蒼炎の魔法使い

山野

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第六十四話 辛い真実と優しい嘘の交差

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「ショウ伯爵、私を殺してくれ」
膝から崩れ落ちたドウガさんの瞳は理性がしっかり宿っており絶望からの一時的な気の迷いではないようだ

後ろの方に控えているモルガは両足を投げ出して床に座りながら事の次第を見守っていた

「なんでなのお父様…」
リンデが話に割って入って来た

「私にもはや人格はない。  今はあの腕輪の効果によって理性を取り戻しているが、時期に先程の様になる、私がお前の父である内に…  殺してくれ」

「そんな…私出来ない!」

「私はもう聖職者ではない。  彼らと同じ様に人を洗脳し戦争の道具とするための手伝いをした」

「嘘!  お父様がそんな事するはずが無い!  お父様は誰よりもヒエル様の教えを…」

「ストリンデ!!」
彼女の言葉を遮る様に、何もない空間に彼の声が響き渡る

「神は…  神などは初めから存在しなかったんだ…」

「そんな筈はない!  ヒエル様はいらっしゃるわ!」

「ヒエルと言うのは人が大昔に作った存在しない神。   私は教皇から真実を聞いたのだ」

「教皇はこの大陸を裏から牛耳る組織のトップなのよ?!  嘘に決まってる!」

「…教皇しか見ることのできない初代教皇の手帳の存在は知っているな?」

「…うん」

「そこに明確に記されている。 『ヒエルとは私が作り上げた虚像。  この時代の人々には心の拠り所が必要だった。真実を知る者よ。  どうか信じる人者の為にこの事は口外しないでほしい。』 とな」

「嘘よそんなの…  じゃあ私は今まで一体…」
ストリンデは糸が切れた操り人形の様にへたり込んでしまった。
当たり前だ、今まで絶対の存在として恋い焦がれる様に信じて来た神が、ただの虚像だと知ってしまったのだから

「それを知り更に教皇達のやろうとしている事も知った。  昔の私なら止めただろうが、信仰を失った私には何が正しい事なのかわからなくなったのだ… 心が揺れながら徐々に洗脳されていく自分を良しとした。 そして私は娘と妻だけはと思い遠く離れた異国の聡明な王が治るリールモルトに向かう途中でショウ伯爵に会ったのだ」
ドウガさんは俺を一瞥して続けた

「出来れば再開は望んでいなかった…  こうなってしまうから…  ストリンデ、お前には幸せになって欲しい。  ショウ伯爵、今すぐここから逃げて私の娘を今後も守ってくれんか?」
彼の真っ直ぐな想いが痛いほど俺の胸に届いた

「言われなくてもそのつもりです、でも逃げてたら守ったことにならない、親友との大事な約束もある、だからここは引かない!  最悪リンデだけでも逃すので安心して下さい。」
目をそらさずにきちんと伝える。 何があってもストリンデとレデリだけは無事帰すつもりだ

「…決意は固いのだな…」

「…はい、大事な友との約束ですから」

「そうか…うっ… ぐ、ぐうぉぉぉおお!」
ドウガさんが突然頭を抱えて苦しみだした

「お父様?! どうしたの?」
リンデが慌てて駆け寄ろうと立ち上がろうとするが

「寄るな!」
とドウガが一喝する

「そろそろ時間だ… 頼む…今のうちに… でないと私はお前を… ショウ伯爵…頼む…」
ドウガさんの最後の頼みだ。 リンデの悲痛な想いが表情に出ており俺の心をえぐる

「リンデ…頼まれたのは俺だから…」

「…大丈夫… これは私がやらないと… お母様とも約束したから」
へたり込んでいたリンデが錫杖を支えに立ち上がり笑顔でそう告げると、父の下へとゆっくりと歩いていった

一歩、また一歩と歩を進めるごとに蘇ってくる家族との楽しかった日々。

一歩

「お父様覚えてる? 私が眠れない時はいつも本を読み聞かせてくれたよね」

「覚えているとも」
ドウガは割れるような頭の痛みを堪えて答えた

また一歩

「私が木から落ちてケガして帰って来ると、お母様も慌てちゃって転んで怪我して二人してお父様に治して貰ったことは?」

「覚えてる…」
一語一句聞き逃すまいと愛しい娘の言葉に耳を傾ける

最後の一歩

「じゃあ私が聖女になって三人はしゃいぎながら夜遅く迄話した事は?」

「覚えてるよ。 だがすまない…あの時の約束は叶えられそうにない…」
常人では耐えられないような苦痛の中彼が何とか耐えれているのは、娘と言葉を交わせる機会がこれで最後だと知っているからだろう

「初めてお父様に約束破られたね」
リンデは苦痛に耐えているドウガに笑いかけた

「…すまない… そして弱い私を許してくれ…」
ドウガの目から涙が一筋零れ落ちる

「ごめんね、今楽にしてあげるから…」

錫杖を構えて鳴る金属音は何処か悲し気音に感じさせた

そして力強く握りしめ勢いよくドウガの胸目掛けて一突き

錫杖が胸を貫き引き抜くとドウガの口から大量の血が吐き出され、ドウガの体は力を失い自然と前に倒れた所をリンデが優しく受け止める

「ありが…とう… 最後に…父でいさせてくれて… 辛い時は…誰かを…頼りなさい… そして…自由に…生きなさい…」
そう言い残しドウガは愛娘の腕の中で優しい父親のまま最後を迎えることが出来た事に安堵したのだろう、安らかな表情がそれを物語っている

力をなくし手に持っていた錫杖が床に落ち、悲しい金属音だけが虚しく鳴り響いた

リンデは父のその表情を見て優しく微笑んでいる。 何も知らなければ見惚れる笑顔だが、彼女の笑顔は俺の心を苦しくさせた

「思ったより役に立ちませんでしたね、それにあんな腕輪まで仕込んでいたなんて予想してませんでした。 お姉様位なら仕留めてくれると思ったんですけどね」
モルガは心底呆れたといった表情だ

「レデリ、リンデ、二人とも下がってて」

「兄さん。気をつけて。 ドウガさんもそうだったけど核の欠片を感じる。 多分魔術も使ってくる」

「了解」

「ごめん、ちょっと疲れたから休憩させてもらうわ。 あんたも気をつけなさい」

「…おう」
俺はいつも通りに振舞う彼女に何もかける言葉が見当たらず、そう言ってモルガに向き直った

「お前達はここまでやるのか?」

「お別れまでしっかりとさせてあげただけでも優しいと思いますけどね」
モルガはニヤニヤと笑う クソが

「蒼炎魔法【蒼炎弾】」
俺の手の平から高速の蒼い炎の弾丸がモルデ目掛けて飛んでいく

「 ※※※※   ※※※※   ※※※※ 結界魔術【吸収結界】」
俺の放った蒼い炎の弾丸がすっと結界に吸収されていった。 この術はブライケルも使ってたな

しかし今の蒼い炎…何か違っているような…

「ショウさんの事はブライケルおじさんから大体聞いてますからね、ある程度対策済みですよ」

「へぇそうかよ」
おそらくこの後も戦いはあるだろう、あまり大規模な魔法は控えたい

『エメ行くよ』

『うんお兄ちゃん!』

「『樹魔法【落葉】』」
そう唱えると部屋に彩度を失った枯れ葉が敷き詰められた

「『結晶樹魔法【ダンシングリーフ】』」
ショウの周りの枯れ葉が結晶硬化されひらひらとショウの周りを舞う

「 樹多刀嘯風弄月流…【木枯らし】 」
枯れ葉がモルガの視界を奪いショウは彼女の前から消え彼女に奇襲をかける

「どこへ行った?!」
モルガが消えたショウを探して辺りを見渡す、ショウの姿は見えないが鋭利な結晶でコーティングされた枯れ葉達が全方位からモルガを狙って迫っている

「こざかしいなぁーもう!」
モルガは鮮やかな足さばきで紙一重で躱しながら悪態をついていた

そしてショウはモルガが気を取られてるうちに頭上から静かに迫る

「上?!」
魔術士ではもう防ぎきれないはずだ

「もう遅い!」

俺が勝ちを確信すると耳に残る金属同士がぶつかる音と共に防がれた

「魔術師じゃない?! だが!」
モルガはおそらくアイテムボックスの様な物から出したのだろう、固く重たそうな棒を取り出し俺の鋭い一撃は防いだが、それによって鋭利な枯れ葉からは逃れる事は出来ず全身を突き刺された

「ぐっ… やりますね、でも ※ ※ ※ ※   ※ ※ ※ ※   ※ ※ ※ ※ 【エクスプロージョン】」
モルガは痛みを堪えながら爆発魔術を唱え俺と枯れ葉を吹き飛ばす

吹き飛ばされた勢いを咄嗟に【フライ】で制御したのでダメージはない

「お前のその棒捌きに魔術、ブライケルも使ってたな、魔術で吹き飛ばすのもあいつに似てる」
俺の攻撃でダメージを受け白い床に血を滴らせるモルガに言い放った

「そりゃそうですよ、ブライケルおじさんが降臨術で降ろしたのは私の両親で、ブライケルおじさんにも戦い方を教えてもらってましたから」

「何?」
俺がその言葉にピクリと眉を動かすと、モルガが地面を蹴り猛スピードで距離を詰め横薙ぎに払ったのを俺が刀で受け止めるが、モルガの勢いは留まる事を知らずそのまま自然に流れる様に猛攻へと移った

「私の両親の最後ってどうなったと思いますか?」
火花を散らし耳を刺す甲高い金属音を轟かせる激しい剣と棒の応酬の中、モルガは俺に問いかける

「…酷かったのか」

「お父さんはボロボロになるまでいたぶられ、四肢を切り落とさて街に晒し物様に置かれ、通りすがりの兵士達に傷口に塩を塗られたり目玉をえぐられたり、最後には焼かれて死にました。 焼いてもらっただけマシかもしれません」

「………」
モルガの攻撃が一層激しくなる。 

「お母さんも同じ様に顔の原形がなくなる位殴られ、同じ様に四肢を切り落とされました。 そして兵士達の慰み者として散々犯された挙句に餓死。 死体の陰部や肛門にはワインの瓶なんかが詰められていたそうです、笑っちゃいますよねそんな事して何が楽しいんでしょうか? 第一顔のわからない四肢欠損した女に興奮するんですか?」
モルガは呆れたように笑っていた もう涙が枯れる程泣いたのだろう。

「………」

「その死体どうなったと思います?」
俺とモルガは鍔迫り合いの様な状況になり、モルガがニタリと笑いながら質問を俺に投げかける

「…もういい」

「肥溜めに捨てられ毎日笑いながら糞尿を浴びせられてたんですって」
モルガはニコっと笑って一旦距離を取った

「家の習わしで若いうちは修道女となり修行するっていうのがあって、この国に預かってもらってたから助かったけど、何で助かっちゃったんだろう? ここで国王陛下に会ってそれを聞いた時、私泣くでもなく吐いちゃったんですよ、おかしいですよね?」
モルガは手を叩いて高らかに笑う その狂気的な光景は恐怖すら感じさせる

「………」

「私達のしてる事って間違ってますか? 皆の無念を晴らして、今なお苦しんでいるピンゲラを救う為に、沢山人を殺し、廃人を量産するのは間違ってるの? 何かを助けるのに何かを犠牲にするのはダメな事ですか?」

「わからない」

「ショウさんは自分の大事な人同じような事をされて耐えられますか?」
耐えれるわけがない。 俺だってモルガと同じ事をしてるかもしれない。 いやもっと酷い可能性だってある

「無理だよ。 だけどお前達は俺の大事な人達を殺そうとしたし、実際に親友も殺した。 それにそんな仮定した所で意味はない。 お前達が殺した親友の受け売りだけどね」

「ははは、そうですね、今更何が正しいなのかを論じるなんて馬鹿げてますよね」
モルガは悲しそうに笑い構える

「お互い譲れない、ならどっちかが死ぬまでやるしかありませんよね?」
もう対話ではどうにもならない所にまで来てしまったのだ。 この生死をかけたゲームは降りることが出来ない。

「…お前はリンデの妹的存在なんだろ?」

「あんなのただのおままごとに決まってるじゃないですか、あんな女興味ありませんよ。 ショウさんの次はあの女を殺します」
モルガがストリンデの方を見て冷たく言い放つと、リンデはとても悲しそうな顔で下唇を噛んだ

「ショウさんを塔に入れたのは血の制裁の為。 ここは沢山の廃人信者を自由自在に操る為に輝人の核を埋め込む為の場所。 死に場所にはいいでしょ? 知ってますか?核を入れると拒否反応で凄く痛いんですよ? 五人に一人位は耐えきれずに死んじゃうんです」
モルガは狂気的に笑い白い部屋のシミを見ていた

「知ってるさ、俺もやったからな」

「普通の人は破片だから何とか死なずに済みますが、ショウさんは凄いですね」
モルガは感心したような顔で笑いかける

「…そろそろ決着をつけよう」

「そうですね、意外と話してて楽しかったですよ」
そう言い終わった途端モルガの【オーラ】が爆発的に放出された。 一撃で決める気だろう。

俺も突き技【寒椿】で一撃で決める。 外しても時計仕掛けのクロックワーク魔法マジックで何とか仕留められるだろう、モルガはこの魔法の事は知らないはずだ

そして俺も【電光石火】と魔力循環加速クイックサイクルを掛け準備は整った

「氷二刀嘯風弄月流…【寒椿】」
床に小さいクレーターが出来る程の勢いで飛び出し、冷気が迸る刀で神速の突きを放つ

「ふっ」
モルガはリンデの死角になる場所に移動し、ニコっと屈託なく笑うと構えを解き両手を広げる

何かおかしい?! 俺は刀を引こうとしたが間に合わずモルガに冷たい剣が刺さり刀身から荊が放出されモルガを内側から壊した

「お前どうして?!」
刀が貫通し体中から氷の茨が噴き出し、冷気で冷え切った彼女が俺に倒れ込んできたのを受け止める

「はぁ…はぁ…私も…人の子ですからね… 辛かった…んですよ…」

「何言ってるんだ?!」

「人をね… 罪もない…人を…殺すたびにね…どんどん苦しく…なったり…」
こいつずっと自分を騙して苦しんでたのか…

「お前わざと…」

「私だって… お姉様…みたいに…男の…人に…優しくされ…たかったんですよ」
彼女は長年打ち付けられた楔から解放されたかのような晴れやかな表情だ

「お姉様の事…お願い…します…この…まま…お姉様にとって…悪人の…まま…死なせて下さい… じゃないと… お姉様…優しから…」
この位置からではリンデは彼女の表情も見えないし声も聞こえない

「わけわからない事いってんじゃねーよ! そういう事は自分で言え」
俺が【リカバリー】をかけようとするとモルガが最後の力を振り絞り俺を突き飛ばした

「…」
言葉は何も発しなかったが、彼女の表情は今までの違和感のある笑顔ではなく、何も淀みがなく純粋な心からの笑顔。 昔の彼女はこうやって人懐っこく笑っていたのだろう

「モルガ!」

「ゴミカス野郎の貴方には名前で呼んでほしくないです」
出会った時に言われた辛辣な言葉と屈託のない笑顔を残し、彼女は胸に手を当て輝人の核に埋め込まれた魔術を起動させた

「い、いやぁぁぁぁあああ!!」
リンデの悲痛な叫びが部屋中に木霊す

モルガの体は核に埋め込まれたエクスプロージョンで木端微塵になり、彼女が元居た場所の辺りに、肉の破片や千切れた内臓が鮮血と共に色のない部屋を紅く彩った

「モルガ… モルガ… モルガ…」
リンデは彼女だった物の近くに駆け寄り、彼女の名を呼びながらうつろな目で散らかったただの肉片や臓物を、腕で抱きかかえる様に集めている

クソ、ブライケルもモルガも… 何でそんな後味悪いんだよ… 何でそんな方法しかなかったんだよ… どうしてお前らは悪人になりきってくれないんだよ…

「兄さん…」
肉片や臓物が、空気に触れた事で粘着性を帯びて来た血液と混ざり合いネチャネチャと糸を引くような音しか聞こえない部屋で、何もできずリンデの背中を眺めているだけの俺にレデリが声をかけて来た

「ストリンデさんが…」

「わかってる。 でもどうしたら…」

「姉さん達にいつも助けて貰ってるでしょ? 同じ事したらいいよ」

「ルーやフララと同じ事…」

「私ちょっと外に出てるから、何かあればすぐに戻れる所にいるから心配しないで」
そういうとレデリは外に出ていく

俺はそっとリンデの下へ行った

「モルガ… モルガ… モルガ…」

彼女の呟きの一つ一つがズシリと重く心にのしかかって来て、俺の方が耐えきれず感情が露となって目から零れ堕ちそうになる
後ろからそっと肩に手を置いた

「…リンデ」

「モルガ… モルガ… モルガ…」

「リンデ…モルガはもう…」

「…やっぱりそうなんだ…」
彼女は肉片を集めるていた手を止めた

「うんわかってるよ。 大丈夫。 私大丈夫だから」
リンデが母親、父親、モルガの血に塗れたその顔で、いつもの様に綺麗な笑顔を見せる

「リンデ…」

一度に訪れた悲しみは積み木の様に不安定に積み重なっており、モルガの最後の計らいがなければリンデの心は音を立てて崩れてしまっていただろう
モルガはそれを危惧してあんな事を最後に…

「一度に三人も大好きだった人いなくなっちゃった」
彼女は笑顔を保ったままだ

「………」
かける言葉が見つからない。 こういう時自分を殺したくなる。 一人が長すぎたせいで適切な言葉が頭の中の何処にも見当たらない…

「楽しかったんだよお母様とお父様が居て、いつも後ろをついてくるモルガが居て、モルガは私の事なんてどうでもよかったみたいだけど…」
血で汚れてない所なんてもうない。 だがそれを汚いなんて思わない。 彼女の纏った紅色は彼女が大事にして来た人の中を流れていた紅なのだから

「………」
モルガの事は言えない。 言えば彼女を壊すことになるしモルガの気持ちも踏みにじる事になる。 俺が少し重みに耐えればいいだけだ。

「でも私は聖女だから。 こんな事位へっちゃらだよ」
嘘だ、今の彼女の心は後少しの衝撃で、粉々に粉砕してしまう程脆く繊細で儚い飴細工の様だ

「リンデ…」

「ねぇ…私… いつまで笑っていればいいのかな?」

そう言って聖女らしく笑う彼女の笑顔に、直接心臓を握られているかのような強い痛みと共に胸が締め付けられる
俺は耐えきれず彼女を力一杯抱きしめた

「もういいよ… お前の前にいるのはいつもケンカばかりするただの冴えない男のだろ? そんな男の前で聖女らしくなんてするなよ」

「そうね、毎日無気力で自堕落な女誑し… 聖女にこんな事したら普通は大変な事になるのよ?」

「今のお前はただの赤い綺麗なゴリラだろ?」

「本当に失礼な男ねあんたって」
リンデが抱きしめている俺を引き剥がす

「…ねぇ向こう向いて…」
俺は言われたとおりに反対側を向き背中を見せる形となった

「ごめん少しだけこうさせて」
リンデは俺の背中に額を預ける

二人の間に特に会話はなく、暫くの間彼女のすすり泣く声だけが俺の鼓膜と心を震わせていた
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