卯の姫と辰の君

神無月 花

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一話

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美卯「此処が、辰城家の本家....」

   ーー〝辰の君″の住まう城....

  手紙が来た翌日、4月5日。美卯は辰城本家の門の前に居た。
前日は美卯の誕生日で、誕生日の祝いが終わった後直ぐに辰城家の使用人が美卯の荷物を取りに来た為、身軽な状態で美卯はその場に居た。



美卯(なんて、大きなお屋敷...家も一般の日本家屋よりは広い屋敷だけど、辰城本家は家の倍は広さがありそう....)


 美卯の家である卯咲美本家は、母屋だけで一般的な日本家屋の一軒家四軒分程の広さがあり、蔵や庭や離れを含めると更に広い。

が、

  辰城本家は母屋だけで一軒家五軒分はあろうかという、かなり広い屋敷であった。更に、そこに離れと蔵があるだけでなく庭は美卯の家の庭の倍は広いのだ。

しかもそれだけではない。

辰城本家の前に聳え立つ門もかなり大きく、個人宅の家の門というよりかは、まるで文化財の寺の門のかのようにみえる。

それくらい、立派な門なのだ。

辰城本家はまさに、“屋敷“というより小さめの″城〟のような家なのである。



美卯(うぅ....何だか緊張してきた....私、本当に今日から此処に住むの....)


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