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*弐ー②
第五集 闘いの後
しおりを挟むその日の夜。時刻は夜中だったが、紫苑はまだ起きていた。否。一度眠ったものの、あの日の記憶を夢にみてしまい、目が覚めてしまったのだ。
紫苑はいつものように布団に横たわる清秋の隣に座り、 清秋の手を握る。
紫苑「早く目、覚ましてよ...!清秋兄ちゃんが目を覚ましてくれないと寂しいよ...!不安なのっ....!」
清秋の大きな手を握る紫苑の小さな手に、紫苑の頬を伝って雫がこぼれ落ちる。
*
しばらくして紫苑が泣き止んだのを確認した癒良は、障子を開けて紫苑に近づいた。紫苑は泣き疲れたのか目を瞑っており、癒良が近づいてもまったくそれに気づく気配はない。そして癒良は、額に手を当て何か呟き始めた。
その言葉は、記憶を封じる為のものだった。癒良は紫苑の辛い記憶を一時的に封じたのだ。
次に癒良は、紫苑の瞼に手を当ててまた何かを呟いた。すると...
紫苑「ZZzz....」
すぐに紫苑の寝息が聞こえはじめた。癒良は傾いた紫苑の体を支えると、畳に紫苑を寝かせ、押し入れから布団を出して清秋の布団の横にそれを敷いた。そして、敷いた布団に紫苑を寝かせる。
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