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第七十八話 ダウト!!
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「どうしたのじゃ主様?」
俺がルチルをチラチラ見ていた事を気付いたみたいだ
「るっちーのその格好がいけないんじゃない?」
レデリが桜色の髪を指でクルクルしながら、目を細めて思春期の少女が父親にブルマを履いてくれと懇願された時の様に冷たい視線を俺に送る
「刺激的すぎなのですよぉー!」
シャロは手で目を隠しているが、隙間から見るのはお約束だ
本日はレデリ、ルチルをお供にデルベックへと向かっているのだが…
「お前のせいだろ!」
ルチルはいつもの10歳位の姿ではなく17位にまで成長した姿で、いつもぶかぶかのTシャツが胸のボリュームよって張り裂けそうな位胸が強調されている事により服の丈が上がり、くびれたセクシーな腹部が露わになっていた。
肉感的な体になったせいていつものショートパンツの上の方のボタンが閉まらず開けっ放しで後一歩で下着が見えそうで見えないのが余計にそそる!
雑誌やスマホの画像なら間違いなく傾ける場面だ
「あのまま姿では舐められるかもしれんからの! 妾が舐められるという事は主様が馬鹿にされるのと同じじであろう?」
…どうでもいいんだが?!
「聞いた事あるけど獣人同士は対抗意識が強いんだっけ?」
「レデリさんの言う通りなのです、シャロはルチルさんの気持ちわかるですよ!」
マウント取りたがる感じだ、現代ネット社会に置き換えると、低学歴w 低収入ww 社会のド底辺wwwって上に立ちたがるあれか?
「な、なんなのじゃ主様のその目は?!」
「いやなんか獣人社会の闇を感じたと言うか… っていうか真冬なのに何で夏みたいな格好なんだよ」
「服着始めたのは最近なのでな、厚着は慣れんのじゃ…」
生脚はそれはそれで魅力的なんだけど、是非タイツにそのムチムチセクシーな脚をねじ込んで欲しい。 でもあれ結構な技術だと思うんだよなー
異世界主人公達はマヨネーズやウォシュレットとか銃火器等で異世界無双けど、俺はタイツで無双するぞ! エクランに戻ったら研究だ!
「兄さんなんかやらしい事考えてない?」
「いや、非常に高尚な事を考えてるぞ!」
「内容は?」
「タイツと言う履くタイプのエロを量産して世界中に普及させるのだ!」
「兄さんの作ったメイド服は至る所でみるようになったけど、また何か作るんだ」
レデリにもしっかりと履かせてやろう、年齢的には制服に紺のソックスのが似合うかな?
「脱着可能なエロなのです?!」
シャロには短い緋袴に白ニーハイで確定だな、絶対領域がたまらないだろう
「流石主様! エロから世界を掌握するというのじゃな?!」
ルチルは… タイツもいいがニーハイも捨てがたい…
ニーハイって凄く素晴らしい物なんだけど何故かメンヘラ臭がするのは何でだろう?
まぁ取り合えず見てろよ異世界、俺の現代知識を使って履物革命を起こしてやる!
俺の決意が固まったところで旅を再開し、日が暮れる頃には獣人国家デルベックの城壁が見えてきた
もうすぐだ… もうすぐケモミミパラダイス…
俺達が入国の為に列に並ぶと狼の獣人達がこちらをの方を見て驚いてはヒソヒソと何かを話しているが、ルチルの話題だろう。
この目のやり場に困る格好と、キリッとした目元と鼻筋が綺麗に通っている事によりシャープな印象を与え、足が長くモデルの様なスタイルに加え毛先に軽く癖のあるマットな灰色の髪が彼女をかっこいい系美人へと引き上げている
子供の時は愛らしく守ってあげたくなるが、この姿のルチルには是非守ってもらいたい!!
なんて事を思っていると、血相変えた狼の耳兵士が金属製の鎧の音を鳴らしながらこちらへと駆け寄より、ルチルを見た途端突然その場で跪いた事に俺達3人は驚き顔を見合わせていると、彼が顔を上げないまま口を開いた
「その髪の色、それにこの圧倒的な威圧感。 貴女様は雷神狼様ではございませんか?!」
「その通りじゃが… 一体これはどういう事なのじゃ?」
ルチルも状況が分からず困惑気味だ
「貴女様は我々狼族にとって神に等しい存在、お帰りをお待ちしておりました」
彼は涙を流しながら歓喜に震えていた。
信者乙! 愛が重いわ! 呟くたびに毎回リプ送るタイプだろお前!
「とりあえず城の方まで御同行願えますか?」
「主様どうするのじゃ?」
「主様?! 貴方達は雷神狼様の従者ではないのですか?!」
「ルチルは俺の抱き枕ですけど…」
「何?!… 雷神狼様に触れる事が許されているだと?! 何と羨ましい!!」
おいエロい目で見てんじゃねぇ
兵士の崇める様な態度から悪いようにされないと思ったので兵士の願いを聞き入れた。
あわよくば図書館も利用したいしな
獣人国家デルベックの建造物はオレンジ色の屋根で統一され、ドアや窓の扉はカラフルな色に塗られておりしっかりと地面も整備されて国としては豊かなのが伺える。
そして城に入ると飾りなどは最小限に留め、実用性重視と言った印象だ。
「こちらで王がお待ちです」
兵士がそう言って開いた両開きの扉の先には王座に王冠を被りどかりと座る30歳程の狼耳の男、その隣には同じく30歳程のシャロと同じ配色の狐耳を持つ女性、恐らく王妃だろう女性がシャロを一瞥したがルチルに視線を向けた。そして…
「ショウ殿。」
「カーティムさん?!」
イスブロンの賭け試合の決勝戦でぶつかった狼族の剣士だ
「カーティム、知り合いか?」
王が少し驚いた様に俺とカーティムさんを何度か見た
「我が負けた男。」
「何? こやつがか?! 本気で無いとはいえ、この国一番の剣士のお前を倒せる者がおるとはな…」
王は未だに心から信じてはいないと言った様子だ
「私はこの国の国王、ヨルラドだ。 そちらにおりますのは雷神狼様でいらっしゃいますね?」
「確かに雷神狼じゃ」
ルチルは偉そうに頷いた。 何だそのキャラ設定は
「この国の兵士の7割は狼族、望んではいないが近々戦争になるかもしれないこの時期に現れて下さったという事は、この国を導く為ですね? 貴女様が居れば兵の士気も高まり戦争にも難なく勝てるでしょう!」
国王は熱弁を振るうが正直知ったこっちゃない… それにヴァンゼンの人達と同じ事言ってんな
「…盛り上がってる所悪いがここに来たのはそう言った理由ではないのじゃが…」
「そ、そんな?! ではどう言った理由で?!」
「…主様がケモミミパラダイスへ行きたいと言い出して聞かんからきただけなのじゃ」
「……え?! 主様?!」
俺達を見るが、国王は主っぽい威厳のある者を見つけられず狼狽していた
「ここにおる男が妾の主なのじゃ」
ルチルが仕方がないと言わんばかりに俺を指さすと、国王の目は驚愕に見開かれ
「こ、このような男が雷神狼様の主だと?!」
と部屋中に響くような大きな声で叫んだ
「おい貴様、妾の主様を愚弄するか? この場で殺すぞ?!」
ルチルの体が電気を帯び表情もかなり険しくなっていく
めっちゃ怒ってる! 俺の為に怒ってくれるのは嬉しいんだけど一応王様だしそれはまずいぞ?!
「ルチル、俺は良いから抑えて」
少し前に出たルチルを後ろから羽交い絞めにするが
「無理なのじゃ! 放すのじゃ!」
と言いながらジタバタと暴れる
「何でだよ!」
「じゃあ主様はレデリをバカにされて抑えれるのかえ?」
「………よし殺そう!」
暴れているルチルを放し飛び出そうとすると
ゴツン
「何すんだよ、レデリ」
今まで黙っていたレデリが俺とルチルの頭をゴツンと叩いた
「兄さん達バカなの? 死ぬの?」
鬼の形相で俺達を叱るレデリのおかげで冷静さを何とか取り戻せた。 この若さで俺の母親を超える貫禄… 間違いなくレデリには尻に敷かれるな…
…ルチルにまんまと乗せられてしまったか… あいつ侮れんな…
「レデリ酷いのじゃ… ちょっと懲らしめようとしただけなのに…」
ルチルを見ると殴られた後頭部を抑え痛そうに蹲っていた
「…ついカっとなってやりました…」
「どこかの犯罪者みたいな事いうのやめてくれない?」
レデリは呆れながらため息をついた後、一歩前に出て国王に向かって口を開く
「という事で国王陛下、私達はただ観光の為にこの国に寄っただけです。 それと少し調べ物をしたくて」
「ほうその調べものとは何かな?」
「薬学の事もそうですし、大精霊の事や魔術の事など様々です。 禁書も含め全ての本を観覧させてもらいたく思いますがいかがでしょう?」
流石レデリだ、俺が言いたかったことを言ってくれた
「禁書も含めてか… それは些か難しいな」
「それは雷神狼様が同じ事仰ってもですか?」
「む… 雷神狼様が言うのなら… 断ることなど出来ん… 我々にとっては神同然なのだからな」
レデリがニヤリと笑う。 言質は取とれたな。
ルチルが居る時点でこの国はイージーモードなのだが疑問に思っていた事を聞いてみることにした
「そもそも何故雷神狼が神の様な存在なのですか?」
「雷神狼様は私達狼族の始祖だからな」
レデリもジュエルタートルが作ったと言っていたし、この世界って魔物がルーツになっている人種が多いのかな?
ルチルがすぐに雷神狼ってわかったのは流れている血に刻まれてるとかそういう事か?
「それじゃあ王よ、主様の為にも妾の為にも頼む、図書館への入館を許可してたも」
「雷神狼様に直接言われては仕方ない… この国の大図書館でそなたの名前を出せば入れるようにしておこう」
俺が少し考えているとルチルが追撃と言わんばかりに王に頼んでくれた事によって、渋々という感じではあるが許可を貰えた
「助かります」
「我聞きたい。」
俺が頭を下げると突然武士キャラのカーティムさんが話に割って入って来た
「雷神狼様とお主。 番?」
「ち、違うのじゃ! 妾が主様と戦った時に妾が負けて契約をしただけなのじゃ。 強い物に従う、当然の事じゃろ?」
そんなに必死に否定しなくてもいいのに…
「至極当然。」
そしてカーティムさんはルチルの前に出て跪いた
「番になってほしい。 我の一目ぼれ。 結婚してくれ。」
いきなり神にプロポーズしやがった!
「な、何を言っておるのじゃ! 妾は弱い男に興味はないから諦めてくれんかえ?」
「雷神狼の主倒せば、番なってくれるか?」
ルチルが困ったようにこちらを見る
「ルチルはどうしたいの?」
「ぶぅ…」
ルチルが少し涙目になり頬を膨らませる
「はぁ…兄さんは本当にダメダメだねぇ… 女心がぜーんぜんわかってない。 るっちーがどうかじゃなくて兄さんはどうしたいの?」
俺は… あんな抱き心地のいい抱き枕は絶対に渡したくない! こいつのブラッシングは俺の仕事だ!
「すみません… カーティムさん…ルチルは俺にとっても大事なんです、そうそう簡単に渡すわけには行きません」
ルチルが顔を赤くして頬を緩めた
「雷神狼様は言った。 強い者に従う。 我勝てば貰っていく。」
一見剣一筋で女子興味ない振りして興味津々のロールキャベツ男子かよ、押しの強さが凄い
こっちに来て大分成長したけど前の俺なんて恋愛に関してはマクロビ男子だったし… 女性なんて一言話せるだけで好きになりかけたからな
「では私が見届け人となろう、勝負は一週間後でどうだ?」
国王はノリノリだな、まぁカーティムさんとくっつけばこの国にルチルが居る事になるしこの国にとっては良い事尽くめだわな
大事な抱き枕を取られるわけにもいかないし、逃げちゃダメだ!
「良いでしょう、では一週間後に」
その後国王がどうにかこうにかこの国にルチルを引き留めようとあれこれ提案してきたが華麗に躱し、その場を後にしたのだが俺は何も言わずその場にただ立ち尽くしていた狐耳の女性に引っ掛かりを覚えた
どっかで見た事あるような気がするんだよなぁ… どこだっけ?
「兄さんどうしたの?」
城を出て観光へと繰り出そうと街へ向かう道中レデリが声をかけて来た
「いやちょっと考え事… っていうか一週間後の勝負どうしよう…」
「どうしようって、受けたからには戦わないとでしょ?」
「そうなんだけど、あの人めちゃめちゃ強いんだよ? 一週間しかないけど師匠のとこ行って修行しないとだな…」
あの妙なテンションの骸骨の相手をすると思うと少し億劫だ…
「主様、妾嬉しかったのじゃ…」
ルチルは嬉しそうに頬を緩ませ耳をピクピク動かし尻尾は激しく揺れていた。 愛いやつ愛いやつ
「そりゃ大事な抱き枕だからな、なくちゃっ困る!」
「「「………」」」
「何?」
「事実なんだろうけど、言い方を変えようよ兄さん」
レデリのジト目から送られる視線がチクチクと痛い
「思ってたんと違うのじゃ…」
さっきまで嬉しそうにぶんぶん振っていた尻尾が垂れ下がってしまう。 ごめんて
俺達がいつものように和気あいあいと談笑しながら街の方へと進む中、シャロは足を止め複雑な表情を浮かべ口を開いた
「シャロはここまでなのです」
「そっか…約束はデルベック迄だったね…」
なんだかんだちょっと寂しいな…
「なぁシャロ… これからも冒険者やるなら俺達と…」
俺は手を出しながら話すが
「シャロは行くところがあるのでサヨナラなのです! また会えるといいのですね! それじゃあ!」
と言ってシャロは俺の言葉を遮るように言葉を被せ、挨拶もそこそこに俺達の向かう方とは別の方角へと消えてしまった
俺はその背中を何とも言えない気持ちで見送っていると、レデリが後ろから抱き着いて来たので俺も手を握る
「行っちゃったね… 兄さん寂しい?」
「まぁそりゃね、でも俺にはレデリ達がいるから」
「今日は妾を抱いて寝ればよかろう?」
「いや今の姿のルチルはちょっとそれだけじゃすまないっていうかなんて言うか…」
「スケベ…」
「レデリ覚えておけ、男って言うものは基本的にエロイ事しか考えてない」
「じゃあ…私とその考えてるエロイ事してみる?」
背中に感じるレデリの胸の感触…
「マジ?」
「…バーカ」
そう言うとレデリは俺から離れ手を取った
「ほら行くよ!」
くそ、からかいやがって!
「待つのじゃ二人共!」
シャロとの別れは寂しいけど、また縁があればきっと会えるだろう… 新巫女服も着せたいしな…
ショウは知らない。 シャロとの再会がどんな運命をたどるのかを。
◇ ◇ ◇ ◇
一人の少女が城のとある一室へと人目に付かない様に入室し、ベットの端に座る30歳程の女性に向かって口を開いた
「母様ただいま戻りました」
「よくやったよヴェルリナ、ところで何だいその変な恰好は」
「今回必要だったので」
「そうなのかい、もう終わったのだからそれは捨てなさい」
「………」
「どうしたの?」
「いいえ何でもないです」
「まぁいいわ、さぁこっちへおいで」
少女が母と呼んだ女性が少女を手招きする、少女が頼まれた事をしっかりこなしたご褒美を与える為だ
「はい…」
少女が母と呼んだ女性の下へ行き跪くと母と呼んだ女性が少女の頭を優しく撫でた
「あの女王を殺すのは失敗したのかい?」
「はいですが、雷神狼の毛を残して来たので、いずれこの国に来ればあの者の毛だとわかり戦争になる事は確実です」
「そうかい、それなら上々だね。 流石私のヴェルリナだね」
母と呼んだ女性が優しい笑顔で頭を撫で続ける
「ありがとうございます」
「それであの男はどうだい? 使えそうかい?」
「一度口づけをするのには成功しまいしが、二回目は邪魔が入り叶いませんでした」
母と呼んだ女性の表情が先程の優しかったものから一変、険しい物となる
「言ったわよね? 二回口付けをしないと術が完成しないと!」
母と呼ばれた女性は少女の頬を強くぶった
「すみません。 ですがある程度ならこちらの自由に動かす事が出来ます」
ぶたれて赤くなった頬などは気にもせず淡々と話しを続ける
「全ては母様の計画通りです」
「本当だろうね?」
「はい… 私の紫の瞳を見れば起こった事全てを幻だと思いこみ忘れてしまうぐらいには体内に魔素を流しましたので」
「上出来だよ、流石私の子だね。 さっきは悪かったね、さぁ続きをしよう」
「はい…」
母と呼ばれた女性は少女の頭を再度優しい笑みを浮かべで撫でる
少女は知っている。 この愛が本物ではなくただの幻だと
母と呼ばれた女性も知っている。 彼女が紛い物だと気付いている事を
それでも少女は離れる事が出来ない、例え幻だとしても紛い物の愛だとしても、それは少女が一番欲した物に一番近い物なのだから
母と呼ばれた女性もそれを知っている、 少女の一番欲しい物は、自分が一番欲しい物でもあるのだから。
少女は獣人国家の国王とその妻の間に生まれた王女なのだが、愛情などは一切与えられなかった。
何故なら国王は二国の会談の度に顔を合わせる草人国家の女王に幼少期から心を奪われており、好きな人との子では少女には愛を注げなかったのだ
王妃も夫婦生活がなくなったのを子供のせいだと思っており、むしろ憎らしいと思う程愛情を持っていない
草人は草人としか一緒にはなれない、これは草人国家のルールなのだが獣人の国王は自分の感情をどうしても捨てることが出来なかった
だが国には世継ぎが必要な為結婚をしなくてはならず仕方なくしたのが現獣人国家の王妃だ。
彼女も幼少期の頃から彼が好きで結婚が決まった時は天にも昇る思いだったのだが、一転結婚生活は酷い物だった
会話もなく夫婦の営みも義務的で、二人の子を設けたが世継ぎが産まれてからは夫婦の営みは完全になくなっており、我が子だというのに国王は愛情などは一切持っておらず娘などは何年も会わず顔も分からない程だ。
というのも月に二回行われる二国間の会談の席で、愛しい女王に会う事で頭が一杯で妻や子供の事など考える事ができなかったのだ
王妃の目的は夫に振り向いてもらう事。 色々試したのだが効果はなく、最終的にあの女さえいなくなれば…という思考に至り、ついには自分の娘を使って草人国家の女王の暗殺を思いつき実行した
暗殺は失敗したが、戦争を起こせば娘を使ってショウを動かしどさくさに紛れて堂々と殺せるし、バレた所でこの女が勝手にやったと、誰も王女と知らない女を切り捨てれば済むだけなのだから決して危ない橋でもない
利用する為だけに少女の幻の愛を与え続ける母を、少女は最早母とは認識できないでいるが、だからと言って離れる事もできない
母も母なら子も子なのだ
少女は霧の街で出会った敵に言われた事を撫でられながら思い出していた。
『誰にも認識されずに生きているだけの人と、死んでいるが誰かに認識されている人、それはどっちが本当の意味で生きていると言えるのでしょうか?』
認識出来ない幻に認識されて生きてる私は生きているのでしょうか?
ねぇショウさん? あの時私が貴方の手を取っていたら私は貴方達と一緒にいれたんですかね? 皆と騒ぎながらご飯食べたり、フララさんにされたように優しく抱き締めてもらえたりしたんですかね? シャロなんていう女の子はいないって言ってもいつもみたいに優しく頭を撫でてくれたんですかね? こんな紛い物じゃなくいつもの様に暖かく包み込むような優しさで…
………そんなの無理ですよね… フララさんとの約束破ってしまったし… 私嘘つきだから… 嘘つきには偽物がお似合いですよね…
「どうして泣いてるんだい、ヴェルリナ」
「母様にこうされるのが嬉しくて」
「それはよかった。 愛してるよヴェルリナ」
「私もです母様」
………嘘つき。
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本文中&表紙のイラストはへるにゃー様よりご提供戴いたものです(掲載許可済)。
へるにゃー様のHP:http://syakewokuwaeta.bake-neko.net/
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