8 / 43
8初めて
しおりを挟む
8初めて
良くか悪くか、ヴァラドルの持っていた即効性の抑制剤で俺の理性が呼び起こされた。それでも発情した後の身体の熱は治まることを知らない。
誰から見ても、ズボン越しにソレが硬くなり、熱を持っていることが一目瞭然である。
しかも、Ω特有の体質、女性のように濡れている。ドロリと垂れてきて個人的には嫌いな感覚で、気持ち悪い。
ヴァラドルもそれにか気づいていて、意地悪く布の上から揉んでくるような形でヌチャ、グチュと音を立てる。
発情時の自分の失言、欲しいなどと言ったことに痴態をさらした、と後悔する暇もなく、今はわざと楽しむように俺の身体を弄ぶヴァラドルに怒りが湧く。
「っの、くそ……、はなせぇ……んっ、~!」
正直申し訳ないとも思っている、服を汚していることに関してだけは。
しかし、ヴァラドルはそんなことは気にも止めず、前を触ったかと思えば手を滑らせ後ろの穴の近くを触る。
……恐らく、布からももう漏れていて、ベッドのシーツもヴァラドルの手も濡れている。
前後一緒には触らず、交互に触ってくることが意地悪い。これ以上痴態を晒したくない俺は、とっとと果ててしまいたい。
「……随分理性が戻ったようだな」
鋭く光る緑の瞳が俺の顔を見つめ、また下へと視線をやる。
「…っ、もどっ、たぁ……から、」
動くヴァラドルの手を動かせないようにしようと思いつき、足をグッと閉じようとした。しかし、ヴァラドルはそれを読んでいたかのように、俺を触っていない方の手でそれを制止させる。
「こら、足を閉じるな」
上手く力が入らない身体では、ヴァラドルの片腕の力にも勝てず、グイッと足を持ち上げられ、再度開いた状態にさせられる。
俺はまだ解放されていた両腕で自分の顔を隠し、ヴァラドルのキスを拒んだ。
「……やっぱり、きらいだぁ……ズッ……、なん、もしないっ、てぇ……いっだ……」
涙、鼻水、顔から色んな物が垂れてくる。
子供のような泣き方、言葉にヴァラドルは呆けて、フハッと笑った。暫く、くくっ…と笑い続けている。そのことにイラッとした。
「……言っただろう、お前の身体に触ることはすると……ただ、"最後"まではしない」
笑う顔を俺に近づけ、そう言われ、ハクッと息を飲み込むと、一層強く下半身を触られる。中が気持ち悪いくらいに濡れている、後ろだけじゃない前も先走りでネトっと濡れている。
「っぁあ、やっ、やぁ~~っ!!」
ほんの少しの抵抗で、弱い力でヴァラドルの身体を蹴る。げしげしと蹴ると、本当に痛いのか痛くないのか「やめろ」と笑いながら言う。
「……クロウス、中が気持ち悪いだろう、腰を浮かせろ」
「んぅ、やだぁ……さわる、なぁっ」
必死の抵抗に、ヴァラドルはどうしたものかという顔をし、顔を隠す俺の手を退け、頬を舐めてくる。俺は!?となり、近くにあるヴァラドルの目を見る。
「痛いことはしない、気持ち良くなるだけだ」
「っぅう~~……」
この状況を打破するには、コイツが俺の上から避けて、俺が自分でスるか、コイツに直接触ってもらうかのどちらかしかない。
そして、コイツは俺の上から退ける気は一切ないという顔だ。
……もう、後者しかないのか。
俺はおずおずと自分の腰を少しだけ浮かせる、ヴァラドルはそれにすぐ気づき、フッと笑い、「ありがとう」というようにチュッとキスをする。
ずるっとズボンがずらされ、腰にあった部分が膝辺りまで降りていくと、ベトッと糸を引いているのが見えた。最悪だ、やはり下着からも漏れていた。実際に見てしまうと現実を突きつけられたような感覚で、気分が悪くなる。
「……、おい。腰を落とすな、下着も下げないと気持ち良くならないぞ」
覚悟はしていた。ヴァラドルにそこを見られるという覚悟。しかし直前にして、恥ずかしさと屈辱感でいっぱいになる。腰をベッドに落とし、脱がせないようにした。
「……………無理やりにでも、腰を持ち上げれば良い……」
「無理強いは好まん」
ほとんど無理やりみたいなやり方の癖によく言ったものだ。嫌だと言ったとしても、聞いてもくれない癖に。拒んでも拒んでも攻めてくる癖に。
「……歳も歳だ。ヒートになったことはあるだろう? あれと同じだ。 出せば楽になる」
説得するようにそう言うヴァラドルは、俺の頬をすりっと手の甲で撫でる。
「……1人が良い、お前に見られたくない……」
こんな事を言って、退くような奴ではないと分かってはいるが、自分の意見を言ってみる。
ふぅっ、とヴァラドルは息をつき、彼の長い髪をガッと持ち上げる。
「……いやなんだよ、こんな身体……、発情とかヒートとか……、シたくもないのに……言うことを聞かないんだ……、お前らにはわから、ないとおもうが……」
Ωで生まれたかった訳じゃない。勝手にそうなっただけだ。なのに、父も母も嫌なものを見る目で見てくる。こんな急に現れた男に痴態を晒す羽目にまでなる。
目元を隠しながら、ヴァラドルにそう言う。ヤリたいなら好き勝手やって欲しい。俺の意見も、許可も得るな、余計惨め思いをするだけなんだから。
「……クロウス、確かに俺にお前の身体の辛さは分からん。 それでも、お前の身体を楽にしてやりたいという気持ちはある。 ……1人にしろなんて言うな、必ず今まで経験したことがないくらいに良くしてやる」
悲しく、愛しそうな目で俺を見て、ヴァラドルはそう言った。
……そんな目で見て欲しくない。何も考えられなくなるほどに犯してくれた方が気持ち的には楽で、仕方なかったと、割り切れる気がするんだ。
「仕方なかった」、と思いたくはなくとも自分に言い聞かせることが出来るのに……。
ぐすっ、と一声あげてまた腰を浮かせた。ヴァラドルは「いい子だ」と言って、下着を下ろした。
すると、覆い被さるようにしていたヴァラドルは退け、寝転がる俺を起こし、座らせる。
「……な、なに……」
ヴァラドルは俺の後ろに座り、抱きしめるような形で座ってくる。身体が密着する。ドクッと心臓が鳴る。
「こちらの方がお前に近いし、触りやすい」
そう言って後ろから俺の肩あたりに顔を出し、頬にキスをしてきた。
右手で前の反り勃つ俺のを優しく握る。小さく「んっ」と声が出た。既に透明でネバっとした液が出ていたが、ヴァラドルは気にすることなく握り、ゆるゆると上下に擦る。
「……他人にされたことはあるか? ここも、こっちも」
左手がフニっと穴を開くように触る。「…ひぅ」と触られたことの無い俺はブルブルと顔を横に振り、「自分しか、ない……」ともうどうにでもなれ、と思いながら暴露し、キュウと俺は縮こまる。
「……クロウス、手を貸せ」
後ろから手を離し、俺の手の上にヴァラドルの手が重なる。ピタッとくっつけてくる。
「……俺の方がでかいな……、キツかったら言え」
手から離れる、また後ろの方へと手が伸びていく。横で「大丈夫だ」と低く囁かれると、身体がビクッとなる。
ヴァラドルの右手は俺のが垂らす液体でダラダラと濡れている。それのせいか動かす度にグチュ、グチュと音をあげる。
「…ふぁ、ぁ……っ」
クニッと穴に触れたのが分かる。ヴァラドルの指先がぐちっと中に入った。
自分ではない人の指が入ってくる、ドクドクと心臓が高鳴る。
「……っぁぁあっ…やっ、ぁ、こぁ…ぃ……」
まだ爪も全部入っていないであろうところで、俺は情けなく声を出した。入ってきたと分かると急に怖くなった。自分の思い通りに動かない、次どう動くかも分からない……もしかしたら、一気に奥を突かれるかもしれない、そんな不安と恐怖からグズグズと俺は泣き始めた。「ぅぇ、うぇっ…」と嗚咽を漏らすと、ヴァラドルもビクッとして1度指を抜き、右手もピタリと止まった。
「……ぅう……っ、ヴァラ……っ、むりぃ……」
子供のような我儘にきっとヴァラドルも引いただろう。呆れただろうか、20手前の男がこんなことに怯え泣く姿なんてイタい以外の何ものでもない。
「……痛かったのか?」
「……ったく、はない……けど……こ、わい……」
ヴァラドルは俺の素直な恐怖心に、「ふむ」と言うと、後ろを触っていた手で俺の手を掴む。
「……痛かったり、気持ち悪かったりしたら、俺の腕でも足でも爪を立ててもいい。 怖いのはすまない、どうしようも出来ん。 だが、お前が「痛いからやめろ」と言えば、今みたいにすぐ止める」
俺をあやすようにヴァラドルは優しい声で言う。まるで子供扱いをされているような気分だったが、その言葉にいくらか安心した。
「こちらは気持ち良かったか、それならこっちに気を持っていけ」
右手の人差し指で先の方をトンと押されるとピクッとなる。トントンと先を数回押され、円を書くようにすりっとなぞられる。全身に電流が走るようだった。
ヴァラドルの爪は綺麗に短く切り揃えられていて、爪でカリッと引っ掻かれる「ひぅっ」と息が漏れた。
「……できるか?」
「……っ、わか、った……」
俺はヴァラドルの両腕を両手でギュッと掴む。
後ろの穴をカリッと1回爪で引っ掻かれ、ビクッとする。それを見たヴァラドルは、カリカリと縁を掻くように爪を立てる。
「…っは、はぁ、あ、……それぇ……」
「っ、好きか?」
好きかどうかは分からないが、身体が正直にビクンビクンと反応するから、気持ち良いのだろう。
「……ゆっくり入れるからな」
その言葉と同時にもう一度指が穴の中に入ってくる。俺はグッとヴァラドルの腕を強く握る。
怖い、怖い……中に入ってくる………目をぎゅっと瞑る。
「……濡れてはいるが、さすがにキツいか」
人差し指の爪が殆ど入ったところで、1度入口付近まで戻っていくのが分かる。抜かずにギリギリのところまで戻ると、また中に少しずつ進んでいく。
「っぁ、はいっ……んっ、ぁあ……はぁっ」
ビクビクと身体が少し反っていく。中でゆるくゆるく動くヴァラドルの指の形が分かる。
どうしよう、怖かったのに、なのに少しずつ入っては戻る指が……
「……っぅぁ……、なかぁ……きもちいっ……」
後ろにいるヴァラドルにもたれ掛かり、口が閉じなくなる。口の端からとろっと垂れる唾液をヴァラドルは舐めた。
「……気持ち良いかっ…? クロウス……」
聞かれ素直にコクコクと頷く。
爪先で怖がっていたのが嘘のように、ヴァラドルの人差し指の第2関節あたりまで飲み込んでいた。少し中をフニっと押されるとどうしようも無く声が出る。
「ぁぁあっ、んっ、ヴァラ、ドル……ど、しよ……あたまぁ…とける……」
「っ快楽には弱いんだな、……愛らしいな…」
茹でダコのように顔全体が赤くなる俺の額にキスをするヴァラドルの顔は火照っていた。
右手も扱かれたり、先をグリグリと責められ果てる寸前までいっていた。
気持ち良さが増す毎に、ヴァラドルを掴む力が強くなっていく。
「……っぁ、もぉ……い、きそ……っんぁ……」
「……いい子だ、クロウス……、しっかり指を咥えられたな……」
気づけば人差し指を全部飲み込んだ後ろは、キュッとヴァラドルの指を離さなくなっていた。ヴァラドルが中でグニグニと腹側を押すと、身体が痺れる。
「……ヴァラ……、おぇ…おかしっ……へん、なるぅっんんっ……!」
「……変じゃないさ、ほら気持ち良くなれっ」
腹の内をグッと強く押され、右手が俺のを一層早く扱いていく。高まった身体は言うことをきかなくなる。
「ふぁっ、ぁぁ……んぁっ、ぁぁあっ……!!」
ヴァラドルの右手に白い液体がベッタリとついている、ビクッ、ビクッと余韻のように震える身体が止まらない。
ずるっと指が抜かれると、「あっ」と声が出た。
力なくずるりとヴァラドルに全身を預けると、俺の腰の部分に硬いものが当たった。瞼が重くなる俺はそれがなんなのかを考えるだけで精一杯だった。
……こいつ、俺で興奮してたのか……、それなのに……っ……と考えたところで、疲れた俺の意識は飛んでいった。
良くか悪くか、ヴァラドルの持っていた即効性の抑制剤で俺の理性が呼び起こされた。それでも発情した後の身体の熱は治まることを知らない。
誰から見ても、ズボン越しにソレが硬くなり、熱を持っていることが一目瞭然である。
しかも、Ω特有の体質、女性のように濡れている。ドロリと垂れてきて個人的には嫌いな感覚で、気持ち悪い。
ヴァラドルもそれにか気づいていて、意地悪く布の上から揉んでくるような形でヌチャ、グチュと音を立てる。
発情時の自分の失言、欲しいなどと言ったことに痴態をさらした、と後悔する暇もなく、今はわざと楽しむように俺の身体を弄ぶヴァラドルに怒りが湧く。
「っの、くそ……、はなせぇ……んっ、~!」
正直申し訳ないとも思っている、服を汚していることに関してだけは。
しかし、ヴァラドルはそんなことは気にも止めず、前を触ったかと思えば手を滑らせ後ろの穴の近くを触る。
……恐らく、布からももう漏れていて、ベッドのシーツもヴァラドルの手も濡れている。
前後一緒には触らず、交互に触ってくることが意地悪い。これ以上痴態を晒したくない俺は、とっとと果ててしまいたい。
「……随分理性が戻ったようだな」
鋭く光る緑の瞳が俺の顔を見つめ、また下へと視線をやる。
「…っ、もどっ、たぁ……から、」
動くヴァラドルの手を動かせないようにしようと思いつき、足をグッと閉じようとした。しかし、ヴァラドルはそれを読んでいたかのように、俺を触っていない方の手でそれを制止させる。
「こら、足を閉じるな」
上手く力が入らない身体では、ヴァラドルの片腕の力にも勝てず、グイッと足を持ち上げられ、再度開いた状態にさせられる。
俺はまだ解放されていた両腕で自分の顔を隠し、ヴァラドルのキスを拒んだ。
「……やっぱり、きらいだぁ……ズッ……、なん、もしないっ、てぇ……いっだ……」
涙、鼻水、顔から色んな物が垂れてくる。
子供のような泣き方、言葉にヴァラドルは呆けて、フハッと笑った。暫く、くくっ…と笑い続けている。そのことにイラッとした。
「……言っただろう、お前の身体に触ることはすると……ただ、"最後"まではしない」
笑う顔を俺に近づけ、そう言われ、ハクッと息を飲み込むと、一層強く下半身を触られる。中が気持ち悪いくらいに濡れている、後ろだけじゃない前も先走りでネトっと濡れている。
「っぁあ、やっ、やぁ~~っ!!」
ほんの少しの抵抗で、弱い力でヴァラドルの身体を蹴る。げしげしと蹴ると、本当に痛いのか痛くないのか「やめろ」と笑いながら言う。
「……クロウス、中が気持ち悪いだろう、腰を浮かせろ」
「んぅ、やだぁ……さわる、なぁっ」
必死の抵抗に、ヴァラドルはどうしたものかという顔をし、顔を隠す俺の手を退け、頬を舐めてくる。俺は!?となり、近くにあるヴァラドルの目を見る。
「痛いことはしない、気持ち良くなるだけだ」
「っぅう~~……」
この状況を打破するには、コイツが俺の上から避けて、俺が自分でスるか、コイツに直接触ってもらうかのどちらかしかない。
そして、コイツは俺の上から退ける気は一切ないという顔だ。
……もう、後者しかないのか。
俺はおずおずと自分の腰を少しだけ浮かせる、ヴァラドルはそれにすぐ気づき、フッと笑い、「ありがとう」というようにチュッとキスをする。
ずるっとズボンがずらされ、腰にあった部分が膝辺りまで降りていくと、ベトッと糸を引いているのが見えた。最悪だ、やはり下着からも漏れていた。実際に見てしまうと現実を突きつけられたような感覚で、気分が悪くなる。
「……、おい。腰を落とすな、下着も下げないと気持ち良くならないぞ」
覚悟はしていた。ヴァラドルにそこを見られるという覚悟。しかし直前にして、恥ずかしさと屈辱感でいっぱいになる。腰をベッドに落とし、脱がせないようにした。
「……………無理やりにでも、腰を持ち上げれば良い……」
「無理強いは好まん」
ほとんど無理やりみたいなやり方の癖によく言ったものだ。嫌だと言ったとしても、聞いてもくれない癖に。拒んでも拒んでも攻めてくる癖に。
「……歳も歳だ。ヒートになったことはあるだろう? あれと同じだ。 出せば楽になる」
説得するようにそう言うヴァラドルは、俺の頬をすりっと手の甲で撫でる。
「……1人が良い、お前に見られたくない……」
こんな事を言って、退くような奴ではないと分かってはいるが、自分の意見を言ってみる。
ふぅっ、とヴァラドルは息をつき、彼の長い髪をガッと持ち上げる。
「……いやなんだよ、こんな身体……、発情とかヒートとか……、シたくもないのに……言うことを聞かないんだ……、お前らにはわから、ないとおもうが……」
Ωで生まれたかった訳じゃない。勝手にそうなっただけだ。なのに、父も母も嫌なものを見る目で見てくる。こんな急に現れた男に痴態を晒す羽目にまでなる。
目元を隠しながら、ヴァラドルにそう言う。ヤリたいなら好き勝手やって欲しい。俺の意見も、許可も得るな、余計惨め思いをするだけなんだから。
「……クロウス、確かに俺にお前の身体の辛さは分からん。 それでも、お前の身体を楽にしてやりたいという気持ちはある。 ……1人にしろなんて言うな、必ず今まで経験したことがないくらいに良くしてやる」
悲しく、愛しそうな目で俺を見て、ヴァラドルはそう言った。
……そんな目で見て欲しくない。何も考えられなくなるほどに犯してくれた方が気持ち的には楽で、仕方なかったと、割り切れる気がするんだ。
「仕方なかった」、と思いたくはなくとも自分に言い聞かせることが出来るのに……。
ぐすっ、と一声あげてまた腰を浮かせた。ヴァラドルは「いい子だ」と言って、下着を下ろした。
すると、覆い被さるようにしていたヴァラドルは退け、寝転がる俺を起こし、座らせる。
「……な、なに……」
ヴァラドルは俺の後ろに座り、抱きしめるような形で座ってくる。身体が密着する。ドクッと心臓が鳴る。
「こちらの方がお前に近いし、触りやすい」
そう言って後ろから俺の肩あたりに顔を出し、頬にキスをしてきた。
右手で前の反り勃つ俺のを優しく握る。小さく「んっ」と声が出た。既に透明でネバっとした液が出ていたが、ヴァラドルは気にすることなく握り、ゆるゆると上下に擦る。
「……他人にされたことはあるか? ここも、こっちも」
左手がフニっと穴を開くように触る。「…ひぅ」と触られたことの無い俺はブルブルと顔を横に振り、「自分しか、ない……」ともうどうにでもなれ、と思いながら暴露し、キュウと俺は縮こまる。
「……クロウス、手を貸せ」
後ろから手を離し、俺の手の上にヴァラドルの手が重なる。ピタッとくっつけてくる。
「……俺の方がでかいな……、キツかったら言え」
手から離れる、また後ろの方へと手が伸びていく。横で「大丈夫だ」と低く囁かれると、身体がビクッとなる。
ヴァラドルの右手は俺のが垂らす液体でダラダラと濡れている。それのせいか動かす度にグチュ、グチュと音をあげる。
「…ふぁ、ぁ……っ」
クニッと穴に触れたのが分かる。ヴァラドルの指先がぐちっと中に入った。
自分ではない人の指が入ってくる、ドクドクと心臓が高鳴る。
「……っぁぁあっ…やっ、ぁ、こぁ…ぃ……」
まだ爪も全部入っていないであろうところで、俺は情けなく声を出した。入ってきたと分かると急に怖くなった。自分の思い通りに動かない、次どう動くかも分からない……もしかしたら、一気に奥を突かれるかもしれない、そんな不安と恐怖からグズグズと俺は泣き始めた。「ぅぇ、うぇっ…」と嗚咽を漏らすと、ヴァラドルもビクッとして1度指を抜き、右手もピタリと止まった。
「……ぅう……っ、ヴァラ……っ、むりぃ……」
子供のような我儘にきっとヴァラドルも引いただろう。呆れただろうか、20手前の男がこんなことに怯え泣く姿なんてイタい以外の何ものでもない。
「……痛かったのか?」
「……ったく、はない……けど……こ、わい……」
ヴァラドルは俺の素直な恐怖心に、「ふむ」と言うと、後ろを触っていた手で俺の手を掴む。
「……痛かったり、気持ち悪かったりしたら、俺の腕でも足でも爪を立ててもいい。 怖いのはすまない、どうしようも出来ん。 だが、お前が「痛いからやめろ」と言えば、今みたいにすぐ止める」
俺をあやすようにヴァラドルは優しい声で言う。まるで子供扱いをされているような気分だったが、その言葉にいくらか安心した。
「こちらは気持ち良かったか、それならこっちに気を持っていけ」
右手の人差し指で先の方をトンと押されるとピクッとなる。トントンと先を数回押され、円を書くようにすりっとなぞられる。全身に電流が走るようだった。
ヴァラドルの爪は綺麗に短く切り揃えられていて、爪でカリッと引っ掻かれる「ひぅっ」と息が漏れた。
「……できるか?」
「……っ、わか、った……」
俺はヴァラドルの両腕を両手でギュッと掴む。
後ろの穴をカリッと1回爪で引っ掻かれ、ビクッとする。それを見たヴァラドルは、カリカリと縁を掻くように爪を立てる。
「…っは、はぁ、あ、……それぇ……」
「っ、好きか?」
好きかどうかは分からないが、身体が正直にビクンビクンと反応するから、気持ち良いのだろう。
「……ゆっくり入れるからな」
その言葉と同時にもう一度指が穴の中に入ってくる。俺はグッとヴァラドルの腕を強く握る。
怖い、怖い……中に入ってくる………目をぎゅっと瞑る。
「……濡れてはいるが、さすがにキツいか」
人差し指の爪が殆ど入ったところで、1度入口付近まで戻っていくのが分かる。抜かずにギリギリのところまで戻ると、また中に少しずつ進んでいく。
「っぁ、はいっ……んっ、ぁあ……はぁっ」
ビクビクと身体が少し反っていく。中でゆるくゆるく動くヴァラドルの指の形が分かる。
どうしよう、怖かったのに、なのに少しずつ入っては戻る指が……
「……っぅぁ……、なかぁ……きもちいっ……」
後ろにいるヴァラドルにもたれ掛かり、口が閉じなくなる。口の端からとろっと垂れる唾液をヴァラドルは舐めた。
「……気持ち良いかっ…? クロウス……」
聞かれ素直にコクコクと頷く。
爪先で怖がっていたのが嘘のように、ヴァラドルの人差し指の第2関節あたりまで飲み込んでいた。少し中をフニっと押されるとどうしようも無く声が出る。
「ぁぁあっ、んっ、ヴァラ、ドル……ど、しよ……あたまぁ…とける……」
「っ快楽には弱いんだな、……愛らしいな…」
茹でダコのように顔全体が赤くなる俺の額にキスをするヴァラドルの顔は火照っていた。
右手も扱かれたり、先をグリグリと責められ果てる寸前までいっていた。
気持ち良さが増す毎に、ヴァラドルを掴む力が強くなっていく。
「……っぁ、もぉ……い、きそ……っんぁ……」
「……いい子だ、クロウス……、しっかり指を咥えられたな……」
気づけば人差し指を全部飲み込んだ後ろは、キュッとヴァラドルの指を離さなくなっていた。ヴァラドルが中でグニグニと腹側を押すと、身体が痺れる。
「……ヴァラ……、おぇ…おかしっ……へん、なるぅっんんっ……!」
「……変じゃないさ、ほら気持ち良くなれっ」
腹の内をグッと強く押され、右手が俺のを一層早く扱いていく。高まった身体は言うことをきかなくなる。
「ふぁっ、ぁぁ……んぁっ、ぁぁあっ……!!」
ヴァラドルの右手に白い液体がベッタリとついている、ビクッ、ビクッと余韻のように震える身体が止まらない。
ずるっと指が抜かれると、「あっ」と声が出た。
力なくずるりとヴァラドルに全身を預けると、俺の腰の部分に硬いものが当たった。瞼が重くなる俺はそれがなんなのかを考えるだけで精一杯だった。
……こいつ、俺で興奮してたのか……、それなのに……っ……と考えたところで、疲れた俺の意識は飛んでいった。
0
あなたにおすすめの小説
番に見つからない街で、子供を育てている
はちも
BL
目を覚ますと、腕の中には赤ん坊がいた。
異世界の青年ロアンとして目覚めた「俺」は、希少な男性オメガであり、子を産んだ母親だった。
現世の記憶は失われているが、
この子を守らなければならない、という想いだけははっきりと残っている。
街の人々に助けられ、魔石への魔力注入で生計を立てながら、
ロアンと息子カイルは、番のいない街で慎ましく暮らしていく。
だが、行方不明の番を探す噂が、静かに近づいていた。
再会は望まない。
今はただ、この子との生活を守りたい。
これは、番から逃げたオメガが、
選び直すまでの物語。
*本編完結しました
【完結】気が付いたらマッチョなblゲーの主人公になっていた件
白井のわ
BL
雄っぱいが大好きな俺は、気が付いたら大好きなblゲーの主人公になっていた。
最初から好感度MAXのマッチョな攻略対象達に迫られて正直心臓がもちそうもない。
いつも俺を第一に考えてくれる幼なじみ、優しいイケオジの先生、憧れの先輩、皆とのイチャイチャハーレムエンドを目指す俺の学園生活が今始まる。
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
転生したら、主人公の宿敵(でも俺の推し)の側近でした
リリーブルー
BL
「しごとより、いのち」厚労省の過労死等防止対策のスローガンです。過労死をゼロにし、健康で充実して働き続けることのできる社会へ。この小説の主人公は、仕事依存で過労死し異世界転生します。
仕事依存だった主人公(20代社畜)は、過労で倒れた拍子に異世界へ転生。目を覚ますと、そこは剣と魔法の世界——。愛読していた小説のラスボス貴族、すなわち原作主人公の宿敵(ライバル)レオナルト公爵に仕える側近の美青年貴族・シリル(20代)になっていた!
原作小説では悪役のレオナルト公爵。でも主人公はレオナルトに感情移入して読んでおり彼が推しだった! なので嬉しい!
だが問題は、そのラスボス貴族・レオナルト公爵(30代)が、物語の中では原作主人公にとっての宿敵ゆえに、原作小説では彼の冷酷な策略によって国家間の戦争へと突き進み、最終的にレオナルトと側近のシリルは処刑される運命だったことだ。
「俺、このままだと死ぬやつじゃん……」
死を回避するために、主人公、すなわち転生先の新しいシリルは、レオナルト公爵の信頼を得て歴史を変えようと決意。しかし、レオナルトは原作とは違い、どこか寂しげで孤独を抱えている様子。さらに、主人公が意外な才覚を発揮するたびに、公爵の態度が甘くなり、なぜか距離が近くなっていく。主人公は気づく。レオナルト公爵が悪に染まる原因は、彼の孤独と裏切られ続けた過去にあるのではないかと。そして彼を救おうと奔走するが、それは同時に、公爵からの執着を招くことになり——!?
原作主人公ラセル王太子も出てきて話は複雑に!
見どころ
・転生
・主従
・推しである原作悪役に溺愛される
・前世の経験と知識を活かす
・政治的な駆け引きとバトル要素(少し)
・ダークヒーロー(攻め)の変化(冷酷な公爵が愛を知り、主人公に執着・溺愛する過程)
・黒猫もふもふ
番外編では。
・もふもふ獣人化
・切ない裏側
・少年時代
などなど
最初は、推しの信頼を得るために、ほのぼの日常スローライフ、かわいい黒猫が出てきます。中盤にバトルがあって、解決、という流れ。後日譚は、ほのぼのに戻るかも。本編は完結しましたが、後日譚や番外編、ifルートなど、続々更新中。
帝に囲われていることなど知らない俺は今日も一人草を刈る。
志子
BL
ノリと勢いで書いたBL転生中華ファンタジー。
美形×平凡。
乱文失礼します。誤字脱字あったらすみません。
崖から落ちて顔に大傷を負い高熱で三日三晩魘された俺は前世を思い出した。どうやら農村の子どもに転生したようだ。
転生小説のようにチート能力で無双したり、前世の知識を使ってバンバン改革を起こしたり……なんてことはない。
そんな平々凡々の俺は今、帝の花園と呼ばれる後宮で下っ端として働いてる。
え? 男の俺が後宮に? って思ったろ? 実はこの後宮、ちょーーと変わっていて…‥。
α主人公の友人モブαのはずが、なぜか俺が迫られている。
宵のうさぎ
BL
異世界に転生したと思ったら、オメガバースの世界でした。
しかも、どうやらここは前世の姉ちゃんが読んでいたBL漫画の世界らしい。
漫画の主人公であるハイスぺアルファ・レオンの友人モブアルファ・カイルとして過ごしていたはずなのに、なぜか俺が迫られている。
「カイル、君の為なら僕は全てを捨てられる」
え、後天的Ω?ビッチング!?
「カイル、僕を君のオメガにしてくれ」
この小説は主人公攻め、受けのビッチング(後天的Ω)の要素が含まれていますのでご注意を!
騎士団長子息モブアルファ×原作主人公アルファ(後天的Ωになる)
強制悪役劣等生、レベル99の超人達の激重愛に逃げられない
砂糖犬
BL
悪名高い乙女ゲームの悪役令息に生まれ変わった主人公。
自分の未来は自分で変えると強制力に抗う事に。
ただ平穏に暮らしたい、それだけだった。
とあるきっかけフラグのせいで、友情ルートは崩れ去っていく。
恋愛ルートを認めない弱々キャラにわからせ愛を仕掛ける攻略キャラクター達。
ヒロインは?悪役令嬢は?それどころではない。
落第が掛かっている大事な時に、主人公は及第点を取れるのか!?
最強の力を内に憑依する時、その力は目覚める。
12人の攻略キャラクター×強制力に苦しむ悪役劣等生
「役立たず」と追放された神官を拾ったのは、不眠に悩む最強の騎士団長。彼の唯一の癒やし手になった俺は、その重すぎる独占欲に溺愛される
水凪しおん
BL
聖なる力を持たず、「穢れを祓う」ことしかできない神官ルカ。治癒の奇跡も起こせない彼は、聖域から「役立たず」の烙印を押され、無一文で追放されてしまう。
絶望の淵で倒れていた彼を拾ったのは、「氷の鬼神」と恐れられる最強の竜騎士団長、エヴァン・ライオネルだった。
長年の不眠と悪夢に苦しむエヴァンは、ルカの側にいるだけで不思議な安らぎを得られることに気づく。
「お前は今日から俺専用の癒やし手だ。異論は認めん」
有無を言わさず騎士団に連れ去られたルカの、無能と蔑まれた力。それは、戦場で瘴気に蝕まれる騎士たちにとって、そして孤独な鬼神の心を救う唯一の光となる奇跡だった。
追放された役立たず神官が、最強騎士団長の独占欲と溺愛に包まれ、かけがえのない居場所を見つける異世界BLファンタジー!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる