心からの愛してる

マツユキ

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「うん。熱も下がったし、もう大丈夫だよ。あ、だけど暫くは安静だからね?」

「はい」

「食事はお腹がビックリしないように、最初は柔らかいもの、消化しやすいものが中心になるから、残さずに食べる様に」

「はい」

小食になってしまって、そもそも食事量がかなり減っていた。それも危惧しての事だろう

「よし、竜元君。君の食事も今まで通り、ここに運ぶから、花瀬君がちゃんと食べているか、報告してもらうよ?」

「分かりました」

「よろしい。では、引き続き花瀬君は安静にしている様に」

そう言って、保険医は部屋から出ていった。結良は無意識に強張っていた体の力が抜けていくのを感じる。よく知っている先生で、危害何て加えないと分かっていても、体に力が入ってしまい、若干震えてしまっていた

「結良、もう休んでいろ。食事の前に起こすから」

「…分かりました」

竜元に頭を撫でられていると、段々と瞼が落ちてくる。そのままスヤスヤと寝息を立て始めた結良。竜元は布団を肩の位置まで掛けなおすと、机に座って仕事を始めた

静かな室内に、キーボードを打つ音だけが響いていた

文化祭が無事に終わり、その後処理と次の行事の書類をまとめたり。仕事は山積みだったが、同時進行で結良に対して行われていた悪質な行為に、今回の暴行の件の事も調べていた

犯人は分かっているが、決定的な証拠が必要だ

結良が暴行されたのを目の当たりにして、我を忘れ過剰に行動してしまった事を、竜元は悔いていた。そんな行動をしてしまえば、暴行を加えていた奴らと変わらないし、何の意味もないのだ

社会的な罰を受けさせる事の方が、今後生きて行くのに苦労するだろう。その方が、長く苦しむ事にもなる。己が犯した罪を、その時だけの痛みだけで終わらせるなんて事は、あいつらにとっては軽い。竜元はそう思っていた


――――PIPI


スマホの呼び出し音が鳴り、確認する竜元。暫くの間、ジッとスマホを見ていた竜元が、ニヤリと笑った

「――――覚悟しておけ。お前は、傷つけてはいけない者を、傷つけてしまった」

そう言って、竜元は加賀城に連絡する

竜元の第一の優先は結良だ。つまり、結良の看病をする事。なので、制裁をする為の準備が出来ないので、その準備を加賀城に頼むためだった

『…分かった。それで進めておく。各方面の連絡も、こっちでするからお前は結良をちゃんと見てろよ?』

「あぁ。手間をかけるが、宜しく頼む」

『任せておけ。―――結良はどうだ?目覚めたと聞いたが』

「…俺には大丈夫なんだが、やはり人に対しての恐怖心があるみたいだ。本人は気づいていないが、震えていた」

『そうか…、本当は顔を見ておきたかったんだが、暫くは止めておいた方が良いだろうな』

「今日目覚めたばかりなんだ。ゆっくり時間をかければ、きっと大丈夫になって行くはずだ。それまでは、俺が側に居る様にする」

『それが良いだろうな。じゃ、こっちの事は、俺に任せろ。結良の事はお前に任せる』

「あぁ、ではまた」

そう言って、竜元は通話を終えた




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