妖精の森の、日常のおはなし。

華衣

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本編

45.祭りの始まり

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「エフィさん! 早く早く!」
「妖精様! 急いでもお祭りは逃げませんので、大丈夫ですよー!」

 ガストーネさんのかけてくれた翻訳魔法により、僕はお城の人たちとさらに仲良くなれた気がする。挨拶をしたり、お礼を言ったり、小さなことでも大きな変化になり、日常が充実している。

 さて、今は季節が過ぎ、夏に入った。夏の中旬に収穫祭というお祭りが王都ファーネで開催されると聞き、ぜひ参加したいとワクワクしていた。夏に収穫祭? と思ったけど、ガルディアン王国では年に4回、それぞれの季節で収穫祭が行われているそう。自然と共存してきたガルディアン王国だからこそ、さまざまな作物が収穫できている。だから、自然に感謝する意味でも開催されているんだそう。
 そんな収穫祭では、街中が飾り付けされ、お祭り限定の屋台がたくさん置かれるらしい。さらに、王都の中の一番広い広場では、ステージが設置されて様々な見世物が行われるのだ。まんま夏祭りと同じようなもので、想像しただけで楽しそう! 花火はあるのかな、とか美味しい物いっぱい食べたい! とか、お祭りの事を教えてくれたエフィさんに熱弁していた。



 で、今は夏の中旬。いよいよ収穫祭が始まる。僕はエフィさんといっしょに見て回ることになった。でも、僕が街に降りたら皆が驚いてしまうんじゃないかな? と思って王様に相談したら、既に僕のことは王都中に知れ渡っているから大丈夫だ、と言われた。⋯⋯僕の知らない所で有名になってるなんて、なんだか複雑だ。まあ、これで安心してお祭りを楽しめるぞ!

「もうちょっとで広場かな?」
「はい、この道を左に曲がれば見えてきますよ」

 祭りの初めは、ステージで盛大に宣言される。なので、まずは広場のステージへ向かっている。周りを見ると、花や草で作られた飾りがたくさん建物に飾られていて、見ているだけで楽しくなる。人もかなり行き交っていて、やっぱり皆楽しみにしてたんだなぁ、とか思った。
 ステージのある広場へ来ると、人がごった返しになっていた。ざわめきもかなり大きく、ものすごく圧を感じる。

「わぁーーー!!! すごいすごい! 人がいっぱい!」
「どの季節の収穫祭も沢山の人が参加しますが、夏の収穫祭が一番人が多いんですよ」
「へぇ~! そうなんだ!」

 暑くないのかな? いや、逆に暑いからこそ、暑さを吹っ飛ばして楽しみたい人が多いのかも。
 ちょっと遅れて来たから、僕たちはかなり後ろの方にいる。飛んでけば前に行けるけど、エフィさんと一緒がいいし、迷惑だろうからここでいい。少し雑談しながら待っていると、時間になって、始まりの音楽が聴こえてきた。それに合わせてざわめきが静まり返り、皆ステージへ注目した。
 音楽が鳴り止むと、司会の人がステージに上がった。手には、マイクのような物をもっている。多分魔導具かな。

「季節が移り変わり、日に日に暑さが増す今日この頃。待ち望んだ、夏の収穫祭が始まります! それでは、王族の方々が登壇されます。盛大な拍手でお迎え下さい!」

 ワァーーーー!!!
 パチパチパチパチパチパチ⋯⋯⋯⋯!!

 大きな拍手と同時に、歓声も聞こえてくる。ステージに、王様、メイプル様、カルド王子様、ヴィンデくんが登り、王様とメイプル様が真ん中で横並びになった。

「収穫祭の開催宣言を、国王、ハイドランジア・ケーニヒ・ガルディアン陛下より賜ります」

 司会が王様にマイクを渡すと、王様が一歩前へ出た。

「夏の暑さに耐え忍び、こうして今年も夏の収穫祭を開催できることを嬉しく思う。これも民の努力があってこそ。今日は存分に祭りを楽しんでくれ。では、ここに収穫祭の開催を宣言する!!」

 ワァーーーーーー!!!!!

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