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本編
40.プレゼント
しおりを挟むガラガラガラ⋯⋯⋯⋯
出来上がったルビネケーキを乗せたワゴンをエフィさんが押し、夕食の部屋まで進む。僕はワゴンの縁に座り、流れる景色を見ながら足をブラブラさせていた。皆、ケーキ喜んでくれるかなー。期待を胸に、部屋へたどり着いた。
部屋には、既に四人がそろっていて、遅れちゃったかな? と一瞬不安になったけど、本人たちは気にしてなさそうだから、ほっとして席に着いた。今日もテーブルの上にさらに布が敷かれて、そこに僕の席があった。
「今日の夕食のデザートに、妖精様がお作りになられたケーキがございます」
エフィさんの言葉に、皆が僕をみる。ニコッと笑ってうんうん頷くと、皆が顔をほころばせた。
「ミント殿のケーキか。楽しみじゃな」
「ええ、どんなケーキなのかしら」
「私も楽しみです」
「僕も!」
ふふふ、お店でも買えない、僕にしか生み出せない果物を使ってるからね! ひとしきりドヤァとした後、夕食を始めた。今日のメニューは、お魚がメインだ。甘いのも好きだけど、同じ位美味しい物も大好きなので、夕食もモリモリ食べる。チラッと顔を上げると、ほっぺを膨らませたヴィンデくんがいて、可愛いな、とふふっと笑った。
夕食を取り終え、いよいよデザートの番だ。ケーキを乗せたお皿ごとテーブルの中心に置き、被せていたクローシュを取る。中から甘い香りと共に、ツヤツヤとした赤い実が乗った薄紅色のケーキが姿を現した。おおっという感嘆の声が聞こえてきて、思わずドヤ顔をして胸を張った。
「こちらのケーキには、妖精様のお力で自ら創り出された、ルビネ、という果物が使われております」
「あら、それではこちらの果物は売っていないのかしら?」
「はい、世界のどこにも売られておりません。妖精が、日ごろの感謝にと、お作りになられました」
エフィさんの言葉に合わせて、うんうんと頷く。
「こちらこそ、ミント殿には感謝しておる。おかげで、城内が活気づいておるからな」
「私からも、ミントちゃんには感謝しかありませんわ。日々が楽しくなりましたもの」
「僕も! ミントくんと遊ぶの楽しいし!」
「ははは、こうして弟が楽しそうにしているのも、妖精様のおかげです。私からも感謝を」
皆、とっても温かい人だ。感謝の言葉をしっかり心に刻み、胸がぽかぽかした。
エフィさんがケーキを小皿に取り分けて、早速皆で頂く。もちろん僕も食べるよ。あんま味見はしてないから、上手くできたかドキドキだ。フォークをケーキに刺し、皆が一口食べる。ドキドキ⋯⋯反応を待つ。すると、皆パアッと笑顔になり、口々に感想を話しだした。
「これは⋯⋯! 甘いが、しっかりと美味いな。このような果物は食べたことがない」
「本当ね⋯⋯! とてもジューシーで美味しいわ」
「甘い物はあまり好きではありませんでしたが、これなら私もいくらでも食べられそうです!」
「美味しい! 僕、これ好きになった!」
よ、よかった⋯⋯! 皆喜んでくれて。僕も一口パクっと食べると、ルビネの味とクリームの甘さ、ふわふわなスポンジが最高に美味しい。大成功だ。 チラッとエフィさんを見ると、「やりましたね!」というようにニコッと笑ってくれた。僕も笑顔を返した。
賑やかなデザートを終え、それぞれが就寝準備を始めるため、自室へ戻る。そういえば、あれはどうなったかな? エフィさんに「あれは配れた?」とメモで伝えると、
「はい、既に全て配り終えております! 皆、妖精様に感謝していましたよ!」
と、元気に報告してくれた。そう、実はケーキの他にも、ルビネクッキーを作っていて、そっちはここで働いている使用人の皆に配っていたのだ。いつも支えてくれているからね。
今日のプレゼントは大成功で終われて、よかったよかった。安心しながら、自分のふかふかベッドで、眠りについた。
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