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第124話 クリフォトの神殿へ
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次の日の午前9時過ぎ頃、スラム街にあるクリフォトの種の神殿に領主軍200人が向かった。その中には僕たちセフィロトの家のメンバー全員がいる。前回同様パーティを2つに分けており、僕はルード達の方だ。
さすがにスラム街に向けて領主軍200人はものすごく目立っており、そのただならぬ雰囲気から皆が道を空ける。何せこれだけの数がいて足音までもが綺麗に揃っているのだ。その威圧感は凄まじいものがあるだろう。中には走って逃げるように奥の方へ行く者もいた。恐らく神殿に知らせに向かったのだろう。
街の情勢を考えれば何しに来たかなんてすぐにわかりそうなものだからね。
そして神殿にたどり着くと、二手に別れて正面口と裏口の封鎖に入る。サルヴァン達も裏口の方に回って行った。しかし神殿からは誰一人出てくる様子は無い。隊長の命令で兵士が二人中の様子を窺いに入る。そしてすぐに戻って来た。
「隊長、中に支部長と思われる人物がいるようです。他にも二人程いるようです」
「そうか、わかった。A班とルウ殿達で中へ入る。他はここで待機し、誰一人逃がすな」
「はっ!」
報告を受け、隊長が指示を出す。中にいるのは恐らくドレクとかいう支部長だろう。中にいる信者達はどうしたのだろうか?
「よし、突入!」
「はっ!」
「俺達も行くぞ!」
隊長の合図で中へ入る。入ってすぐが集会所となっており、そこに居たのは以前見たドレクという男の他に男女1人ずつ。男の方は鋭い目付きをしており、殺気を放っている。女性の方は随分艶めかしい色気を放っているんだけど、物凄く危険な香りがする。恐らくこの女性は悪魔だろう。それも爵位級の。
「おやおや、随分と物々しいな。我々に何か御用ですかな?」
「クリフォトの種ウォレンス支部のドレクだな。領主様の御子息や女性達の誘拐、そして人を悪魔に変えた事実により、護法取締所がお前たちを反社会的結社と認定した。従って治安維持法第175条1項により組織の解散を命じる。そして同法第176条により組織の構成員と認められる者を拘束する。抵抗すればその場で斬り伏せることが認められている。無駄な抵抗はやめ、両手を首の後ろに組んで床に伏せろ」
隊長が護法取締所の印が押された書類を提示して投降を呼びかける。領主の御子息を誘拐して悪魔にしたんだから、抵抗してもしなくても死罪は免れないんだけどね。それを教える義務は無いから。
「お断りだな。抵抗すればその場で斬り伏せるだと? 面白い、やってみたまえ」
ドレクがニターッと薄気味悪い笑みを浮かべる。その笑みに悪寒で鳥肌が立った。こいつはこの状況を楽しんでいる。そして感じるこの気配。まるで死臭を放つような気持ち悪さすらある。僕はこの魔力の波動に既視感を覚えていた。
「無茶苦茶嬉しそうじゃないドレク。あんたってば本当に人殺しが好きね」
「隊長さん、全員を連れてこの場から逃げるんだ。こいつはあんたらの手に負える相手じゃない」
「おいおい、つれないなぁ。まだ誰も死んでないじゃないかぁっ!」
いきなりドレクが生き生きとした表情を浮かべて掴みかかってくる。まるで獣が人を襲うように右腕を振りかぶった。その右手の爪が延び、鋭い刃物となって隊長さんに斬りかかる。そこをベオグラードがミスリル製の槌で受け止めた。
「……させん」
「ほぅ、図体の割にいい反応だ。俺様の楽しみを邪魔すんじゃねぇよ!」
ドレクの目は完全にイッちゃっている。長い舌を出して本当に気持ち悪い笑みだ。口調も変わっている、いやむしろこれが奴の本性なのか。
「そ、総員退避!」
「あら、逃げるのね。せっかくだから遊び相手を用意してあげるのに」
女が指をパチンと鳴らすと集会所のそこかしこに黒い影が複数生まれ、そこからレッサーデーモン達が姿を現す。レッサーといってもその危険度はCランク相当。このままでは兵士たちに死者が出てしまうけど、ここには僕がいるからね。レッサーデーモンなんて物の数じゃあない。
「ひ! あ、悪魔が!」
「レッサーデーモンだと!?」
「神域への昇華、強化」
僕の魔力も今やリオネッセさんに並ぶ程となっている。神聖系最強の広域浄滅魔法であればレッサーデーモンなどいくらいても雑魚でしかないのだ。
僕の力ある言葉により、僕を中心に光が広がっていった。その光はレッサーデーモンやドレク達を飲み込む。巻き込まれたレッサーデーモンは跡形もなく消え失せ、ドレクもベオグラードから離れて防御姿勢を取った。光が止むとレッサーデーモンは全て消え失せ、兵士達が撤退していく。
「めんどくさい魔法使うのね。ちょっと痛かったじゃない」
「ふーん、お姉さんやっぱり爵位級悪魔か」
強化した神域への昇華を防いで耐えれるなら爵位級なのは間違いないだろう。人の姿を取れるなら最低でも男爵級のはずだ。
「そうよ。これでも男爵級なの。リティス、それが私の名前よ。そして私の特技、それはね誘惑!」
艶めかしい女悪魔らしく誘惑を使うのか。効かないけどね。それはもちろん僕だけじゃない。
「焼き尽くせ! ファイアボール!」
ルカが魔法生物化により火炎球を虎に変えると、炎の虎がキバを剥いてリティスを襲う。
「ちっ!」
しかしその炎の虎もリティスが無造作に振った手に弾かれ、あっさりと霧散する。
「おかしいわね、そこの木偶の坊にも効かないなんて有り得ないわ」
「魅力不足じゃないの?」
素早い動きでミラがダガーで斬りかかる。両手にダガーを持ち、得意のスピードを生かした戦闘スタイルだ。
ちなみに誘惑なら対策はちゃんと出来ている。僕らは全員が厄災からの保護のかかったペンダントをしているからね。状態異常は全て無効化される。
「小娘が!」
「うわっ、腕でダガー受け止めるなんてなんなのよ」
「悪魔舐めんじゃないわよ!」
リティスが腕を降ると同時にミラが大きく距離を取る。するとミラのいた場所を黒い渦が立上り、天井へ消えていった。
ルードは男の方の相手をしており、剣を交えていた。ちゃんと互角にやり合えており、暫くは任せて大丈夫かもしれない。ベオグラードはやや劣勢だ。ベオグラードの援護を優先するべきか。それにあのドレクとかいう奴はどうにも気にかかるものがある。
さすがにスラム街に向けて領主軍200人はものすごく目立っており、そのただならぬ雰囲気から皆が道を空ける。何せこれだけの数がいて足音までもが綺麗に揃っているのだ。その威圧感は凄まじいものがあるだろう。中には走って逃げるように奥の方へ行く者もいた。恐らく神殿に知らせに向かったのだろう。
街の情勢を考えれば何しに来たかなんてすぐにわかりそうなものだからね。
そして神殿にたどり着くと、二手に別れて正面口と裏口の封鎖に入る。サルヴァン達も裏口の方に回って行った。しかし神殿からは誰一人出てくる様子は無い。隊長の命令で兵士が二人中の様子を窺いに入る。そしてすぐに戻って来た。
「隊長、中に支部長と思われる人物がいるようです。他にも二人程いるようです」
「そうか、わかった。A班とルウ殿達で中へ入る。他はここで待機し、誰一人逃がすな」
「はっ!」
報告を受け、隊長が指示を出す。中にいるのは恐らくドレクとかいう支部長だろう。中にいる信者達はどうしたのだろうか?
「よし、突入!」
「はっ!」
「俺達も行くぞ!」
隊長の合図で中へ入る。入ってすぐが集会所となっており、そこに居たのは以前見たドレクという男の他に男女1人ずつ。男の方は鋭い目付きをしており、殺気を放っている。女性の方は随分艶めかしい色気を放っているんだけど、物凄く危険な香りがする。恐らくこの女性は悪魔だろう。それも爵位級の。
「おやおや、随分と物々しいな。我々に何か御用ですかな?」
「クリフォトの種ウォレンス支部のドレクだな。領主様の御子息や女性達の誘拐、そして人を悪魔に変えた事実により、護法取締所がお前たちを反社会的結社と認定した。従って治安維持法第175条1項により組織の解散を命じる。そして同法第176条により組織の構成員と認められる者を拘束する。抵抗すればその場で斬り伏せることが認められている。無駄な抵抗はやめ、両手を首の後ろに組んで床に伏せろ」
隊長が護法取締所の印が押された書類を提示して投降を呼びかける。領主の御子息を誘拐して悪魔にしたんだから、抵抗してもしなくても死罪は免れないんだけどね。それを教える義務は無いから。
「お断りだな。抵抗すればその場で斬り伏せるだと? 面白い、やってみたまえ」
ドレクがニターッと薄気味悪い笑みを浮かべる。その笑みに悪寒で鳥肌が立った。こいつはこの状況を楽しんでいる。そして感じるこの気配。まるで死臭を放つような気持ち悪さすらある。僕はこの魔力の波動に既視感を覚えていた。
「無茶苦茶嬉しそうじゃないドレク。あんたってば本当に人殺しが好きね」
「隊長さん、全員を連れてこの場から逃げるんだ。こいつはあんたらの手に負える相手じゃない」
「おいおい、つれないなぁ。まだ誰も死んでないじゃないかぁっ!」
いきなりドレクが生き生きとした表情を浮かべて掴みかかってくる。まるで獣が人を襲うように右腕を振りかぶった。その右手の爪が延び、鋭い刃物となって隊長さんに斬りかかる。そこをベオグラードがミスリル製の槌で受け止めた。
「……させん」
「ほぅ、図体の割にいい反応だ。俺様の楽しみを邪魔すんじゃねぇよ!」
ドレクの目は完全にイッちゃっている。長い舌を出して本当に気持ち悪い笑みだ。口調も変わっている、いやむしろこれが奴の本性なのか。
「そ、総員退避!」
「あら、逃げるのね。せっかくだから遊び相手を用意してあげるのに」
女が指をパチンと鳴らすと集会所のそこかしこに黒い影が複数生まれ、そこからレッサーデーモン達が姿を現す。レッサーといってもその危険度はCランク相当。このままでは兵士たちに死者が出てしまうけど、ここには僕がいるからね。レッサーデーモンなんて物の数じゃあない。
「ひ! あ、悪魔が!」
「レッサーデーモンだと!?」
「神域への昇華、強化」
僕の魔力も今やリオネッセさんに並ぶ程となっている。神聖系最強の広域浄滅魔法であればレッサーデーモンなどいくらいても雑魚でしかないのだ。
僕の力ある言葉により、僕を中心に光が広がっていった。その光はレッサーデーモンやドレク達を飲み込む。巻き込まれたレッサーデーモンは跡形もなく消え失せ、ドレクもベオグラードから離れて防御姿勢を取った。光が止むとレッサーデーモンは全て消え失せ、兵士達が撤退していく。
「めんどくさい魔法使うのね。ちょっと痛かったじゃない」
「ふーん、お姉さんやっぱり爵位級悪魔か」
強化した神域への昇華を防いで耐えれるなら爵位級なのは間違いないだろう。人の姿を取れるなら最低でも男爵級のはずだ。
「そうよ。これでも男爵級なの。リティス、それが私の名前よ。そして私の特技、それはね誘惑!」
艶めかしい女悪魔らしく誘惑を使うのか。効かないけどね。それはもちろん僕だけじゃない。
「焼き尽くせ! ファイアボール!」
ルカが魔法生物化により火炎球を虎に変えると、炎の虎がキバを剥いてリティスを襲う。
「ちっ!」
しかしその炎の虎もリティスが無造作に振った手に弾かれ、あっさりと霧散する。
「おかしいわね、そこの木偶の坊にも効かないなんて有り得ないわ」
「魅力不足じゃないの?」
素早い動きでミラがダガーで斬りかかる。両手にダガーを持ち、得意のスピードを生かした戦闘スタイルだ。
ちなみに誘惑なら対策はちゃんと出来ている。僕らは全員が厄災からの保護のかかったペンダントをしているからね。状態異常は全て無効化される。
「小娘が!」
「うわっ、腕でダガー受け止めるなんてなんなのよ」
「悪魔舐めんじゃないわよ!」
リティスが腕を降ると同時にミラが大きく距離を取る。するとミラのいた場所を黒い渦が立上り、天井へ消えていった。
ルードは男の方の相手をしており、剣を交えていた。ちゃんと互角にやり合えており、暫くは任せて大丈夫かもしれない。ベオグラードはやや劣勢だ。ベオグラードの援護を優先するべきか。それにあのドレクとかいう奴はどうにも気にかかるものがある。
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