「それ!」
レデリが海水を手ですくってショウにかけた

「うわやめろよ! どこのラブコメだよ」

「ノリわるーい」
レデリがショウの腕をツンツンと突く

「そういうのは恋人同士でやるもんなの」

「じゃあ…今だけ…こ、恋人同士になる?」
レデリはいつもの様に人差し指に綺麗な桜色の髪をクルクルと巻き付けながら顔を真っ赤にしていた
(やばい! めっちゃ恥ずかしい! 恥ずかしくて死にそう!)

「お、お願いします」
⦅余りの破壊力に言葉につまっちまったよ!⦆

「それじゃあ、ほれ!」

⦅レデリの今日の服は白! 必ず水浸しにする必要がある!⦆
ショウが水をすくってレデリに飛ばした

「兄さん甘いよ!   ※ ※ ※ ※   ※ ※ ※ ※   ※ ※ ※ ※  結晶魔術【硬化障壁】」
⦅どんだけマジなんだよ!⦆

「えい!」
硬化した障壁が前に倒れ大量の水しぶきが舞う
(ふふふ完璧なタイミング、これで兄さんは水浸し! 今日の兄さんはいつものローブじゃなく白のシャツ! 必ず水浸しにする必要がある!)

「甘いぞレデリ! 時計仕掛けのクロックワーク魔法マジック宝龍ジュエルドラゴン】」
結晶硬化された輝く鱗を持つ龍がショウを守るように巻き付き水を全て弾いた
(なん…だと?!)

⦅ふふふ、いつ何時でも出せるようにいつもあらかじめ魔力を練り込んであるのさ!⦆
「食らえ!」
ショウが叫ぶと輝く龍の尻尾が海面を叩き物凄い速さでレデリの方に飛んでいく

「流石兄さん、でも私だって負けない!」
ゴクゴク… レデリが何かの薬を飲んで瓶を海に捨てた

⦅ゴミはゴミ箱へでしょうーが! 海に捨ててーじゃねぇーんだよ!⦆

「 ※※※※  ※※※※  ※※※※ 結晶水魔術【水大蛇】」
⦅何?! 俺の【 宝龍ジュエルドラゴン 】の様な自立型?! 水を硬化させて大蛇の形を保っているだと?!⦆

飛んできた水が大蛇を模った事によりレデリには一滴の水も掛からなかった

両者がにらみ合う。 大蛇はチロチロと舌を出し、龍は牙を見せ威嚇している

一泊置いて

「「いけーーー!!」」
⦅レデリの下着は…⦆
(兄さんの引き締まって来た体は…)

(⦅絶対に見る!!!⦆)

二人の激闘は続きお互いに一歩も譲らないまま空が夕焼けに染まってきていた

「な、なぁ… あの二人何してんだ?」「わからねぇが、近寄らない方が良いと思うぞ」
この後激しくぶつかり合う二人はイスブロンで少しの間だけ噂になった

「はぁ… はぁ… お前どんだけ本気なんだよ…」

「兄さんこそ… はぁ… もうだめ…」

「レデリ!」
ショウが後ろへ倒れるレデリの元へ駆け寄る

「なーんてね!」
レデリが小悪魔的な笑みを浮かべショウの腕を掴んで、そのまま後ろに倒れ込みショウが押し倒したような体勢になった

波打ち際でレデリの桜色の髪が浅い海面に浸り、散り行く桜の花筏の様に美しくふわりと広がって優しく寄せては返す波に髪を弄ばれていた、夕映えした彼女はどんな宝石よりも輝いていて、小悪魔的な笑みはショウの胸を高鳴らせた

ショウがレデリの艶やかな唇を見ていた事にレデリは気付く

「………いいよ…」

「な、何言ってんだよ! ったくお前は悪い妹だな」
ショウは起き上がろうとするが…

「…今は恋人だよ?」
潤んだ瞳でしっかりショウを見据え、レデリのしなやかで細い腕がショウの首の後ろを抑えて離さなかった

「こういう時恋人はキスするものじゃないの?」
レデリの挑発するような顔にショウは喉を鳴らす

「流石にその一線を越えるのはまずくないか?」

「…本当は私の気持ち知ってるくせに」
レデリが可愛く口を尖らせた

⦅本当は知ってる。 気付かないふりをしてただけだ。 この関係が心地よくて壊したくなかったから⦆

(鈍感を演じてるだけ。 私だってそれ位気付いてる。 だってずっとあなたを見てるから)

「レデリとの居心地のいい関係が変わってしまいそうで怖いんだよ」

「大丈夫だよ。 妹を信用できないの?」

「今は恋人だろ?」

「そうだったね」
レデリが嬉しそうに笑い、ショウの顔を引き寄せ二人の唇が重なる

「俺兄をやめていい?」

「やめて貰わないと私お嫁にいけないよ?」

「そうだね」

二人は綺麗に夕焼けに染まった海でもう一度唇を重ねお互いの存在を確かめ合った
毎日同じ様に寄せては返す波の様に変化のなかった二人の関係はレデリによって壊され、新たに構築された関係は寄せては返す波のように不変の物になるだろう

◇  ◇  ◇  ◇

二人がホテルに手を繋いで戻るとレデリの気持ちをみな知っていたので、自分の事の様に嬉しそうな笑顔で二人を出迎えた

「こんなに広いのに何でこの距離感なんだ?」

「スケベでエッチな犯罪者予備軍の兄さんが私の存在を近くて感じたいかと思ってだよ」

ショウとレデリは海水でべとべとになった体をさっぱりさせる為に、ホテルの部屋の大きなお風呂に二人で入っていた

「ひどい言い草だな… というか恋人になっても兄さんなんだな」

「だってこれが一番しっくりくるんだもん」
レデリが前でショウが後ろから抱きつくような形だ

⦅うなじが劇的にエロイなぁ…⦆

髪が風呂につかないように上げている

(いざ本当に一緒に入るのって恥ずかしいなぁ… いつもはタオルで隠してたし)

「あ、そういえば花忘れてた!」

「ほんとだ! 最初の目的だったのに」

「でも一番の目的は達成できたからいいや、明日も連れてってね兄さん」

「はいはい妹様」

「恋人であり妹でもあり、愛しさの二重構造だね」

「表現下手か!」

「ははは、兄さんのぬるーい突っ込み好きだよ」
レデリは楽しそうに足を水の中でバタバタさせる

「そういや何で俺の事好きになったの?」
ショウはずっと気になっていた事を聞いた

「そりゃ目を治してもらって、命も助けて貰い、輝人の私にも普通に接してくれるし優しいし甘やかしてくれるからね。 コロっとすぐに落ちた訳じゃないよ。 顔はあれだけどね」
レデリが振り向いて照れ笑いながら頬にキスをして又前を向いた

「顔はあれって… まぁその通りなんだけど…」
ショウは照れながらキスされた場所を撫でる

「大丈夫、私目悪いから」

「フォローになってないんだが?」
⦅余計な心配だったかな、今まで通り居心地がいい⦆

「兄さんはいつから私を女として見てたの?」
レデリがショウの手に自分の手を絡め、ちゃぴちゃぷと水面を鳴らす

「んー最初からかな?」

「うわっ! やっぱり姉さん達の言う通りケダモノ!」
レデリが胸を隠すように両手で抱える

「何でだよ! でもずっと女として見ないようにしてたよ。 まぁ実際は無理で結構ドキドキさせられてたけどね」

「ふーん、えい」
レデリがショウの手を掴んで胸に持ってきた

「ちょ! レデリ?!」

「前もこれした時なんだかんだ嬉しそうだったから」
レデリの表情は見えないが耳が赤い 

レデリは積極的だが恥ずかしがり屋な所もある

「これからは…遠慮しなくていいからね? 私だってしないし」

「お前はずっと遠慮なんてないだろ」

「何言ってるの兄さん。 私は遠慮の塊だよ? 最後に一つだけ残した食べ物も遠慮しながら食べるし」

「食べるんじゃん!」

「ははは、あー楽しい。 兄さんといる時間大好き。 ねぇ… 大好きだよ」
レデリはショウにもたれかかる 

背中から伝わる体温がいつもより熱いのはお互い様だ

「俺もだよ」

「じゃあギュッとして」

「こう?」

「もっと」

「このぐらい?」

「私に対する想い位」

「多分圧殺しちゃうよ?」

「じゃあこの位で我慢してやりますか」
レデリは声を弾ませ水面を鳴らした

「はなしちゃダメだよ?」

「当たり前だろ」

大きなお風呂で密着しながら愛を語らう二人の表情はお互い伺う事は出来ないがのぼせ上がってしまっているのかと勘違いしてしまいそうな位照れて真っ赤になっていた

(兄さんとお風呂入るのって)⦅レデリとのお風呂って⦆

(⦅滅茶苦茶恥ずかしい!⦆)

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