卯の姫と辰の君

神無月 花

文字の大きさ
上 下
5 / 15

一話

しおりを挟む
「ようこそお越し下さいました。卯咲美  美卯様。」


   美卯が緊張のあまり立ち尽くしていると、眼前の門が開かれ、門の中から執事服を着た青年があらわれた。


「申し遅れました。わたくしは辰輝  水(たつき すい)と申しまして、辰城本家の使用人頭でございます。よろしくお願い致します。」


美卯「は、はい。よろしくお願いします。」


  水「御部屋に御案内させていただきます。」







水「こちらが美卯様の御部屋です。」

  広く、まるで城の回廊の様な廊下を歩いた先にその部屋はあった。


水「お隣が御当主の御部屋、曲がり角を曲がってすぐの部屋ががわたくしの部屋と美卯様付きの使用人の部屋になります。何かございましたらお呼び下さいませ。」

しおりを挟む

処理中です...