卯の姫と辰の君

神無月 花

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一話

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美卯「御当主は今この家の中にいらっしゃるの?」

  あの後、理巳は緑茶とともに和菓子もいくつか持って来てくれていた。美卯と理巳はそれらを食べながら緑茶を飲み話をしていた。


  理巳「いえ。旦那様は只今外で御仕事中にございます。家で御仕事される時と外で御仕事なされる時とバラバラですので、その時々で確認しませんとわからないのです。」


美卯「そうなんですか...お戻りは何時頃?」


 理巳「7時には戻られるかと。やはり御当主にお会いになられないと不安ですか?」


美卯「それもありますけど、やっぱり早くご挨拶したいなって。」


  理巳「さようにござますか。ですが旦那様もお喜びになるかと思いますよ。」


美卯「どうして?」


  理巳「未来の奥様が美卯様の様に可愛らしい方だからですよ。」


美卯「か、可愛らしいくはないかと。とゆうか、この一族は老若男女問わずみんな綺麗な人やカワイイ人やカッコいい人ばかりですし、むしろ私でよかったのかな。って。」


  理巳「いいえ。この婚約は神の御神託と御当主の御意思が重なって決まった事です。ですから、これは所謂”運命”ではないかとわたくしは思うのです。」


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