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第百十七話 サンレヴァンの悪夢
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ペネアノから北西に少し行った所にある平原に、約500体程のアンデットがサンレヴァン軍を迎え撃とうと布陣を敷いていた。
人型、獣型、様々な種類のゾンビがいるが、一際目を引くのは、腐敗が進み爛れた皮膚から赤黒い骨を覗かせるドラゴンゾンビと、皮膚や内臓が全て腐敗しきってしまい、骨だけになった、スカルドラゴンで、これだけ強力なアンデットを従えているのに、主力ではないというのだから驚きを禁じ得ない。
春の陽気などという、思わず誰もが浮き足立ってしまう心地よさとは無縁である不死の軍勢が、今か今かと生者の肉を喰らう時を待っている。
フラミレッラがそんな禍々しい軍勢の下へ戻ると、明らかにふざけているとしか思えない仮面を付け、錫杖の様な物を退屈そうにシャンシャン鳴らして、彼女を待っていた者を視界に捉えた。
「何の用だったのだ?」
王座に座るかの如くトラ型の魔物、ニコレーナにどかりと腰掛けたフラミレッラに仮面を付けた者が声をかける。
「彼が戦力増強の為に魔物を合成するから、何体か見繕って欲しいって事だったわ」
「魔物の合成とはまた突拍子もない事を言う」
フラミレッラは目の前で変な仮面を付け、腕を組んで何度も頷いている者を見て、深いため息を吐き出した。
「で、ストリンデ、何の用なのかしら?」
「ス、ストリンデ?! 一体どこの聖女だそれは?! そんな美人俺は知らんぞ! 俺は正義と共に歩む者、ドリンだ!」
聖女は国同士の争いに関与できないから変装するのは仕方がないかもしれないけど、やるならもっとちゃんとやるべきよ。
それにドリンって何よ、ちょっともじっただけじゃない。
仮面はつけているけど、声と話し方を少し変えただ。何故こんな粗末な変装で誤魔化せると思ったのかしら? 遠回しにバカにしてるの?
それに、結構自己評価高いのね。
「助けに来た、という感じではなさそうね?」
「いいや、助けに来たのだ。サンレヴァン軍の方をな」
「あらどうして? 貴女達の様な女は国同士の戦いには関与しない筈だったんじゃないの?」
「然り。だが……君は……例え兵が退却したとしても、構わず全滅させるだろう? 悪戯に殺される者を放ってはおけない」
女って所、否定しなくていいのかしら? さっき一人称俺だったと思ったけど……この子、しっかりしてる風味だけど抜けてる所も多いのよね。
「流石の慧眼ね、聖女様」
「お、俺は聖女じゃないぞ! 正義と共に歩む者だ!」
あっ、そこは否定するんだ。
酷く動揺したみたいで、激しく手を振って否定するから、錫杖の様な物がシャンシャン鳴って少し耳障だわ。
「君の能力の効果範囲は広い、兵士は最悪仕方がないにしても、街の者まで巻き込みかねん。その中にはレデリという娘も居て、怪我人を癒しているのだ。今彼女が居なくなっては怪我人達も困る」
確かにそれはあるかもしれないけど、一気に殲滅した方が何日にも渡って戦わなくて済むし楽なのよね。
そもそも私とストリンデでは水と油、元々考え方が違い過ぎる。
共通点と言えば、本人はまだ否定するだろうけど同じ人を好きな事ぐらい。
兵士や街の住民なんて知った事じゃないけど、レデリがいるんじゃ仕方がないわね、魔力を扱える彼女なら【腐敗】の力を全開にしても一撃で死ぬ事はないだろうけど、大事な妹を傷付ける訳には行かないから。
それにどうせこの子は頑固だから一度決めた事は曲げないし……
「はぁ、わかったわ、好きになさい。深追いはしない。ただしこちらに刃向かって来る以上、こちらも相手をしなければならないから、それは邪魔しない事。それでいいわね?」
「いいだろう! 感謝する! 【セイントサークル】」
白い光がストリンデを中心として広範囲に展開されると、30体程のアンデットが神聖な力に耐えきれず消滅した。
【セイントサークル】はアンデットの力を弱め、神聖属性の威力を高める魔術で、力の弱いアンデットはサークル内にいるだけ消滅してしまう。
「……ねぇ、ストリンデ、邪魔しないでって言ったわよね?」
現在ストリンデの仮面と顔の表層との間の温度は急上昇しており、大量の汗が彼女の顔から噴き出していた
「ち、違うの! 一応街の為に保険でやっただけなの! まさか消滅するなんて! 邪魔するつもりなんてないんだから! ごめんなさい!」
フラミレッラの鋭い視線に、演技するのも忘れて平謝りだ。
ストリンデっていうのも否定しないのね、ドリンっていう設定は何処にいったのかしら?
「まぁいいわ、あれくらいで消えるなら肉壁にもならないんだから。それに直ぐに補充できるしね」
そう言って意味深に笑う、フラミレッラの笑顔に言い知れぬ恐怖を感じてストリンデの背筋が凍る。
「さて、来たみたいよ」
土煙と共に現れた約3000の軍勢が、前方で前のめりになって待ち構えている不審なアンデットの集団に気付き、指揮官の指示の下、迅速に鶴翼の陣形を取った。
V字型に兵を展開するこの陣形は、大勝、または大敗をもたらす陣形としても有名ね。数の少ない私達を包囲して一気に殲滅するって魂胆かしら?
確かに普通なら数の利もあるし、被害を最小限に抑えつつ最大限の成果を望めるいい判断だと思うわ。そう、普通ならね。
サンレヴァン軍は己を奮い立たせ、鼓舞する為に、勇ましい声を発しながら、調和の取れたリズムで槍の石突を使って地面を叩き、大地を揺らす。
サンレヴァン軍の特色は槍や弓の扱いに長けている者が多く練度が高い、そして最大限の特徴は……
「あれが精霊化よ、中には神聖属性を持つ精霊も居るから、気を付けて! そんなのにトドメを刺されたら上位アンデッドと言えども消滅よ!」
精霊の国とまで呼ばれるサンレヴァンの民達は精霊との繋がりが深く、皆が大なり小なり精霊の恩恵を受けている。
その中でも精霊と密に心を通わせる事が出来た者が至れる境地、それが精霊化。
精霊化した者は体に模様が現れたり、服装が変わったりと変化は様々だが、身体能力が大幅に向上するだけでなく、独自の精霊魔術が使える様になるのが最大の利点だと言える。
そんな精霊化したサンレヴァン軍の気迫は、練度の低い兵士なら腰を抜かしてしまう程の物だが、フラミレッラ達はどこ吹く風だ。
「フララ、何か作戦でもあるの?」
これじゃあもう仮面を被っただけのストリンデじゃない、せめて口調や声色位は演技しなさいな
「いいえ、特にないわね。一策を講じるまでの相手とも思えないし」
私の考えでは今回一番本気でペネアノを取りに来ているのはサんレヴァンだけ。
他の国々は勝った後に行う戦後処理での各権利の主張が本当の闘いだ。
まぁいきなり関係のない私達が出張ってきてそれも叶わないでしょうけど。
国の運営が立ち行かない程の財政難に陥っているサンレヴァンからしてみればこの戦は起死回生の一手、その証拠に他の国々よりも投入した兵が多い。
オートマタを狂わせるあの装置の存在を吹聴して、ペネアノから得られる利益をチラつかせ今回の同時攻撃を仕組んだ輩がいる訳だけど、サンレヴァンはまんまと乗せられた感じね。
アンデット大群を見ても驚かず速やかに攻撃態勢を整える事が出来たのは、相手に情報伝達に長けている者が居て、初めからここに私達が居る事を知っていたからに他ならない。
本隊の大隊は、守りが薄いと思われている、というよりも思わせた西側からくる、実力者が固まっているのそっちだと思う。
この兵達は、数だけを集め、私達を速やかに殲滅する為だけに組まれた物なので恐れるに足りない。
まぁ確かに普通、このアンデット達ならあれだけ居れば十分すぎるわね。ただし、普通ならね。
そうこうしている内に敵の思惑通り囲まれ、V字の両翼に居る弓兵の放った大量の矢がフラミレッラ達に向かって飛んで行く。
「ぎゃー!!」
ストリンデは大声を上げながら近くにいたゾンビの胸倉を掴んで肉壁とし、飛んでくる矢を全て防いだ
「貴女……結構酷い事するのね。聖女なのに」
「わ、私は聖女じゃない!」
一人称が私になってるわよ、聖女の所しか今の所否定出来てないけど大丈夫なのかしら?
「行きなさい」
矢からフラミレッラを守る為、翼で包み込む形になっていたドラゴンゾンビ達に命令すると彼らは両翼の弓兵達の下へと駆けて行く。
そしてサンレヴァン軍の悪夢は始まるのだった。
◇ ◇ ◇ ◇
俺は死んだことはない、だから地獄がどんな場所かなんて知らない。
だがもし本当にそんな場所があるとすれば、それはまさに今居るここではないのだろうか?
幾多の戦での功績が認められ、サンレヴァン軍でそれなりの地位を築いてきた俺ですらこんな戦場は見たことがない。
「報告! 両翼の弓部隊、全滅しました!」
「知っている。あのドラゴンゾンビとスカルドラゴンは必ず神聖属性が扱える者10人以上で囲んで精霊魔術で援護しろ! 精霊化出来ない者は他のアンデッドの対処に当たれ!」
俺は精霊と視覚を共有する事が出来る、精霊を上空に放ち、戦況を速やかに把握して的確な指示を飛ばして戦を有利に進めるのが俺のやり方だ。
この視覚共有が出来る者は数少なくかなり重宝される。
サンレヴァンの知将、ハミルドの指示に従い赴いた北西に陣を敷くアンデッドの討伐。
彼の予想した通り、このアンデッド達は誰かの意思の下に行動し、ペネアノの防衛をしており、早めに叩いておかなければ必ず邪魔になる存在なのは間違いない。
その誰かは一瞬で分かった、何故なら虎型のアンデッドに腰掛け半透明のレイスに給仕されたお茶を楽しんでいる、明らかに場違いな女がいたからだ。
隣にいるおかしな仮面をつけた者は側近か何かだろう。
だが何故上位の神官しか使えない【セイントサークル】が大規模に展開されている?
あれはアンデッドの力を削ぐ魔術、あの仮面のやつ、本当にアンデットの味方なのか?
「報告! リオス隊、スカルドランに全滅させられました!」「同じくアルバ隊、カイズン隊、ドラゴンゾンビよって全滅!」
「クソッ! 鑑定班の報告はまだか!! 急げ!!」
ドラゴンゾンビ、スカルドラゴンというのは種族名ではなく総称であり、大事なのはどんなドラゴンが素になったアンデッドなのかという事だ、相手の能力が分からなければ対処のしようもない。
精霊化して能力が大幅に上昇しているにも関わらず、立ち向かっていく兵達は、鋭い爪で切り裂かれれば上半身が吹き飛び、牙を突き立てられれば為す術なく餌となる、魔術を発動しようにも大地を揺らす程の咆哮に竦んでしまい、詠唱を中断されられ発動すらままならない。
「たった今報告がありました、右翼のドラゴンゾンビの正体はブラックカーズドラゴン! 左翼のスカルドラゴンはリバースドラゴンです!」
「馬鹿な! 実在する訳がない! あんなのは作り話じゃないのか?!」
人にしてみれば遥か昔、仲の悪かった二匹の竜が大陸全土を巻き込み激しく争った。
その二匹のせいでこの大陸の多くの村や街、国さえも争いに巻き込まれて滅んだとされており、別大陸にあるリールモルト王国の辺りで冒険者に打ち取られたと言われる災害竜、それがブラックカーズドラゴンとリバースドラゴンである。
実際に打ち取ったのはフラミレッラなのだかがそんな事を知る術は彼らにはない。
「あれは……まずい! すぐにあのドラゴンゾンビから離れる様に伝えろ!」
ドラゴンゾンビが空へと羽ばたき大きく口を開くと、命令に従いその場から脱出しようとした試みも虚しく、兵達全て飲み込む程の広範囲に黒炎を吐き出した。
黒炎が直撃した兵達は死を覚悟したが、兵達は誰一人死んでおらず、黒炎は消える事なく兵達の体を包み込み燃え滾っている。
「黒炎に包まれてますがダメージはなく、兵達は全員無事です!」
安堵した様な部下の声はしっかりと耳に届いている、だが返事は出来そうにない。あの黒炎、伝承通りなら……
黒炎に包まれている兵の一人がガタガタ震えて倒れると、同じ様に次々と他の兵も倒れて行った。
「あれは熱を奪う黒炎、【凍れる炎】だ……あれを食らったら最後、熱を全て奪うまで消える事はない……」
彼の言った通り黒炎は兵達の体温を奪っていく、体温が奪われれば血液の粘性が増す事により血管が収縮、心機能に多大な負荷をかけ、やがて心機能は停止に追いやられる。
全ての黒炎が消えた時、その場に居た者全てが死んでいた。
余りの事態に皆が言葉を失い重苦しい沈黙がその場を支配していたが、一人の兵の声によって破られる事となる
「報告! 何やらスカルドラゴンの体が白い光に包まれています!」
「ダメだ、そいつに神聖属性の攻撃を当てるな! そして速やかに退避させろ!」
男がハッっとした様子で慌てて指示を飛ばした時にはもう既に遅く、白い光がスカルドラゴンを中心にドーナツ状に放たれ、光に飲み込まれた者は、骨も残さずに全滅した。
「遅かったか……リバースドラゴンは受けた攻撃の効果を反転させることが出来る。神聖属性は、不死者を消滅させる属性、奴はそれを反転させ、生者を消滅させる属性にしたんだ。こんなの本国の第五部隊以上の奴らを連れて来ないとまともに張り合えないぞこりゃ……ははは」
諦めた様に乾いた笑いが漏れたが、男の目はまだ死んでいなかった、兵を多く失ったとはいえまだ人数ではこちらの方が有利だからだ。
他のアンデッドとも交戦中の為1500程の兵を失ってしまったが、それはあちらも同じ。ドラゴンゾンビとスカルドラゴンの特性はわかった、しっかりと対処すればこちらにもまだ勝機はある。
多くの兵を失い手に入れた情報を統合すれば勝つことは容易ではないが不可能ではない、彼はまだ諦めていなかった、この時はまだ。
視覚共有した精霊が紫色の髪を持つ蒼い瞳の女性が動き出したのを捉え、男と視覚を共有する。
女は虎型の魔物から降り、少し前に出てる。
ただそれだけの短い動きなのだが、戦場でなければ、その溢れす気品に自ら平伏してしまいたくなるような雰囲気を纏っていた。
そんな彼女が口を動かし何かの術を発動させる、唇の動きから【生への冒涜】という術だという事は分かったのだが、それがどういう魔術なのか男は知らない。
だがすぐにそれがどんなものなのかを理解する事となる。
アンデッド達との戦いで死んで行った同胞達が、アンデッドとして蘇り、敵勢力へと加わってかつての同胞を襲い始めたのだ。
原形を留めている死体は優に1000を超える。その全てがアンデッド化した事で、数の利も失いこの戦に勝機がなくなってしまったことを理解した男は力を無くした様に膝を地につけた。
何だこれは? 悪夢か?
放心状態になってしまった男はこちらへゆっくりと歩を進める紫の髪の女と仮面の者を、上空からただ見るしかできない。
歩みを止めようと、女に襲い掛かかる兵士は近くのゾンビに取り押さえられ、食われて行く……
口元を血で汚しながら兵の腹を食い千切り、裂かれた腹の中に顔を突っ込んで、人間の臓器をむしゃむしゃと貪る。それも昨日まで寝食を共にしてきた同胞達にだ。
生きながらにして内臓を食されるのはどんな気分なのだろうか? 男は最早戦の事など忘れ、取り留めもない思考に囚われていた。
そして全ての元凶が男の前へと姿を現す
「貴方が指揮官でいいのかしら?」
聞き心地のいい声に、最早諦めている彼は身を委ねてしまいそうになるがぐっと堪える
「そうだ、お前があのイカレたアンデッド達の主か?」
「一番イカれてるのはフララだけどね」
「ちょっと、邪魔しないって約束したでしょう? 聖……じゃなくて正義と共に歩む者、ドリン」
「正義と共に歩む者? ドリン? 何それ? はっ! そうだ、俺がドリンだ! すまなかった口を慎もう」
「ねぇ、貴女の設定に付き合ってあげてるのに貴女が忘れてどうするのよ、意外と恥ずかしいのよ、正義と共に歩む者とか言うの」
「設定? 何を言うか、俺はドリン、正義と共に歩む者だ!」
おい何だってんだこいつら、ここは敵陣真っただ中だぞ? いくら何でも緊張感なさすぎるだろうよ。
それに今のやり取りで良く分かった、一番イカレてるのはあの仮面の奴だ。
「まぁ簡単に言うと提案に来たのよ、私達の目的は防衛、だからさっさと兵を引いてくれないかしら? もう勝機がないのは理解したでしょ?」
「随分と優しいんだな、だがどうやってそれを信じろと?」
「はぁ面倒ね……やっぱり……」
紫髪の女がこちらへと歩を進め手を伸ばす、他の兵達も居るのにも関わらず、俺同様、得体の知れない力に足が竦んで誰も動けてない。
俺達が出来るのは、恐怖にガチガチと歯を鳴らして、迫りくる死をただ受け入れるだけ。
女の手が俺に触れる寸前の所で仮面の女がパシっと腕を掴んだ
「ダメよ、ここでこの人を殺しちゃうと、戦闘が長引くだけ。それはフララも望んでないでしょ?」
「全く仕方がないわね。わかったでしょ? 今すぐ引きなさい」
「理解した……有難くその提案を受け入れる。それと何者なんだあんた達。ペネアノとは関係なさそうだが……」
「私はとある大陸の領主、ショウ伯爵の婚約者、フラミレッラよ」
「ちょ、ちょっとそれ言っちゃって大丈夫なの?」
「んーどうかしら? じゃあ……今聞いた者全員殺す?」
彼女の言葉にこの場にいた全員がゴクリと生唾を飲み込んだ。
「それじゃあこのドリンが止めた意味がないでしょうが! まぁ別に大丈夫か……大丈夫だから、はい撤収!!」
その場にいた者は安堵したように溜息を洩らし、退却の指示を全軍へと飛ばし速やかにその場を去って行く。
本隊には知将と呼ばれたハミルドや、他の実力者が揃っているとはいえサンレヴァン全戦力ではない。
まさかとは思うが西側にもあのクラスの何かが潜んでいるとしたら? そしてさっきのフラミレッラと名乗った女と合流でもしたら?
そんな事になればサンレヴァンの全戦力を投入でもしない事には勝つのは不可能!
今ハミルドを失えばサンレヴァンは終わりだ……
「急げ! 急いで本隊と合流だ!」
そうして北西側はフラミレッラのアンデッド軍とストリンデの尽力?により早々に方が付いたのだった。
ここでショウの名前を出してしまった事で、後々事件に巻き込まれるのだが、それはまた別の話……
人型、獣型、様々な種類のゾンビがいるが、一際目を引くのは、腐敗が進み爛れた皮膚から赤黒い骨を覗かせるドラゴンゾンビと、皮膚や内臓が全て腐敗しきってしまい、骨だけになった、スカルドラゴンで、これだけ強力なアンデットを従えているのに、主力ではないというのだから驚きを禁じ得ない。
春の陽気などという、思わず誰もが浮き足立ってしまう心地よさとは無縁である不死の軍勢が、今か今かと生者の肉を喰らう時を待っている。
フラミレッラがそんな禍々しい軍勢の下へ戻ると、明らかにふざけているとしか思えない仮面を付け、錫杖の様な物を退屈そうにシャンシャン鳴らして、彼女を待っていた者を視界に捉えた。
「何の用だったのだ?」
王座に座るかの如くトラ型の魔物、ニコレーナにどかりと腰掛けたフラミレッラに仮面を付けた者が声をかける。
「彼が戦力増強の為に魔物を合成するから、何体か見繕って欲しいって事だったわ」
「魔物の合成とはまた突拍子もない事を言う」
フラミレッラは目の前で変な仮面を付け、腕を組んで何度も頷いている者を見て、深いため息を吐き出した。
「で、ストリンデ、何の用なのかしら?」
「ス、ストリンデ?! 一体どこの聖女だそれは?! そんな美人俺は知らんぞ! 俺は正義と共に歩む者、ドリンだ!」
聖女は国同士の争いに関与できないから変装するのは仕方がないかもしれないけど、やるならもっとちゃんとやるべきよ。
それにドリンって何よ、ちょっともじっただけじゃない。
仮面はつけているけど、声と話し方を少し変えただ。何故こんな粗末な変装で誤魔化せると思ったのかしら? 遠回しにバカにしてるの?
それに、結構自己評価高いのね。
「助けに来た、という感じではなさそうね?」
「いいや、助けに来たのだ。サンレヴァン軍の方をな」
「あらどうして? 貴女達の様な女は国同士の戦いには関与しない筈だったんじゃないの?」
「然り。だが……君は……例え兵が退却したとしても、構わず全滅させるだろう? 悪戯に殺される者を放ってはおけない」
女って所、否定しなくていいのかしら? さっき一人称俺だったと思ったけど……この子、しっかりしてる風味だけど抜けてる所も多いのよね。
「流石の慧眼ね、聖女様」
「お、俺は聖女じゃないぞ! 正義と共に歩む者だ!」
あっ、そこは否定するんだ。
酷く動揺したみたいで、激しく手を振って否定するから、錫杖の様な物がシャンシャン鳴って少し耳障だわ。
「君の能力の効果範囲は広い、兵士は最悪仕方がないにしても、街の者まで巻き込みかねん。その中にはレデリという娘も居て、怪我人を癒しているのだ。今彼女が居なくなっては怪我人達も困る」
確かにそれはあるかもしれないけど、一気に殲滅した方が何日にも渡って戦わなくて済むし楽なのよね。
そもそも私とストリンデでは水と油、元々考え方が違い過ぎる。
共通点と言えば、本人はまだ否定するだろうけど同じ人を好きな事ぐらい。
兵士や街の住民なんて知った事じゃないけど、レデリがいるんじゃ仕方がないわね、魔力を扱える彼女なら【腐敗】の力を全開にしても一撃で死ぬ事はないだろうけど、大事な妹を傷付ける訳には行かないから。
それにどうせこの子は頑固だから一度決めた事は曲げないし……
「はぁ、わかったわ、好きになさい。深追いはしない。ただしこちらに刃向かって来る以上、こちらも相手をしなければならないから、それは邪魔しない事。それでいいわね?」
「いいだろう! 感謝する! 【セイントサークル】」
白い光がストリンデを中心として広範囲に展開されると、30体程のアンデットが神聖な力に耐えきれず消滅した。
【セイントサークル】はアンデットの力を弱め、神聖属性の威力を高める魔術で、力の弱いアンデットはサークル内にいるだけ消滅してしまう。
「……ねぇ、ストリンデ、邪魔しないでって言ったわよね?」
現在ストリンデの仮面と顔の表層との間の温度は急上昇しており、大量の汗が彼女の顔から噴き出していた
「ち、違うの! 一応街の為に保険でやっただけなの! まさか消滅するなんて! 邪魔するつもりなんてないんだから! ごめんなさい!」
フラミレッラの鋭い視線に、演技するのも忘れて平謝りだ。
ストリンデっていうのも否定しないのね、ドリンっていう設定は何処にいったのかしら?
「まぁいいわ、あれくらいで消えるなら肉壁にもならないんだから。それに直ぐに補充できるしね」
そう言って意味深に笑う、フラミレッラの笑顔に言い知れぬ恐怖を感じてストリンデの背筋が凍る。
「さて、来たみたいよ」
土煙と共に現れた約3000の軍勢が、前方で前のめりになって待ち構えている不審なアンデットの集団に気付き、指揮官の指示の下、迅速に鶴翼の陣形を取った。
V字型に兵を展開するこの陣形は、大勝、または大敗をもたらす陣形としても有名ね。数の少ない私達を包囲して一気に殲滅するって魂胆かしら?
確かに普通なら数の利もあるし、被害を最小限に抑えつつ最大限の成果を望めるいい判断だと思うわ。そう、普通ならね。
サンレヴァン軍は己を奮い立たせ、鼓舞する為に、勇ましい声を発しながら、調和の取れたリズムで槍の石突を使って地面を叩き、大地を揺らす。
サンレヴァン軍の特色は槍や弓の扱いに長けている者が多く練度が高い、そして最大限の特徴は……
「あれが精霊化よ、中には神聖属性を持つ精霊も居るから、気を付けて! そんなのにトドメを刺されたら上位アンデッドと言えども消滅よ!」
精霊の国とまで呼ばれるサンレヴァンの民達は精霊との繋がりが深く、皆が大なり小なり精霊の恩恵を受けている。
その中でも精霊と密に心を通わせる事が出来た者が至れる境地、それが精霊化。
精霊化した者は体に模様が現れたり、服装が変わったりと変化は様々だが、身体能力が大幅に向上するだけでなく、独自の精霊魔術が使える様になるのが最大の利点だと言える。
そんな精霊化したサンレヴァン軍の気迫は、練度の低い兵士なら腰を抜かしてしまう程の物だが、フラミレッラ達はどこ吹く風だ。
「フララ、何か作戦でもあるの?」
これじゃあもう仮面を被っただけのストリンデじゃない、せめて口調や声色位は演技しなさいな
「いいえ、特にないわね。一策を講じるまでの相手とも思えないし」
私の考えでは今回一番本気でペネアノを取りに来ているのはサんレヴァンだけ。
他の国々は勝った後に行う戦後処理での各権利の主張が本当の闘いだ。
まぁいきなり関係のない私達が出張ってきてそれも叶わないでしょうけど。
国の運営が立ち行かない程の財政難に陥っているサンレヴァンからしてみればこの戦は起死回生の一手、その証拠に他の国々よりも投入した兵が多い。
オートマタを狂わせるあの装置の存在を吹聴して、ペネアノから得られる利益をチラつかせ今回の同時攻撃を仕組んだ輩がいる訳だけど、サンレヴァンはまんまと乗せられた感じね。
アンデット大群を見ても驚かず速やかに攻撃態勢を整える事が出来たのは、相手に情報伝達に長けている者が居て、初めからここに私達が居る事を知っていたからに他ならない。
本隊の大隊は、守りが薄いと思われている、というよりも思わせた西側からくる、実力者が固まっているのそっちだと思う。
この兵達は、数だけを集め、私達を速やかに殲滅する為だけに組まれた物なので恐れるに足りない。
まぁ確かに普通、このアンデット達ならあれだけ居れば十分すぎるわね。ただし、普通ならね。
そうこうしている内に敵の思惑通り囲まれ、V字の両翼に居る弓兵の放った大量の矢がフラミレッラ達に向かって飛んで行く。
「ぎゃー!!」
ストリンデは大声を上げながら近くにいたゾンビの胸倉を掴んで肉壁とし、飛んでくる矢を全て防いだ
「貴女……結構酷い事するのね。聖女なのに」
「わ、私は聖女じゃない!」
一人称が私になってるわよ、聖女の所しか今の所否定出来てないけど大丈夫なのかしら?
「行きなさい」
矢からフラミレッラを守る為、翼で包み込む形になっていたドラゴンゾンビ達に命令すると彼らは両翼の弓兵達の下へと駆けて行く。
そしてサンレヴァン軍の悪夢は始まるのだった。
◇ ◇ ◇ ◇
俺は死んだことはない、だから地獄がどんな場所かなんて知らない。
だがもし本当にそんな場所があるとすれば、それはまさに今居るここではないのだろうか?
幾多の戦での功績が認められ、サンレヴァン軍でそれなりの地位を築いてきた俺ですらこんな戦場は見たことがない。
「報告! 両翼の弓部隊、全滅しました!」
「知っている。あのドラゴンゾンビとスカルドラゴンは必ず神聖属性が扱える者10人以上で囲んで精霊魔術で援護しろ! 精霊化出来ない者は他のアンデッドの対処に当たれ!」
俺は精霊と視覚を共有する事が出来る、精霊を上空に放ち、戦況を速やかに把握して的確な指示を飛ばして戦を有利に進めるのが俺のやり方だ。
この視覚共有が出来る者は数少なくかなり重宝される。
サンレヴァンの知将、ハミルドの指示に従い赴いた北西に陣を敷くアンデッドの討伐。
彼の予想した通り、このアンデッド達は誰かの意思の下に行動し、ペネアノの防衛をしており、早めに叩いておかなければ必ず邪魔になる存在なのは間違いない。
その誰かは一瞬で分かった、何故なら虎型のアンデッドに腰掛け半透明のレイスに給仕されたお茶を楽しんでいる、明らかに場違いな女がいたからだ。
隣にいるおかしな仮面をつけた者は側近か何かだろう。
だが何故上位の神官しか使えない【セイントサークル】が大規模に展開されている?
あれはアンデッドの力を削ぐ魔術、あの仮面のやつ、本当にアンデットの味方なのか?
「報告! リオス隊、スカルドランに全滅させられました!」「同じくアルバ隊、カイズン隊、ドラゴンゾンビよって全滅!」
「クソッ! 鑑定班の報告はまだか!! 急げ!!」
ドラゴンゾンビ、スカルドラゴンというのは種族名ではなく総称であり、大事なのはどんなドラゴンが素になったアンデッドなのかという事だ、相手の能力が分からなければ対処のしようもない。
精霊化して能力が大幅に上昇しているにも関わらず、立ち向かっていく兵達は、鋭い爪で切り裂かれれば上半身が吹き飛び、牙を突き立てられれば為す術なく餌となる、魔術を発動しようにも大地を揺らす程の咆哮に竦んでしまい、詠唱を中断されられ発動すらままならない。
「たった今報告がありました、右翼のドラゴンゾンビの正体はブラックカーズドラゴン! 左翼のスカルドラゴンはリバースドラゴンです!」
「馬鹿な! 実在する訳がない! あんなのは作り話じゃないのか?!」
人にしてみれば遥か昔、仲の悪かった二匹の竜が大陸全土を巻き込み激しく争った。
その二匹のせいでこの大陸の多くの村や街、国さえも争いに巻き込まれて滅んだとされており、別大陸にあるリールモルト王国の辺りで冒険者に打ち取られたと言われる災害竜、それがブラックカーズドラゴンとリバースドラゴンである。
実際に打ち取ったのはフラミレッラなのだかがそんな事を知る術は彼らにはない。
「あれは……まずい! すぐにあのドラゴンゾンビから離れる様に伝えろ!」
ドラゴンゾンビが空へと羽ばたき大きく口を開くと、命令に従いその場から脱出しようとした試みも虚しく、兵達全て飲み込む程の広範囲に黒炎を吐き出した。
黒炎が直撃した兵達は死を覚悟したが、兵達は誰一人死んでおらず、黒炎は消える事なく兵達の体を包み込み燃え滾っている。
「黒炎に包まれてますがダメージはなく、兵達は全員無事です!」
安堵した様な部下の声はしっかりと耳に届いている、だが返事は出来そうにない。あの黒炎、伝承通りなら……
黒炎に包まれている兵の一人がガタガタ震えて倒れると、同じ様に次々と他の兵も倒れて行った。
「あれは熱を奪う黒炎、【凍れる炎】だ……あれを食らったら最後、熱を全て奪うまで消える事はない……」
彼の言った通り黒炎は兵達の体温を奪っていく、体温が奪われれば血液の粘性が増す事により血管が収縮、心機能に多大な負荷をかけ、やがて心機能は停止に追いやられる。
全ての黒炎が消えた時、その場に居た者全てが死んでいた。
余りの事態に皆が言葉を失い重苦しい沈黙がその場を支配していたが、一人の兵の声によって破られる事となる
「報告! 何やらスカルドラゴンの体が白い光に包まれています!」
「ダメだ、そいつに神聖属性の攻撃を当てるな! そして速やかに退避させろ!」
男がハッっとした様子で慌てて指示を飛ばした時にはもう既に遅く、白い光がスカルドラゴンを中心にドーナツ状に放たれ、光に飲み込まれた者は、骨も残さずに全滅した。
「遅かったか……リバースドラゴンは受けた攻撃の効果を反転させることが出来る。神聖属性は、不死者を消滅させる属性、奴はそれを反転させ、生者を消滅させる属性にしたんだ。こんなの本国の第五部隊以上の奴らを連れて来ないとまともに張り合えないぞこりゃ……ははは」
諦めた様に乾いた笑いが漏れたが、男の目はまだ死んでいなかった、兵を多く失ったとはいえまだ人数ではこちらの方が有利だからだ。
他のアンデッドとも交戦中の為1500程の兵を失ってしまったが、それはあちらも同じ。ドラゴンゾンビとスカルドラゴンの特性はわかった、しっかりと対処すればこちらにもまだ勝機はある。
多くの兵を失い手に入れた情報を統合すれば勝つことは容易ではないが不可能ではない、彼はまだ諦めていなかった、この時はまだ。
視覚共有した精霊が紫色の髪を持つ蒼い瞳の女性が動き出したのを捉え、男と視覚を共有する。
女は虎型の魔物から降り、少し前に出てる。
ただそれだけの短い動きなのだが、戦場でなければ、その溢れす気品に自ら平伏してしまいたくなるような雰囲気を纏っていた。
そんな彼女が口を動かし何かの術を発動させる、唇の動きから【生への冒涜】という術だという事は分かったのだが、それがどういう魔術なのか男は知らない。
だがすぐにそれがどんなものなのかを理解する事となる。
アンデッド達との戦いで死んで行った同胞達が、アンデッドとして蘇り、敵勢力へと加わってかつての同胞を襲い始めたのだ。
原形を留めている死体は優に1000を超える。その全てがアンデッド化した事で、数の利も失いこの戦に勝機がなくなってしまったことを理解した男は力を無くした様に膝を地につけた。
何だこれは? 悪夢か?
放心状態になってしまった男はこちらへゆっくりと歩を進める紫の髪の女と仮面の者を、上空からただ見るしかできない。
歩みを止めようと、女に襲い掛かかる兵士は近くのゾンビに取り押さえられ、食われて行く……
口元を血で汚しながら兵の腹を食い千切り、裂かれた腹の中に顔を突っ込んで、人間の臓器をむしゃむしゃと貪る。それも昨日まで寝食を共にしてきた同胞達にだ。
生きながらにして内臓を食されるのはどんな気分なのだろうか? 男は最早戦の事など忘れ、取り留めもない思考に囚われていた。
そして全ての元凶が男の前へと姿を現す
「貴方が指揮官でいいのかしら?」
聞き心地のいい声に、最早諦めている彼は身を委ねてしまいそうになるがぐっと堪える
「そうだ、お前があのイカレたアンデッド達の主か?」
「一番イカれてるのはフララだけどね」
「ちょっと、邪魔しないって約束したでしょう? 聖……じゃなくて正義と共に歩む者、ドリン」
「正義と共に歩む者? ドリン? 何それ? はっ! そうだ、俺がドリンだ! すまなかった口を慎もう」
「ねぇ、貴女の設定に付き合ってあげてるのに貴女が忘れてどうするのよ、意外と恥ずかしいのよ、正義と共に歩む者とか言うの」
「設定? 何を言うか、俺はドリン、正義と共に歩む者だ!」
おい何だってんだこいつら、ここは敵陣真っただ中だぞ? いくら何でも緊張感なさすぎるだろうよ。
それに今のやり取りで良く分かった、一番イカレてるのはあの仮面の奴だ。
「まぁ簡単に言うと提案に来たのよ、私達の目的は防衛、だからさっさと兵を引いてくれないかしら? もう勝機がないのは理解したでしょ?」
「随分と優しいんだな、だがどうやってそれを信じろと?」
「はぁ面倒ね……やっぱり……」
紫髪の女がこちらへと歩を進め手を伸ばす、他の兵達も居るのにも関わらず、俺同様、得体の知れない力に足が竦んで誰も動けてない。
俺達が出来るのは、恐怖にガチガチと歯を鳴らして、迫りくる死をただ受け入れるだけ。
女の手が俺に触れる寸前の所で仮面の女がパシっと腕を掴んだ
「ダメよ、ここでこの人を殺しちゃうと、戦闘が長引くだけ。それはフララも望んでないでしょ?」
「全く仕方がないわね。わかったでしょ? 今すぐ引きなさい」
「理解した……有難くその提案を受け入れる。それと何者なんだあんた達。ペネアノとは関係なさそうだが……」
「私はとある大陸の領主、ショウ伯爵の婚約者、フラミレッラよ」
「ちょ、ちょっとそれ言っちゃって大丈夫なの?」
「んーどうかしら? じゃあ……今聞いた者全員殺す?」
彼女の言葉にこの場にいた全員がゴクリと生唾を飲み込んだ。
「それじゃあこのドリンが止めた意味がないでしょうが! まぁ別に大丈夫か……大丈夫だから、はい撤収!!」
その場にいた者は安堵したように溜息を洩らし、退却の指示を全軍へと飛ばし速やかにその場を去って行く。
本隊には知将と呼ばれたハミルドや、他の実力者が揃っているとはいえサンレヴァン全戦力ではない。
まさかとは思うが西側にもあのクラスの何かが潜んでいるとしたら? そしてさっきのフラミレッラと名乗った女と合流でもしたら?
そんな事になればサンレヴァンの全戦力を投入でもしない事には勝つのは不可能!
今ハミルドを失えばサンレヴァンは終わりだ……
「急げ! 急いで本隊と合流だ!」
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ここでショウの名前を出してしまった事で、後々事件に巻き込まれるのだが、それはまた別の話……
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本文中&表紙のイラストはへるにゃー様よりご提供戴いたものです(掲載許可済)。
へるにゃー様のHP:http://syakewokuwaeta.bake-neko.net/
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