婚約者から愛妾になりました

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快楽に溺れる幸福

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 いっそ、耐えられないくらい酷く抱いてくれたら、心にある恋心は粉々になって2度と修復されず、貴方を憎めるのに……。


「あっ、ああっ……! ん、フィロン様ぁ……!」


 執拗に、丁寧に、味わうように秘部に顔を埋め、舌で愛撫するフィロン。両手を縛られた挙げ句、魔法で身体の感度を上げられたメリルはただ与えられる快楽に啼き、溺れるしかなかった。
 仕草は乱暴でも、触れる手は宝物に触れるかのように優しい。1度でも乱暴に抱いてくれたらどれだけ気が楽になるか……理性を壊される快楽を与えられても、1度もフィロンに乱暴に抱かれたことがない。
 イレーネの共犯者に力加減なく揉まれた胸も、初めは痛々しい色をしていたが、フィロンの魔法で癒された。が、感触が消えるようにと愛撫された。真っ赤な飾りは散々舐められ、指で愛撫されたせいでずっと硬いまま。

 今のメリルに抵抗する術も嫌がる権利もない。フィロンの為すがままにされるだけ。
 メリルの片脚を撫でていたフィロンの手が胸へ伸ばされた。他の男に触られた事実を消すように、優しい力で形を変えていく。時折り、手の平が飾りに触れると「んうっ」とメリルはピクピク反応する。


「あ……あ……!」
「ん、……んう……」
「ああ……! あん、あああぁ……!!」


 魔法と胸の愛撫だけで濡れていた秘部に顔を埋められてからは、ずっと舌で刺激を与えられ続け、もう何度も達している。飽きずに割れ目の上にある突起を舐め、時に口に含み甘噛みされてはメリルの身体に強い快楽が走る。今も突起を強く吸われたメリルは甘い悲鳴を上げて達した。

 回数はもう……覚えていない。

 何度達しても、大きな疼きを鎮めてくれるソレをフィロンがくれない限り、メリルはこの淫獄から抜け出せない。


「……が……い、お願い……します、フィロン様……もう……入れて、ください……」
「うるさい……お前が悪いんだ」
「あ、あああぁ……!」
「お前が……お前が……」
「ふあ……ん……ああああああ……」


 中を開かれ、入ったものが無遠慮に掻き回す。見なくても分かる。フィロンの指が入れられた。まだ1度も中を弄られていなくても、突起をずっと舐められ、吸われ続けたのでシーツに染みが出来る程濡れている中に入れられても痛みはなかった。指の動きに合わせてメリルの腰も揺れる。大粒の涙をぽろぽろと零し、フィロンの名を呼び続けてしまう。
 強い刺激を与えられたら、更に強い刺激を欲してしまう。
 淫らな水音を響かされ、いつもなら羞恥で嫌がるメリルだが、魔法で感度を上げられた今はそれすら新たな媚薬となってしまう。

 メリルの一番感じる場所にフィロンの指が触れた。ピアノの鍵盤を叩くように触れられ、びく、びくと腰が跳ねる。


「だ、めえ……駄目……え……フィロン様あ……!」
「駄目? こんなに感じておいて、何が駄目なんだ」
「ひう、あ、ああっああ、壊れ……ちゃいます……」
「……前にも言っただろう。壊れても側に置いてやると」


 感情も理性もなく、快楽を求め続ける人形になってしまっても?
 涙で濡れた視界でフィロンを見上げた。冷たい紺碧の瞳には、吸い込まれそうな暗闇と途方もない執着があった。フィロンは時折り、メリルに見せては気絶するまで抱く。
 悲鳴に近い啼き声を上げるメリルが嫌々とかぶりを振る。沸き上がる初めての感覚に戸惑いを隠せない。脚を閉じるように力が入るが、察したフィロンは閉じるなと片手でメリルの片脚を開かせた。

 中を掻き回す指の動きが激しくなるのと同時に水音も強くなり。止まらない蜜がメリルの尻を伝ってシーツにポタポタと落ちていく。


「やだっ……やだあ……! フィロン様ぁ怖い……!」
「いい……そのまま感じていろ」
「怖い……ああっ……あああ……!!」


 弾けるような強烈な快感が襲った瞬間、大量の愛液が出た。フィロンに感じて零れるいつもの愛液とは違い、さらさらとした水分。達したばかりのメリルは違う意味で顔を真っ赤に染めた。フィロンの腕だけでなく、服にもかかり濡れていた。


「ああ……ああっ……」


 真っ赤になるべきなのか、真っ青になるべきなのか。もう成人を迎えた大人なのにお漏らしをしてしまった。耳まで赤くなり、顔を合わせられずシーツに押し付けた。
 何を言われるかと震えていれば、指よりも質量も熱さも硬さも違うモノが一気に挿入された。


「あ、ああ……っ!!」


 驚きと突然の快楽にメリルの思考が追い付かない。欲していたフィロン自身を挿入された勢いでまた漏らしてしまったのが分かる。はくはくと呼吸が儘ならないメリルをフィロンが欲情した瞳で見下ろす。衣服も既に脱いでおり、真っ白な肌、引き締まった身体を目にし、フィロンを締め付けた。


「……淫乱」


 低い声で囁かされた淫靡な言葉。きっと、さっきからの粗相に怒っているのだと悟ったメリルが謝罪の言葉を口にしようと開いた時。間髪入れずにフィロンが舌を入れてきた。甘く、蕩けるような口付けがずっと大好きなメリルは、無意識の内にまたフィロン自身をきゅうきゅう締め付けた。後頭部と背中に腕を回され抱き締められるが、自分には抱き締め返すことができない。フィロンに両腕を縛られてしまったから。


「ん……ん……ふ……」
「……そうやって……快楽に溺れて、おれに感じていたらいい」
「あ……んん……フィロン……様……」
「お前が淫乱だと知るのもおれだけだ……、だからもっと淫乱になれ。おれの前だけで……」
「ああっ……!」


 再度囁かされた淫靡な言葉には、気のせいか愛情が籠っている錯覚があった。キスをしながら髪を撫でるのはフィロンの癖のようなもの。キスをされる快感、頭皮を撫でる痺れるような快感は全部フィロンだから感じられる。フィロン以外の相手だと不快にしかならない。イレーネの共犯者に力加減なく胸を揉まれた時、快感など全くなかった。痛みと不快感しかなかった。
 キスをしながらフィロンが律動を始めた。ゆっくりと、中を堪能する動きがメリルは好きだ。長くフィロンを感じられるから。


「ああ……はあ……ん……フィロン様……もっと……」
「そう急かすな……あ……はあ……」


 太く、硬いものに中を抉られる感覚を狂おしい程求めていた。メリルと呼ばれる度にフィロン自身を何度も締め付けて、その度に直に感じるフィロン自身にメリルはまた感じて、大量の蜜を零していく。


「メリル……メリル……おれの、メリル……」
「はい……私は……フィロン様の、ものです……」
「そう、だ……お前は……おれのものだ。おれの……おれだけの……」
「きゃあ!」


 譫言のように自分のものだと言い続けるフィロンはどこか不安定で。フィロン、と言いかけたメリルが口にしたのは嬌声だった。中をぐるりと回され、強い抉りにだらしなく唾液を口端から零した。舌で唾液を舐め取ったフィロンに口付けられ、厭らしい舌使いに虜となってしまう。何度も同じ動きをされたメリルの身体は達したのと同時に3度目の愛液を吹き出してしまった。フィロンの腹が濡れた。
 途端、溶けていた理性が戻った。泣きそうになるメリルの頬にフィロンが口付けた。


「あ、や……フィロン様……ごめ……なさい……私……」
「これはお前が思っているものじゃない。お前がおれに感じ過ぎているだけだ」
「ほ……本当ですか……」
「嘘を言う必要が何処にある。……集中しろ」
「ああ……!」


 今までこんなことはなかった。だから余計、漏らしてしまったと混乱し、羞恥が勝った。フィロンの言う通りならこれは何なのか気になったメリルだが、宣言通り、急に動きが激しくなったフィロンだけしか意識を向けなくなった。

 この時間がずっと続けばいいのに……そう願ってしまう自分は、どこまで貪欲で我儘なのだろう。もうフィロンにはイレーネがいる。確かに今日彼女が行った行いは誉められたものじゃないが、好いている男性に他の女がいれば誰だって嫉妬する。メリルがイレーネの立場でも嫉妬する。


(でも……私にはその資格がない。魔力を失った私には……)


 魔力を失う前からも、キスはされても、いつも冷たい視線しか貰えなかったので結婚しても冷えきった関係になっていた可能性もある。それでも、フィロンの隣にいる正当な理由が婚約者という立場だけだった。

 イレーネが今後どうなるのかメリルには分からない。きっと、その後を知ることは出来ない。知りたがればフィロンの機嫌が悪くなる。フィロンが機嫌を損ねた原因が不明でも、イレーネの名前が出ると不機嫌になるのなら口に出さないでおこう。


「あぁ……ああっ……ん……フィロン様……あっああ……」


 中を行き交うフィロン自身の膨らみが増している上、フィロンも余裕のない表情で息が荒い。限界が近い証拠。大きな手が胸を包んだ。激しい律動をされても胸を愛撫する手付きはとても優しい。指で頂を弾かれ、中をきゅんっと締め付けてしまった。苦しげに呻いたフィロンが険しい顔でメリルの耳に顔を埋め、舌で刺激を与えた。


「ひ、あ、ああっああ……! んんっ……!」
「っ……お前の中はとても熱くて……気持ちがいい……はあ……メリル……メリル……」
「ん……!!」


 耳元で色気が多分に含まれ、熱い息を掛けられながら囁かれるときゅうきゅう締め付けているフィロン自身を更に締め付けてしまった。行為中、耳を刺激されるのに弱いと知ったフィロンが繋がると余計刺激してくるのはいつものことなのに。
 ぶるぶると身体を震わせて達したメリルの中にどろりとした熱が広がった。癖になってしまう気持ちよさに喘ぐ。
 豊満な膨らみに顔を埋めているフィロンの髪を撫でたくてもずっと縛られているせいで出来ず。もう解いてほしいとメリルが言うと、しゅるりと戒めは外れた。腕が自由になったメリルはフィロンの頭をそっと抱き締めた。青みがかった銀糸は汗でしっとりと濡れている。


「ひう」


 可笑しな声が出たのは、胸に顔を埋めているフィロンに突起を舐められたせい。更に、まだ入れられたままのソレがいつの間にか質量と硬さを取り戻していた。待って、と言う前に背中に腕を回されたメリルは仰向けになったフィロンの上に乗せられた。


「あぁ……!」


 初めての体勢と深くなった挿入に背が弓形になった。力なくフィロンの胸元に倒れると上から尻を掴まれ、下から突き上げられた。


「や、待ってください……!」
「言った、だろう。お前が2度と、馬鹿なことを言えないようにしてやると」
「あっああぁ、あ、あ、あ」


 魔法の効果はフィロンが消し去るまでずっと続くのだろう。強く突かれる度に軽く絶頂してしまう自分の厭らしい身体に嫌になりながらも、ずっとフィロンに求めてほしくてメリルは望まれるままに快楽に溺れた。



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