裏切りの先にあるもの

マツユキ

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隊長の大きな声にハッとし、騎士達は手に持つ剣を、再度しっかりと握り直した

突如聞こえた声に僅かに反応したクリフは、ゆっくりとした動作で隊長を見る

先程までの恍惚とした表情が、嘘だったかのようにその顔には表情がまるでなかった

クリフが言葉を発する事はなかった

「…キャロル、もう時間切れみたいだ。僕の事忘れてはだめだよ?」

クリフは血に染まった手で、キャロルの頬を優しく撫でる

そして、クリフはゆっくりと後ろへ倒れた。血を流しすぎたのだ

クリフがどうなったか等、皆が解っていた。だが、確認するために隊長はクリフの側に歩いていった



――――


セシルとアランは、報告に来た騎士からキャロルが無事だときかされた。そして現在の状況も

側に行きたい。この目で無事を確かめたい。その一心で、セシルとアラン、そしてロイドは屋敷へと駆けつけた

そして目にした光景に言葉を無くした

そこには大量の血の中、目を見開き固まったままのキャロルがいた

一点を見つめたまま微動だにしない姿に騎士達も、どう声をかけるべきなのか、声をかけていいのかわからずにいたのだ

そんな中たった一人、セシルだけがキャロルの元へ駆け出した

「…っキャロル

目に溜まった涙が溢れだす。セシルは血に染まっているキャロルを強く抱き締めた

キャロルが本当の姉でなくても、セシルにとってはいつまでも、たった一人の姉なのだ

「あっ…あっ…セ、シルっ?…セシルな、の?」

セシルに抱き締められたことで、キャロルは僅かに反応した

そして、ずっと会いたいと思っていたセシルが目の前にいる

「あぁっ……!わ、たしっ…セ、シル!…セシ、ル!」

セシルを強く抱き締め、それでもまだ足りない、安心出来ないと言う様に何度も何度も、痛いくらいに強く抱き締めた

「…大、丈夫っ!大丈夫、です!私はここに、いますから!」

泣きならが、必死にキャロルに答える。『もう大丈夫』と『安心』していいのだと

暫くたって、キャロルは気を失った。セシルの手をしっかりと握ったまま




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